嵯峨野俳句会の活動は、月1回の定例句会が基本となります。複数の句会に参加される方も多くいらっしゃいます。
当日出句された句の中から、共感できる句や素晴らしいと感じた句を参加者が選び、合評(鑑賞を発表しあう)する時間がございます。
また、選ばれなかった句に対しても、どう表現したら読者に伝わるのか、など、先生からのご指導が中心ですが、各自で添削案を考えたり、独りでは考えつかない添削案などが出されますので、大変勉強になります。 そこに句座を囲む楽しさがあるように思います。
最後に、当日の自選句を一句選び、幹事さんが嵯峨野編集部へ送り、俳誌に掲載されます。
この「句会だより」は、俳誌の中から、5~10地区の句会を順次掲載しております。(信)
令和6年 12月号 | ||
◎交野句会八月例会 九月二十六日(木) 於 交野会館 | ||
髙見香美記 | ||
席題…秋場所 | ||
才野主宰 吟 | ||
青空へ抜け秋場所の触れ太鼓 | ||
才野主宰 特選 | ||
嫁してより親しき山河鳥渡る けい子 | ||
自選句 | ||
流れゆく雲の姿に秋を知る かほるこ | ||
ほんたうは風に乗りたき赤とんぼ 加代子 | ||
秋遍路今は一人の朱印帳 幸 子 | ||
わが後に道あたらしき花野かな 玉 惠 | ||
相撲にも天才出たか秋高し 正 義 | ||
秋の宵一輪活ける終の家 香 美 | ||
湘南句会九月例会 九月四日(水) 於 藤沢商工会館 | ||
石浜邦弘記 | ||
席題…野分(台風) | ||
秋耕の鍬に一文字野鍛冶の名 憲 勝 | ||
遠花火消えて闇より浪の音 正 弘 | ||
天の川戦禍の子らはみな天使 君 代 | ||
懸垂の顎あげて見る鰯雲 清 次 | ||
新涼やコーヒー少し熱くして 富 治 | ||
台風の目にあり今日も同メニュー 京 子 | ||
蕎麦の花逆白波の野に白し 醇 | ||
かなかなの迎へる家路急ぎけり 和 夫 | ||
突然の雨に散りぢり夏祭 千恵子 | ||
耳当てて水琴窟や音の秋 邦 弘 | ||
川勝句会九月例会 九月十五(日) 於 北尾宅 | ||
武 義弘記 | ||
才野主宰 吟 | ||
讃美歌の声秋空へ秋空へ | ||
才野主宰 特選 | ||
ニュータウン飛び飛び灯る窓の秋 由美子 | ||
自選句 | ||
頬ぬらす夢の涙の秋思かな き ぬ | ||
野菊晴をさな馴染みに会へさうな 鈴 枝 | ||
秋の夜や風に音色のあるやうな 朋 子 | ||
朗朗と一人いで湯の良夜かな 幸 子 | ||
胸ボタンはづしいざなふ秋の風 トモ子 | ||
天高し節高き手の塩むすび 美 幸 | ||
とき色をまとふ社殿や秋夕焼 志保子 | ||
懐しや風運び来る稲穂の香 清 子 | ||
深酒に母の小言かみみず鳴く 義 弘 | ||
桃山句会九月例会 九月二十二日(日) 於 呉竹文化センター | ||
天野 苺記 | ||
才野主宰 吟 | ||
帰り来て残暑まみれの靴を脱ぐ | ||
自選 | ||
登校の列の挨拶爽やかに 久 子 | ||
敬老の日生命線をふと見たり 彩 子 | ||
満ち足りて干し物たたむ夜の秋 梅 子 | ||
爽やかや我と道連れ杖の音 う み | ||
鉛筆を削り揃へて夜の長し こ 夏 | ||
出雲路の奉書焼なる鱸かな 順 子 | ||
秋暑し障子の糊の剝がれをり 和 子 | ||
山荘の天窓に降る秋の星 とみ子 | ||
飴色の稲穂を分けて棚田道 由 美 | ||
山小屋のランプ消されて星月夜 昭 代 | ||
石ころに宇宙見てゐる賢治の忌 ふみ女 | ||
小面のうつむく翳り深む秋 佳 代 | ||
西山の柿摘む人の影ながく 実 | ||
見つけたる秋の七草いつつほど 苺 | ||
飛火野句会九月例会 九月十五日(日) 於 奈良女性センター | ||
池田洋子記 | ||
悠然と花野散策する鴉 敏 子 | ||
わがままを心に決めて秋の風 稔 子 | ||
切り株に蒸気の立ちて今朝の秋 定 慧 | ||
風入れてメレンゲ立てる白露かな 洋 子 | ||
枚方句会九月例会 九月一日(日) 通信句会 | ||
谷中こ夏 記 | ||
兼題・・・「野分」 | ||
才野主宰 吟 | ||
新涼や巫女の袴の朱の映えて | ||
才野主宰 特選 | ||
明け方に一条の風茄子の牛 すみれ | ||
自選句 | ||
秋空や年に一度の四人旅 郁 子 | ||
過ちは繰り返さぬと夾竹桃 恵 子 | ||
なんきんを膝に抱へて瞑想す 光 央 | ||
釣竿と弁当二つ秋の風 眞理子 | ||
水遣りの背を押してくる蝉時雨 孝 子 | ||
丹波路の案山子の手には熊注意 満 子 | ||
遺書凛と残る知覧の白露かな 漲 三 | ||
行き過ぎし野分の果てを思ひをり 堺 | ||
騒ぎ出す庭木や野分来る予報 こ 夏 | ||
目黒句会九月例会 九月十四日(土) 於目黒区田道住区センター | ||
柴田久美子記 | ||
阪田名誉主宰 吟 | ||
草原を滑る朝日の爽やかに | ||
名誉主宰特選 | ||
農道を譲り合ひつつ秋の朝 仙 命 | ||
自選句 | ||
啄木の歌に遊ぶや秋の浜 東 音 | ||
三角に立つナプキンや秋灯 勝 彦 | ||
牛込の旗本屋敷跡の月 倫 子 | ||
虫すだく厨の窓の仄明り 治 子 | ||
波幾重くづれ秋日を散らしをり 久美子 | ||
立川句会九月例会 九月二十二日(日) 於 東部会公会堂 | ||
和田秀穂記 | ||
師の句碑も観音像も秋気かな 東 音 | ||
目を耳を澄まして月の出を待てり 清 次 | ||
夫持ち帰る土つけたまま野鶏頭 惠 子 | ||
盆踊り踊り上手と真似上手 まこと | ||
盛塩に残る黄昏ちちろ虫 博 光 | ||
口ずさむ歌に鼓舞され宵の秋 進 一 | ||
娘と歩むシュヴアルツヴアルド空高し 孝 子 | ||
己が詠むか傘寿米寿と生身魂 秀 穂 | ||
令和6年 11月号 | |||
岡山句会八月例会 八月二十四日(土) 於 きらめきプラザ | |||
石原盛美記 | |||
鳥声にすつきり目覚め涼新た みどり | |||
練塀の続く庄屋泡立草 紀久子 | |||
夕暮れて静かに果つる魂送り 弘 子 | |||
行合の空へ伸びゆく青田かな 桂 子 | |||
風に乗り石にとどまる川蜻蛉 多喜子 | |||
手水舎の水満満や法師蟬 和 恵 | |||
新涼や紙の書籍をなつかしむ 京 子(播磨) |
|||
大盛りに笊の茹蝦島の宿 京 子(田中) | |||
猫眠る出窓の風や涼新た あや子 | |||
白桃を供へて拝む鈴の音 盛 美 | |||
京北下中こぶし句会八月例会 八月二十日(火)) 通信句会 | |||
田中君江記 | |||
盆をどり男結びの帯きりり 伊都子 | |||
墓洗ふ変りし里を語りかけ 節 子 | |||
僧四人読経の揃ふ堂涼し 恒 子 | |||
山の背の入道雲の動かざる 泰 子 | |||
そこまでを来てゐて夕立たち消えに 君 江 | |||
鷺森句会八月例会 八月二十日(火) 於 宝谷宅 | |||
抱れゐて赤児涼しきあくびかな 勢津子 | |||
敗戦や記憶の中の墨の色 昌 子 | |||
ひぐらしや遊歩道行く人の影 早 苗 | |||
ゴムボートプールとなりし爺の家 則 子 | |||
防災の品改める暑さかな う み | |||
小平さくら句会八月句会 八月二十日(火) 於 花小金井南公民館 | |||
鈴木利博記 | |||
長瀞の渦に吸はるる夏日影 東 音 | |||
蝉の声はたと止むとき雨意の風 清 次 | |||
ふはふはの森の小径や濃竜胆 翠 | |||
墓山の道をジイジイ蝉の声 加代子 | |||
川沿ひをゆつくり孫と今朝の秋 陽 子 | |||
短夜や榛名湖畔の歌碑の前 歌 蓮 | |||
秋めくや流れの緩む用水路 光 江 | |||
沖合の漁火はるか盆用意 利 博 | |||
早蕨句会八月例会 八月十六日(金) 於 アスニー山科 | |||
本多ひさ女記 | |||
才野主宰 吟 | |||
縁日を蹴散らかしたる夕立かな | |||
才野主宰 特選 | |||
存分に陽をつめ込んで大西瓜 ひさ女 | |||
自選句 | |||
百代の過客淡海の流れ星 清 次 | |||
夕立や臭残して去つてをり 初 枝 | |||
新涼や母の形見のワンピース 秀 子 | |||
夏空へ人馬一体パリ五輪 惟 之 | |||
足並みの乱れて暑き老いの坂 捨 弘 | |||
紫の袈裟さらさらと盂蘭盆会 敬 子 | |||
細き露地草市立ちて人工雨 悦 正 | |||
兼題「流れ星」高得点句 | |||
幸せを拾ひし心地流れ星 秀 子 | |||
今流れしあれは確かに妻の星 捨 弘 | |||
八王子句会七月例会 八月十八日(日) 於 立川東部会公会堂 | |||
梅原清次記 | |||
信濃路や青田へ延びる山の影 東 音 | |||
先の世を見て来たやうな昼寝覚 まこと | |||
阿夫利嶺の水惜しみなく新豆腐 邦 弘 | |||
うからみな風になりしや橋涼み 雄 彦 | |||
甚平着て下駄履いて行く床屋かな 富 治 | |||
夫留守の気ままな夜長糸と針 恵 子 | |||
秋近し雲ひとひらの高尾山 進 一 | |||
滝行の衣干したる社務所裏 啓 子 | |||
聖岳へ続く吊橋夏の雲 三 郎 | |||
耐え難き忍び難きはこの溽暑 秀 穂 | |||
降るとなき雨に桔梗の濃むらさき 洋 子 | |||
石庭に消ゆる雨音秋めけり 博 光 | |||
号外のメダル続きや夏惜しむ 珠 子 | |||
まどろみにゐてかなかなの声親し 清 次 | |||
令和6年10月号
|
西条句会七月例会 七月二十一日(日) 於 楽土庵 | |||
坂谷ゆふし記 | ||||
実は極楽ふたりゐの梅雨の家 隆 を | ||||
露地に撒く水の乾きや蝉の声 安 恵 | ||||
ほたるぶくろや軍神の母の墓 一 耕 | ||||
老の家笊に少しの梅を干す 孝一郎 | ||||
明易の杜より届く鳥語かな ゆふし | ||||
青潮句会六月例会 六月二十二日(月) 於 田中京子宅 | ||||
田中京子記 | ||||
向きむきにゼリーの中のさくらんぼ 弘 子 | ||||
卓上に手の触れ合うてさくらんぼ 清 子 | ||||
花菖蒲木橋づたひの遊歩道 里 子 | ||||
町内を盛り上げてゐし運動会 勤 | ||||
豊かなり庭のあちこち小判草 𠮷 人 | ||||
梅雨最中言葉が光るみつおの詞 光 子 | ||||
小鷺飛ぶ影を映して植田かな 和 子 | ||||
咽せるほど薔薇を咲かせて平和都市 京 子 | ||||
東京句会七月例会 七月二十七日(土) 於消費者生活センター | ||||
村岡和夫記 | ||||
阪田名誉主宰 吟 | ||||
雨去るや咲き登りたる立葵 | ||||
中山会長 吟 | ||||
詫び出でよへくそかずらの名付け親 | ||||
橋本顧問 吟 | ||||
滴りの山のいのちのうすみどり | ||||
阪田名誉主宰 特選 | ||||
帰省子のまづは仏間へ入りけり 勝 彦 | ||||
中山会長 特選 | ||||
炎天のわだつみを行く空母かな 勝 彦 | ||||
橋本顧問 特選 | ||||
炎天のわだつみを行く空母かな 勝 彦 | ||||
中島顧問 特選 | ||||
有るだけの団扇貸し出す護摩座かな 清 次 | ||||
自選句 | ||||
夏五輪セーヌをゆるる旗の影 信 儀 | ||||
地下足袋の異国丈夫や大西日 久美子 | ||||
炎昼や人影絶ゆる裏通り 和 夫 | ||||
武蔵野句会七月例会 七月十日 (水) 於 武蔵野商工会館会議室 | ||||
中島文夫 記 | ||||
日面を緑蔭へ水走りけり 東 音 | ||||
大陸のごとく浮草動かざる 勝 彦 | ||||
枕して心音を聴く梅雨入の夜 咲久子 | ||||
簟延べる二人の阿吽かな 秀 穂 | ||||
葉から葉へ高く高くへ夏の蝶 洋 子 | ||||
熱風と共に宅配便届く 道 子 | ||||
逝く人を送る雨音季夏の宵 治 子 | ||||
葉がくれに色づきはじむ夏蜜柑 克 彦 | ||||
炎昼や喪服の囲む古き墓 文 夫 | ||||
本部句会七月例会 七月十三日(土) 於 ラボール京都 | ||||
本多ひさ女記 | ||||
才野主宰 吟 | ||||
断崖に貝の化石や夏日差し | ||||
才野主宰 特選 | ||||
稜線のくつきり見える曝書の日 そよ女 | ||||
自選句 | ||||
かたはらの陶狸にも水を打つ 布美子 | ||||
不具合なスマートフォンや梅雨じめり 利里子 | ||||
大西日今日も元気と鬼瓦 小 鈴 | ||||
我を見る円空仏の涼しき目 胡 蝶 | ||||
夏来ても句座に来ぬ人席広し こ 夏 | ||||
絵のやうに土手ゆくひとの日傘かな 彩 子 | ||||
新しき風生まれくる古団扇 ひさ女 | ||||
和歌山句会七月句会 七月二十一日(日) 於 県民文化会館 | ||||
髙橋良精記 | ||||
渓流の草振るはせて河鹿鳴く 真生子 | ||||
染みひとつ思い出となる夏帽子 泰 坊 | ||||
夏帽子振つて遠来迎へけり 薫 | ||||
広重の濃き青涼し美術館 智 子 | ||||
洗濯の竿に蛞蝓雨上がり 淳 子 | ||||
かき氷振り向き見れば山くずれ 志 信 | ||||
百合咲けり言葉は希望を語るもの 年 起 | ||||
固唾のみカメラが囲む蓮のポン 良 精 | ||||
黎明句会七月例会 七月二十日(土) 於 ウイングス京都 | ||||
亀山利里子記 | ||||
才野主宰 吟 | ||||
初蝉や旅を誘ふ雲の色 | ||||
才野主宰 特選 | ||||
水やりが楽しトマトの色づいて 紫 陽 | ||||
自選句 | ||||
炎天にまとふサリーの長き影 布美子 | ||||
山鉾を建て曇天をこじ開けん 美 幸 | ||||
宮川町辻ゆく昼の白ゆかた 小 鈴 | ||||
夏の海遠きを眺め人を恋ふ 胡 蝶 | ||||
玉の汗サウナのやうな体育館 龍 司 | ||||
日盛りや路に一葉のそよぎなし 謙 三 | ||||
浜木綿や島にひとつの診療所 利里子 | ||||
令和6年 9月号 | ||||
交野句会六月例会 六月二十七日(木) 於 交野会館 | ||||
髙見香美記 | ||||
席題…田植 | ||||
才野主宰吟 | ||||
雲の峰見をり亡き人思ひをり | ||||
才野主宰 特選 | ||||
表札の変はる実家や濃紫陽花 玉 惠 | ||||
自選句 | ||||
ふいに来る客のやうなる揚羽蝶 加代子 | ||||
うるむ目に孫の独唱青葉風 幸 子 | ||||
五月雨が雫の花を残し行き かおるこ | ||||
村村を繋ぐ木橋や螢追ふ けい子 | ||||
この川で群れを見たりや舞ふ蛍 正 義 | ||||
晴れてゐて梅雨の近づく風とほる 香 美 | ||||
ミモザ句会六月例会 六月十八日(火) 於 目黒住区センタ三田分室会議室 | ||||
相良研二記 | ||||
雑詠及び兼題・梅雨深し | ||||
大いなる愚直なりけりえごの花 爽 見 | ||||
友を師に櫓舟操る安房の海 仙 命 | ||||
茅花流し東京行きの見えて来し 憲 勝 | ||||
睡蓮やこころ素直になつてをり 爽 恵 | ||||
黒南風や視力検査の滲むまる 倫 子 | ||||
納屋奥の守宮の基地とにりにけり 治 子 | ||||
梅雨腫れ白きTシャツ白き雲 栄 子 | ||||
母逝きてあまた残れる夏衣 研 二 | ||||
湘南句会六月例会 六月五日(水) 於 藤沢商工会館 | ||||
石浜邦弘記 | ||||
席題 … 紫陽花 | ||||
けふあればけふを生きんと更衣 憲 勝 | ||||
コンドルとなつて飛びたや阿蘇夏野 富 治 | ||||
耳少し痒し月夜の栗の花 清 次 | ||||
昨日今日はなだに変はる四葩かな 和 夫 | ||||
潦一瞬の影初つばめ 君 代 | ||||
滝音や文字幽かなる芭蕉句碑 正 弘 | ||||
花菖蒲凛と咲きたる雨の中 千恵子 | ||||
古里の風のそよぎやさくらんぼ 京 子 | ||||
売り切れ間近か参道の夏帽子 醇 | ||||
ピッチャーはポニーテールや若葉風 邦 弘 | ||||
川勝句会六月例会 六月十六日(日) 於 北尾宅 | ||||
武 義弘記 | ||||
才野主宰 吟 | ||||
父の日の父の遺影と酌み交す | ||||
才野主宰 特選 | ||||
雨宿り四葩と同じ空を見て 朋 子 | ||||
自選句 | ||||
月下美人ひと夜の命咲き誇る き ぬ | ||||
海鳴りの胸に響きて沖縄忌 鈴 枝 | ||||
伊吹山雲の大波ソーダ水 幸 子 | ||||
でで虫の何やら角をかくしける トモ子 | ||||
おやすみと金魚に言うて眠りけり 美 幸 | ||||
句探しのそぞろ歩きに松落葉 志保子 | ||||
大胆に帰郷するなりサングラス 由美子 | ||||
水面の指先つつく金魚かな 清 子 | ||||
父の日や仕草が似てる子も孫も あや子 | ||||
木漏れ日の揺れる境内若葉風 義 弘 | ||||
桃山句会六月例会 六月二十三日(日) 於 地域交流センター ケアフル | ||||
天野 苺記 | ||||
才野主宰 吟 | ||||
沖縄忌雨脚強くなる気配 | ||||
自選 | ||||
空き家増ゆ深まつてゆく梅雨の闇 洋 子 | ||||
明易し夢占ひは吉と出て 久 子 | ||||
夏満月ラインで友と誉め合ひて 鈴 子 | ||||
紫陽花やきらりと光るガラスペン 彩 子 | ||||
緑蔭や煙草吸ひゐる友偲ぶ う み | ||||
あづまやを静かによぎる夏鶯 こ 夏 | ||||
夏の霧宇治の山並隠しをり 順 子 | ||||
二世帯の揃ふ日のあり豆ごはん 和 子 | ||||
あぢさゐや言ふこと違ふきのふけふ とみ子 | ||||
梳かせども絡みつく髪桜桃忌 由 美 | ||||
子らの来ぬ公園埋めて姫女苑 昭 代 | ||||
父の日や今朝そら耳の咳払ひ ふみ女 | ||||
桜桃忌音立て開くジャンプ傘 佳 代 | ||||
足湯する人の背中の蜻蛉かな 実 | ||||
夏の草陣をとりあふ分譲地 紀美代 | ||||
ガチャガチャを回してみたり大夕立 苺 | ||||
飛火野句会六月例会 六月十六日(日) 於 奈良女性センター | ||||
山岡千晶記 | ||||
てんと虫暇にあかせて点数ふ 敏 子 | ||||
光背の話などして四葩かな 定 慧 | ||||
梅漬けて梅をいとしき子と思ふ 洋 子 | ||||
夏めくや眩しく光る白い壁 稔 子 | ||||
打水に迎へる父の七回忌 千 晶 | ||||
枚方句会六月例会 六月二日(日) 於 サンプラザ3号館 | ||||
谷中こ夏 記 | ||||
才野主宰 吟 | ||||
万緑や最終バスは午後一時 | ||||
自選句 | ||||
塩味効く気丈な母の豆ご飯 恵 子 | ||||
吟行の一人ベンチや若葉寒 光 央 | ||||
庭端に仲間はずれの蛇苺 すみれ | ||||
天守への息あがる坂蜥蜴の子 眞理子 | ||||
更衣想ひも共に蓋をする 孝 子 | ||||
時計草老舗喫茶の店仕舞い 満 子 | ||||
ゆつくりと透けて葉裏の蝸牛 漲 三 | ||||
オーロラと太陽フレア夏来る 堺 | ||||
山歩き雨と間違ふ滝しぶき 義 一 | ||||
実にならう花を揺さぶる五月雨 こ 夏 | ||||
目黒句会五月例会 六月八日(土) 於目黒区田道住区センター | ||||
柴田久美子記 | ||||
阪田名誉主宰 吟 | ||||
思はざる句集賜る麦の秋 | ||||
名誉主宰特選 | ||||
子供らに水の円光夕涼し 東 音 | ||||
自選句 | ||||
遠近に句を拾う人植田道 仙 命 | ||||
夏暁や住み慣れし家解く日来ぬ 倫 子 | ||||
逝きし子の席に手向けむ百合の花 治 子 | ||||
海峡を望む御社夕涼し 久美子 | ||||
立川句会六月例会 六月二十三日(日) 於 東部会公会堂 | ||||
和田秀穂記 | ||||
六月の風は海の香田畑の香 東 音 | ||||
とねりこのさやぎや夏至の雨上がる 清 次 | ||||
どしや降りのいよいよ梅雨に入りにけり 惠 子 | ||||
打水や赤緒の下駄に履き替へて まこと | ||||
緑蔭は風降るところ雨のごと 博 光 | ||||
夏野菜たつぷり煮込みチリコンカン 孝 子 | ||||
観光に縁遠き日や沖縄忌 秀 穂 | ||||
令和6年8月号 | |||
小平さくら句会五月例会 五月二十一日(火) 於 花小金井南公民館 | |||
鈴木利博記 | |||
山裾をはしる水音花菖蒲 東 音 | |||
裏山へ沖より茅花流しかな 清 次 | |||
降り立てば目の前に富士若葉風 翠 | |||
母の日や銀座エステのプレゼント 加代子 | |||
今朝堀りし千葉の筍大皿に 陽 子 | |||
再会を祝し日台余花の下 歌 蓮 | |||
歩荷の尾瀬池塘あふるる春の水 利 博 | |||
岡山句会五月例会 五月二十五日(土) 於 きらめきプラザ | |||
石原盛美記 | |||
父は子を呼べり草笛ふきならし みどり | |||
七弟の畳みしままの鯉幟 紀久子 | |||
玻璃ごしの静かなる雨庭若葉 弘 子 | |||
鯉幟横一列に川飾る 桂 子 | |||
柿若葉飛行機雲の残す風 多喜子 | |||
天を突く松の緑や紙工村 和 恵 | |||
鯉のぼり風吹くたびに生き返り つとむ | |||
鏡にはいつも母居るカーネーション 京子(播磨) | |||
高原の星をのみ込む鯉幟 京子(田中) | |||
帰国子と里へドライブ夏に入る 盛 美 | |||
鷺森句会五月例会 五月二十一日(火) 於 宝谷宅 | |||
岡田うみ記 | |||
生かされて一人豆飯供ふかな 勢津子 | |||
里宮の丹塗り変はる夏木立 昌 子 | |||
遠征のゴルフコースや風薫る 早 苗 | |||
香りたつ余情の甘き新茶かな 則 子 | |||
狭庭にも程良き風や夕端居 う み | |||
川越句会五月例会 五月十八日(土) 於「ウエスタ川越」 | |||
山本信儀記 | |||
永遠に座す五百羅漢や青葉闇 勝 彦 | |||
青柳の空を川音走りけり 東 音 | |||
古書市のテントを透ける五月の陽 清 次 | |||
浜風や瓦礫の町の吹流し 文 夫 | |||
玻璃窓に高き雨音江戸切子 博 光 | |||
捨て畑や夕日の残る桐の花 克 彦 | |||
色弱の友の剛球夏の空 治 子 | |||
両手上げ夏めく空の大きさよ 信 夫 | |||
千年の京の摂社や燕子花 信 儀 | |||
早蕨句会五月例会 五月十七日(金) 於 アスニー山科 | |||
本多ひさ女記 | |||
才野主宰 吟 | |||
間をおかず来たる返信風薫る | |||
才野主宰 特選 | |||
新緑や糺の森に川四筋 土岐雄 | |||
自選句 | |||
青葉風ベンチに座り句をひねる 初 枝 | |||
昨日茄子植ゑて嬉しい今朝の雨 秀 子 | |||
マーガレット子の手造りの花器に活け 惟 之 | |||
三寸の鮎が巨漢を玩ぶ 捨 弘 | |||
子供の日孫はだんだん少年に 敬 子 | |||
笑む孫の頬いつぱいの苺かな 圭 子 | |||
縁側に湯呑そろひて古茶の湯気 悦 正 | |||
藤棚の風むらさきに染まりをり ひさ女 | |||
兼題「初夏」高得点句 | |||
初夏のレンタサイクル並びけり 土岐雄 | |||
初夏や町家にぎはふジャズライブ ひさ女 | |||
八王子句会五月例会 五月十九日(日) 於 立川東部会公会堂 | |||
梅原清次記 | |||
葉桜に残る夕日や隅田川 東 音 | |||
籠り居の雨のささやき額の花 珠 子 | |||
剥落の阿吽の像や花は葉に 富 治 | |||
風孕みくの字つの字の鯉のぼり 邦 弘 | |||
沢蟹の子や瀬を掬ふ手のひらに 三 郎 | |||
乗り過ごし一駅歩く町薄暑 恵 子 | |||
さみだれの海猫を率ゐて入港す 雄 彦 | |||
垣根越し交す誼や柿若葉 まこと | |||
本棚の読みさし本や四月尽 秀 穂 | |||
羽繕ふ留鳥の池花あやめ 啓 子 | |||
初つばめ昭和は門戸開け放ち 洋 子 | |||
谷戸深く山ほととぎす続けざま 清 次 | |||
京北下中こぶし句会五月句会 五月八日(水) 於 下中公民館 | |||
田中君江記 | |||
才野主宰 吟 | |||
コミュニティーバスを見送る鯉幟 | |||
自選句 | |||
子供の日あまた残れる柱傷 伊都子 | |||
苦も楽も心次第や松の花 節 子 | |||
巣つばめ小さき卵のかけら落つ 恒 子 | |||
新緑の溢るる谷へロープウェイ 泰 子 | |||
四方の山萌黄に染めて風薫る 君 江 | |||
令和6年 7月号 | |||
西条句会四月例会 四月二十五日(木) 於 楽土庵 | |||
坂谷ゆふし記 | |||
春満月大き子の恩孫の恩 隆 を | |||
断層の見えざる動き霾の風 安 恵 | |||
跨線橋くぐり反して初燕 一 耕 | |||
自転車に子を二人のせ花水木 孝一郎 | |||
甘党の幸せ桜餅旨し ゆふし | |||
青潮句会三月例会 三月二十五日(月) 於 田中京子宅 | |||
田中京子記 | |||
行進の球児清しく木の芽晴 弘 子 | |||
石鎚や雲の上行く遍路旅 清 子 | |||
菜の花に浮きし吾家に子ら集ふ 里 子 | |||
花咲くや米寿の集ふ同窓会 勤 | |||
山の辺のかたかごの花いとほしき 𠮷 人 | |||
巡礼の鈴かろやかに山笑ふ 光 子 | |||
霊場に国宝あまたおぼろ月 京 子 | |||
東京句会四月例会 四月二十七日(土) 於カムカム新蒲田 | |||
村岡和夫記 | |||
阪田名誉主宰 吟 | |||
行く春の湖面を奔る風の道 | |||
阪田名誉主宰 特選 | |||
鯥五郎跳んで光のとんでをり 爽 見 | |||
中山会長 特選 | |||
鞘堂の波留に揺れをり花木五倍子 久美子 | |||
橋本顧問 特選 | |||
SLの硬き匂ひや花の昼 仙 命 | |||
自選句 | |||
花の雨厨にケーキ焼く匂ひ 清 次 | |||
今朝生れし蝶には広き離宮かな 山女魚 | |||
松の芯先師の唄を唄ひ継ぎ 信 儀 | |||
花吹雪追ひて駆け出す兄妹 和 夫 | |||
本部句会四月例会 四月十三日(土) 於 ウイングス京都 | |||
本多ひさ女記 | |||
才野主宰 吟 | |||
エイプリルフールの空に雲の無し | |||
才野主宰 特選 | |||
長旅の話ちちちとする燕 彩 子 | |||
自選句 | |||
チャルメラの近く遠くに町朧 布美子 | |||
暖かやおしやべり弾む反省会 鈴 子 | |||
古都の名を輝かせゐる桜かな 利里子 | |||
田起しや腰のふらつく農学生 そよ女 | |||
十字路の花も盛りや青信号 小 鈴 | |||
瓦斯灯や春愁流すテムズ川 胡 蝶 | |||
麗かやこけしの口の緩びをり ひさ女 | |||
和歌山句会四月句会 四月二十一日(日) 於 県民文化会館 | |||
髙橋良精記 | |||
花満ちて老いも若きもカメラマン 真生子 | |||
花に酔ひ人に酔ひたり目黒川 泰 坊 | |||
唐鍬打つ男の子の手並み春筍 薫 | |||
一番になりたがる児等山笑ふ 智 子 | |||
病棟に和服の婦人菫草 淳 子 | |||
鍬を持ち春筍を足で見る 志 信 | |||
ふる里の小さき踏切すみれ草 祐 子 | |||
悲しからずただ粛粛と桜散る 年 起 | |||
頬つたふ甘茶に釈迦は目を細め 良 精 | |||
黎明句会四月例会 四月二十日(土) 於 ウイングス京都 | |||
亀山利里子記 | |||
才野主宰 吟 | |||
閉ぢられし句帳の上へ落花かな | |||
才野主宰 特選 | |||
ゆらゆらと蝶の消えゆく大廂 利里子 | |||
自選句 | |||
叩いては点す電灯木の芽和 布美子 | |||
スリッパの片方さがす目借り時 そよ女 | |||
一年生さよならの声元気かな 紫 陽 | |||
野遊びやお箱点前の金平糖 小 鈴 | |||
鳩が啼き鴬が啼く里の朝 龍 司 | |||
竹の秋林の隙に浮かぶ家 謙 三 | |||
犬を呼ぶ指笛高し春の丘 美 幸 | |||
令和6年 6月号 | ||||
桃山句会三月例会 三月二十四日(日) 於 呉竹文化センター | ||||
天野 苺記 | ||||
才野主宰 吟 | ||||
三月の風に校旗の颯爽と | ||||
自 選 | ||||
跳箱をみんなで跳んで卒業す 久 子 | ||||
何するも母の笑顔や梅香る 鈴 子 | ||||
野の花のブーケ受け取る卒業生 彩 | ||||
桃咲くや明るく年を重ね来し 梅 子 | ||||
帰り行く親子三人春の月 う み | ||||
手庇の指の間に桜かな こ 夏 | ||||
通学の銀輪続く花の下 順 子 | ||||
じやんけんにちよきができた子芝青む 和 子 | ||||
独り良し独りは淋し残る鴨 とみ子 | ||||
古着より母のハンカチ彼岸西風 由 美 | ||||
たんぽぽや友はいつしか強き母 ふみ女 | ||||
一筋の髪にも重さ春愁 佳 代 | ||||
沈丁や草鞋の僧の足赤く 実 | ||||
彼岸会や妣の帯留をブローチに 紀美代 | ||||
手鏡を閉ぢて春月封じ込め 嘉 教 | ||||
ラッピング電車あちこち春の駅 苺 | ||||
川勝句会三月例会 三月十七日(日) 於 北尾宅 | ||||
武 義弘記 | ||||
才野主宰 吟 | ||||
つちふるやラジオのノイズ高まりて | ||||
才野主宰 特選 | ||||
遠き日を連れてふらここ歌ひ出 朋 子 | ||||
自選句 | ||||
春の雪舞ふ露天湯に身をしづめ き ぬ | ||||
桜鯛皿はみ出して誕生日 鈴 枝 | ||||
鉄錆の匂ふふらここ子から子へ 幸 子 | ||||
春愁やアップルパイの残る卓 トモ子 | ||||
春深し出汁の香滿つる京の路地 美 幸 | ||||
春休み人恋ふるかに鳴るチャイム 志保子 | ||||
桜もち食うて緑茶の男たち 由美子 | ||||
東風吹くやドライブインの旗おどる 清 子 | ||||
ふらここに乗れぬ子ぷいと小石蹴り 一 司 | ||||
青き踏む山頂からの東大寺 義 弘 | ||||
◎交野句会三月例会 三月二十八日(木) 於 交野会館 | ||||
髙見香美記 | ||||
席題…椿 | ||||
才野主宰 吟 | ||||
一番の子には紫雲英の冠を | ||||
才野主宰 特選 | ||||
失言はあらかた本音老桜 香 美 | ||||
自選句 | ||||
すれ違ふ赤子の笑みや伊勢参 加代子 | ||||
机回り整理出来ずに卒業す 幸 子 | ||||
フェリー発つ門出の島の山椿 玉 惠 | ||||
菜の花や眺むるも良し食むもよし かおる子 | ||||
閑谷の木造校舎紅椿 けい子 | ||||
駅を出る上気した顔受験生 正 義 | ||||
目黒句会三月例会 三月九日(土) 於目黒区田道住区センター | ||||
柴田久美子 | ||||
阪田名誉主宰 吟 | ||||
朧夜やどこからとなく笑ひ声 | ||||
阪田名誉主宰 特選 | ||||
在りし日の妻のこゑあり春障子 爽 見 | ||||
自選句 | ||||
街騒を遠くに土堤のおぼろ月 勝 彦 | ||||
枝垂れ咲く白梅笠に紅梅花 仙 命 | ||||
春愁や淡紫の遠き山 倫 子 | ||||
モンローの唇紅し春一番 治 子 | ||||
二千年の遺跡に春画黄水仙 久美子 | ||||
武蔵野句会三月例会 三月十三日(水) 於 御殿山コミュニティー | ||||
中島文夫 記 | ||||
芽起しの春雷はしる多摩の山 東 音 | ||||
湧水の小さき渦やうららけし 勝 彦 | ||||
穏やかな老いの暮らしや桃の花 咲久子 | ||||
青き踏む馬堤の曲を口ずさみ 秀 穂 | ||||
句会へと背を押される木の芽風 洋 子 | ||||
たぽたぽと春潮寄せる浜離宮 道 子 | ||||
固く人裏切るまじや大石忌 治 子 | ||||
青春を校歌に託し卒業す 克 彦 | ||||
桃の花つれ添ふ妻は喜寿なりき 文 夫 | ||||
立川句会三月例会句会だより 三月二十四日(日) 於 東部会公会堂 | ||||
和田秀穂記 | ||||
ふるさとに撫でる狛犬梅の花 東 音 | ||||
丹沢に伍する三座の斑雪かな 清 次 | ||||
廃れ畑の一面満たす諸葛菜 惠 子 | ||||
大方は同情されぬ春の風邪 まこと | ||||
夕闇の芽張り柳をつたふ雨 博 光 | ||||
道半ば能登の海山梅香る 進 一 | ||||
焼き立てのカヌレの香り春の風 孝 子 | ||||
風無くも膨るる母衣や熊谷草 秀 穂 | ||||
ミモザ句会三月句会 三月十九日(火) 於 田道住区センター | ||||
相良研二記 | ||||
雑詠及び兼題…花曇 | ||||
ゆふぐれの瀬音をたどる春帽子 爽 見 | ||||
つぶやきの声はとどかず別れ雪 勝 彦 | ||||
隠れ咲く片栗の花奥信濃 仙 命 | ||||
花冷えや体温計に耳立てて 憲 勝 | ||||
ドーナツは売り切れの札花曇 爽 恵 | ||||
板書する師の声遠し花曇 倫 子 | ||||
彼岸の海へG線のビブラート 治 子 | ||||
春泥や犬を引き寄せ回り道 栄 子 | ||||
母子寮の小さき靴棚ひな飾り 研 二 | ||||
◎湘南句会三月例会 三月六日(水) 於 藤沢商工会館 | ||||
石浜邦弘記 | ||||
席題 … 雛 | ||||
わが在のあはあは苦し蕗のたう 憲 勝 | ||||
雛箱の裏に昭和と墨の跡 京 子 | ||||
雛飾孫から届く挙式状 富 治 | ||||
レストランのフランス国旗春疾風 清 次 | ||||
落椿谷戸の小流れ大海へ 君 代 | ||||
浅き春ホワイトケーキの富士の襞 醇 | ||||
なつかしき坂を母校へ水温む 正 弘 | ||||
雛祭り五目ちらしのお配りや 千恵子 | ||||
寒戻る机の上に広辞苑 邦 弘 | ||||
令和6年 5月号 | |||
早蕨句会二月例会 二月十六日(金) 於 アスニー山科 | |||
本多ひさ女記 | |||
才野主宰 吟 | |||
目標はわんぱくぢぢい草萌ゆる | |||
才野主宰 特選 | |||
里親が決まらぬ猫や春の雨 土岐雄 | |||
自選句 | |||
戸を繰れば古き住かの梅月夜 初 枝 | |||
そろそろと菜の花の咲く頃となり テ ル | |||
たんぽぽや路傍の人と笑み交はす 秀 子 | |||
春浅き糺の森を妻とゆく 惟 之 | |||
節分会護摩焚く僧の背すぢ張る 敬 子 | |||
旦那には一個のバレンタインデー 圭 子 | |||
枝ゆれて銀色の玉猫柳 悦 正 | |||
柔らかな鳥声降るや梅ふふむ ひさ女 | |||
兼題「春浅し」高得点句 | |||
半島の止まぬ余震や春浅し ひさ女 | |||
京北下中こぶし句会二月句会 二月十四日(水) 於 下中公民館 | |||
田中君江記 | |||
才野主宰 吟 | |||
クレーンのゆるり頷く春の空 | |||
自選句 | |||
梅匂ふ五感使うて鉦を打つ 伊都子 | |||
起き抜けの目に飛び込むや春の雪 節 子 | |||
雪止んで朝陽の中の銀世界 恒 子 | |||
冬木道麓の街を見はるかす 泰 子 | |||
日脚伸ぶ趣味に勤しむ刻もてり 君 江 | |||
鷺森句会二月例会 二月二十日(火) 於 宝谷宅 | |||
岡田うみ記 | |||
目刺焼く花見小路の裏小路 勢津子 | |||
沸つ沸つと煮えるかす汁能登思ふ 昌 子 | |||
匂ひたつ土手一面の水仙花 早 苗 | |||
荒磯や声を掛け合ひ海苔掻き女 則 子 | |||
口数の減りたる夫や諸子焼く う み | |||
八王子句会二月例会 二月十八日(日) 於 立川東部会公会堂 | |||
梅原清次記 | |||
春の雪ものみな柔き影を持ち 東 音 | |||
猫柳水滔々と最上川 邦 弘 | |||
草萌えや運河に映ゆる蔵の街 珠 子 | |||
風花や上州三山影淡し 富 治 | |||
初蝶や記紀を旅嚢に明日香まで 雄 彦 | |||
街路樹の紅白梅も府中宿 啓 子 | |||
秩父から節分草の山便り 三 郎 | |||
マネキンの着せ替へ中の余寒かな まこと | |||
山茱萸の黄色統べたる塔伽藍 秀 穂 | |||
初東風に運ばれゆくやこの便り 洋 子 | |||
湯の町の芸妓組合梅早し 惠 子 | |||
福寿草咲いたと友のメールあり 賀 代 | |||
夜番の柝厨の窓を遠ざかる 清 次 | |||
◎小平さくら句会二月句会 二月二十日(火) 於花小金井南公民館 | |||
鈴木利博記 | |||
春三日月浮く山際の深き紺 東 音 | |||
子らの靴雪間の竿に高く挿す 清 次 | |||
春の雪一筋に踏みポストまで 翠 | |||
蠟梅の香に誘はれて鳥も来て 加代子 | |||
春浅く会いたいの曲流れをり 陽 子 | |||
手の届きさうな星空夜の梅 歌 蓮 | |||
餌台に四温の光今朝の庭 利 博 | |||
岡山句会一月例会 一月二十七日(土) 於 きらめきプラザ | |||
石原盛美記 | |||
兼題・・・明の春 | |||
明の春水流るごと年重ね 紀久子 | |||
日脚伸ぶほほえむ地蔵二頭身 弘 子 | |||
語部の目に光るもの踏絵板 桂 子 | |||
枯木立明るし日差しさし込みて つとむ | |||
よく響く鰐口の音梅の花 京子(田中) | |||
家族増え器も増ゆる明の春 盛 美 | |||
令和6年 4月号 | |||
黎明句会一月例会 一月二十七日(土) 於 ウイングス京都 | |||
才野主宰 吟 | |||
大いなる陽を沈め年暮れにけり | |||
才野主宰 特選 | |||
柏手をおほきく鳴らす年男 布美子 | |||
自選句 | |||
追伸の一行に笑む冬の虹 そよ女 | |||
背に日差し受けてホームの日向ぼこ 小 鈴 | |||
根菜の味噌汁窓の外は雪 紫 陽 | |||
追悼や歌詞のとほりの燗の酒 龍 司 | |||
大寒の空の蒼さや大鳥居 胡 蝶 | |||
雪晴れや雫の撥ぬる石畳 謙 三 | |||
大寒の厨に響く電子音 利里子 | |||
川越句会一月例会 一月二十七日(土) 於 ウエスタ川越 | |||
送別の締めの雑炊熱かりき 勝 彦 | |||
祭壇に御神酒どんどの火を祀る 清 次 | |||
病室へ四温の朝日差し込めり 文 夫 | |||
雑炊や祖父の語りし武勇伝 博 光 | |||
風花や海に鎮座の大鳥居 克 彦 | |||
あと一人をればと母の二日かな 治 子 | |||
旅立ちは枯れ木の中を通りけり 信 夫 | |||
筆先の墨の匂ひや淑気満つ 信 儀 | |||
和歌山句会一月句会 一月二十一日(日) 於 県民文化会館 | |||
寒凪や沖行く船の躙るごと 真生子 | |||
山茶花や花占いのごとく散り 泰 坊 | |||
初夢やしんがりの鳥飛び立ちぬ 薫 | |||
新年の祈りよ届け能登の地へ 智 子 | |||
冬ざれの田畑残して逝かれけり 淳 子 | |||
天災に踏まれしも咲く福寿草 志 信 | |||
山門の構へきりりと年迎ふ 祐 子 | |||
初夢は観音菩薩の膝枕 年 起 | |||
古本に異国の栞夜半の冬 良 精 | |||
西条句会一月例会 一月二十九日(月) 於 才居庵 | |||
気が付けば晩年だった冬の蝶 隆 を | |||
寒見舞選ぶ言葉のむつかしき 安 恵 | |||
大寒や初物供ふ浜地蔵 一 耕 | |||
時雨きて飲屋で貰う忘れ傘 孝一郎 | |||
古里の先師の句集読始 ゆふし | |||
青潮句会十二月例会 十二月二十五日(月) 於 田中京子宅 | |||
子等の来て少し早目の煤払 弘 子 | |||
遍路宿眠気を誘ふ冬の波 清 子 | |||
上出来の白菜重き山の畑 里 子 | |||
戦争を忘却ならぬ十二月八日 勤 | |||
おでん買ふスーパーで選る袋入り 𠮷 人 | |||
冬紅葉さよならをするおろち号 光 子 | |||
冬霧の奥より呻く海の声 京 子 | |||
令和6年 3月号 | ||||
桃山句会十二月例会 十二月十七日(日) 於 地域交流センターケアフル | ||||
才野主宰 吟 | ||||
踏切の鉦に和する子冬うらら | ||||
自選 | ||||
気に入りのCD失せて日短 洋 子 | ||||
やはらかい日差しをのせて山眠る 久 子 | ||||
ニュースにもならず過ぎ行く開戦日 鈴 子 | ||||
冬の蝿つつけばしかたなく動く 彩 子 | ||||
厨の灯二つ点して冬至かな う み | ||||
校庭の日溜りに寄る冬雀 順 子 | ||||
ローラーの立てる地響き冬の雨 和 子 | ||||
麦の芽や戦を知らぬ子の笑顔 とみ子 | ||||
背を向けて消えゆく友や夕時雨 由 美 | ||||
庭師去り枯木に赤き一葉かな 昭 代 | ||||
雲晴れてオリオン少し近づきぬ ふみ女 | ||||
漱石忌かすれ始めしボールペン 佳 代 | ||||
目覚しをとめる指先冬至かな 実 | ||||
翔平の一挙一動冬うらら 苺 | ||||
川勝句会十二月例会 十二月二十四日(日) 於 北尾宅 | ||||
才野主宰 吟 | ||||
山茶花の咲き疲れては散り急ぐ | ||||
才野主宰 特選 | ||||
冴ゆる夜やポトフの野菜透き通り 美 幸 | ||||
自選句 | ||||
山茶花や昼も小暗き山の寺 き ぬ | ||||
木枯や野ぼとけ肩を寄せ合ひて 鈴 枝 | ||||
乗り越えしこと数多あり年惜しむ 朋 子 | ||||
嬰抱きてただ見つめ合ふ日向ぼこ 幸 子 | ||||
息白し犬と一緒に散歩道 トモ子 | ||||
冬落暉茜に染まる塔残し 志保子 | ||||
山茶花を散らして遊ぶ雀かな 清 子 | ||||
夕闇に浮かぶ山茶花訃報来る 由美子 | ||||
山茶花の散るや今年でしまふ店 あや子 | ||||
かま首をもたぐる波頭冬の海 義 弘 | ||||
枚方第二句会十二月例会 十二月十七日(日) 於 サンプラザ3号館 | ||||
席題・・・冬の空 | ||||
捨てきれぬもの多かりし熊穴に 征 子 | ||||
冬日和卒寿の友の薄化粧 恵 子(宮本) | ||||
冬木立日に日に空を広くせり 恵 子(井上) | ||||
綱軋み船つながれて初日の出 嘉代子 | ||||
盛つ切り酒ためす女房の年忘 漲 三 | ||||
からからと枯葉駆けゆく風の道 満 子 | ||||
冬日和大谷君で一日暮れ 郁 子 | ||||
冬空や雲の下にも雲流る こ 夏 | ||||
交野句会十二月例会 十二月二十八日(木) 於 交野会館 | ||||
席題…冬の朝 | ||||
才野主宰 吟 | ||||
聖夜明け空あたらしき青さかな | ||||
才野主宰特選 | ||||
リハビリの夫の手を引く冬の朝 幸 子 | ||||
自選句 | ||||
寒き夜効能書きのわからぬ字 香 美 | ||||
極月の命潤す第九かな 玉 惠 | ||||
夕映の山肌まぶし冬に入る かおる子 | ||||
色褪する路地の看板冬ともし けい子 | ||||
目黒句会十二月例会 十二月九日(土)於 上目黒住区センター | ||||
阪田名誉主宰 吟 | ||||
風邪癒えて空へ双手を広げけり | ||||
阪田名誉主宰 特選 | ||||
古書市の天幕鳴らす空つ風 勝 彦 | ||||
自選句 | ||||
冬の蠅ふつと薄日のさすところ 爽 見 | ||||
蟷螂や徹頭徹尾枯れてをり 仙 命 | ||||
すれ違ふ人の会釈も十二月 倫 子 | ||||
聴衆のなき極月の弾き語り 治 子 | ||||
欅散る薄暮の中を地域バス 久美子 | ||||
武蔵野句会十二月例会 十二月十三日(水) 於 武蔵野商工会館会議室 | ||||
橋杭に極月の日の届かざる 勝 彦 | ||||
いつの間に母似の仕種木の葉髪 咲久子 | ||||
都度つどに季を惜しみつつ冬に入る 秀 穂 | ||||
いつもの木枝から枝へ小鳥来る 洋 子 | ||||
白足袋の小鉤を留める鏡前 道 子 | ||||
瘤多きポプラ並木や冬ざるる 克 彦 | ||||
カクテルの深紅に酔うてクリスマス 治 子 | ||||
居酒屋の壁を彩るコートかな 文 夫 | ||||
立川句会十二月例会 十二月十日(日) 於 東部会公会堂 | ||||
笹子鳴く軒の山より朝日差 清 次 | ||||
厠にも冬菊の香の満ちてをり 惠 子 | ||||
冬うらら天満宮の絵馬揺れて 孝 子 | ||||
盤上の先の先読む懐手 まこと | ||||
ブレーカー落ちし途端の寒さかな 秀 穂 | ||||
ミモザ句会十二月例会 十二月十九日(火) 於、俳句文学館 | ||||
雑詠及び兼題・年の市 | ||||
冬雲の一つに翳る里の駅 爽 見 | ||||
古書市の大歳時記や空つ風 勝 彦 | ||||
新橋に角打ちをして師走かな 仙 命 | ||||
ひた歩くこの木枯の雑木山 憲 勝 | ||||
寄せ鍋や失敗談の続きをり 爽 恵 | ||||
志貫く人や冬薔薇 倫 子 | ||||
月冴ゆる交番の灯と街の黙 治 子 | ||||
パート終へ賄ひ沁みる師走かな 栄 子 | ||||
日溜りに余生あづけて蜜柑むく 研 二 | ||||
湘南句会十二月例会 十二月六日(水) 於 藤沢商工会館 | ||||
ひた歩くこの木枯の雑木山 憲 勝 | ||||
喜寿になほ目指すことあり冬浅し 京 子 | ||||
夫在らば今日が米寿よ帰り花 君 代 | ||||
夕まぐれ空家に石蕗の花明り 和 夫 | ||||
冬うらら妻の寝息のおだやかに 富 治 | ||||
散り急ぐ紅葉踏みゆく奥嵯峨野 正 弘 | ||||
木曽塚に添ひて蕉翁湖小春 醇 | ||||
丹沢を斜めに太き冬の日矢 清 次 | ||||
山に餌なく里に出る熊あはれ 千恵子 | ||||
五年ぶり柿が届きて安堵かな 昌 夫 | ||||
柿落葉虫喰ひの葉も輝きて 邦 弘 | ||||
岡山句会十二月例会 十二月十六日(土) 於 きらめきプラザ | ||||
才野主宰 吟 | ||||
輝ける渾身の色炭熾る | ||||
才野主宰 特選 | ||||
日向ぼこ冥途の土産数へをる 京 子(播磨) | ||||
自選句 | ||||
寂として鬼の城遺跡冬に入る みどり | ||||
枇杷の花倉のみ残る故郷よ 紀久子 | ||||
本尊とむかうて御影堂寒し 弘 子 | ||||
無造作に段ボール積む暮の市 桂 子 | ||||
乾風吹く玄界灘の鉛色 多喜子 | ||||
鳥の声高き響きや冬木立 和 恵 | ||||
枯野ゆくまだらに疾き雲の影 つとむ | ||||
巡礼の鈴の音消ゆる冬の山 京 子(田中) | ||||
甚平鮫ゆらりと泳ぎ去りにけり 盛 美 | ||||
令和6年 2月号 | |||
早蕨句会十一月例会 十一月十七日㈯ 於 アスニー山科 | |||
才野主宰 吟 | |||
小春日を弾んで来たるゴムボール | |||
才野主宰 特選 | |||
閉店のセール賑はふ返り花 土岐雄 | |||
自選句 | |||
幼子が初めて綺麗と秋の虹 初 枝 | |||
病棟のあかき電気やそぞろ寒 テ ル | |||
来し方の上り下りや彩紅葉 秀 子 | |||
次次と水打つ蜻蛉山の池 惟 之 | |||
一寸くらい濡れもいいさ初時雨 捨 弘 | |||
衣装箱母の残した冬帽子 敬 子 | |||
小さき傘二人肩よせ初時雨 悦 正 | |||
コスモスや五百羅漢に出会ふ径 早 苗 | |||
山寺に足止めさるる初時雨 ひさ女 | |||
兼題「初時雨」高得点句 | |||
小原女の小径過ぎゆく初時雨 早 苗 | |||
黎明句会十一月例会 十一月二十五日㈯ 於 ラボール京都 | |||
才野主宰 吟 | |||
人形の肌の白さや今朝の冬 | |||
才野主宰 特選 | |||
うたた寝の夢をつなげて冬ぬくし 利里子 | |||
自選句 | |||
岩礁に砕け散る波冬の雷 そよ女 | |||
青空に昼の月あり冬の湖 小 鈴 | |||
冬紅葉薄茶いただく楽茶碗 紫 陽 | |||
食足りて鳥もつつかぬ柿たわわ 龍 司 | |||
橋本の遊郭跡や枯薄 胡 蝶 | |||
しぐるるや豊国廊の五百段 謙 三 | |||
京北下中こぶし句会十一月例会 十一月八日(水) 於 下中公民館 | |||
才野主宰 吟 | |||
境内の広し紅葉のかぎりなし | |||
青信号渡る園児や初もみぢ 伊都子 | |||
一服の鍬に止るや赤蜻蛉 節 子 | |||
枝豆買ふ仮設売場に車止め 恒 子 | |||
木犀の香り漂ふ夜の道 泰 子 | |||
立冬や空の彼方のガザ憂ふ 君 江 | |||
鷺森句会十一月例会 十一月二十一日㈫ 於 宝谷宅 | |||
裸木の林となりて土ぬくし 勢津子 | |||
冬浅し父愛用の杖なじむ 昌 子 | |||
庭隅に日ざし届くや花八手 早 苗 | |||
岩肌を削る白波つはの花 則 子 | |||
晩稲刈るやや抱く嫁の影長し う み | |||
八王子句会十一月例会 十一月十九日㈰ 於 立川東部会公会堂 | |||
浜菊の岬めぐりや震災碑 東 音 | |||
遅れ来てもう行く秋の日和かな 富 治 | |||
駅伝の子ら駆け抜ける黄落路 惠 子 | |||
稲架に干す大根に山の夜風かな 邦 弘 | |||
迷はずにコンビニおでん妻の留守 まこと | |||
本陣の残る宿場や松手入 三 郎 | |||
観音堂の軒端拝借日向ぼこ 珠 子 | |||
初雪の便り会津の恩師より 賀 代 | |||
酔芙蓉居並ぶ地蔵の古戦場 啓 子 | |||
安座して妻竹籠を編む小春 秀 穂 | |||
しぐるるやネオンのしづくワイパーに 雄 彦 | |||
秋茜崖の小草をゆりかごに 洋 子 | |||
跪いてひふみよ句碑の龍の玉 清 次 | |||
小平さくら句会十一月句会 十一月二十一日(火)於 花小金井南公民館 | |||
妻見舞ふトトロの森の紅葉径 東 音 | |||
ここからはマロニエ通り冬に入る 清 次 | |||
掃き寄せる色豊かなり柿落葉 翠 | |||
枯葉舞ふ青梅の里や無人駅 加代子 | |||
紅葉散る砂場の子らの背に肩に 陽 子 | |||
風見鶏ぎいぎい鳴いて火の用心 歌 蓮 | |||
谷戸の日を集め暮れ行く刈田道 利 博 | |||
飛火野句会十一月例会 十一月十九日㈰ 於 奈良女性センター | |||
一陣の風に真つ赤な落葉来る 定 慧 | |||
亡き姉の思ひ出つのる小夜時雨 敏 子 | |||
しとしとと雨にせかされ冬支度 稔 子 | |||
冬夕焼彼方に燃ゆる観覧車 洋 子 | |||
令和6年 1月号 | |||
本部句会十月例会 十月十四日(土) 於 ウイングス京都 | |||
才野主宰吟 | |||
鰯雲輪廻を信じきれずゐて | |||
才野主宰特選 | |||
雲ひとひらとどめて水の澄みにけり 利里子 | |||
自選句 | |||
自転車の空気満杯秋たかし 布美子 | |||
手品師に夢中の子らや猫じやらし そよ女 | |||
ぢいちやんが居るかと思ふ案山子かな 小 鈴 | |||
抜け道の正しかりけり金木犀 秀 子 | |||
鹿威し刻ゆつくりと流れゆく 胡 蝶 | |||
吊り革の揺れる向こうに薄紅葉 こ 夏 | |||
枚方句会十月例会 十月三日(火) 於サンプラザ3号館(生涯) | |||
長長と歴史を語る敬老日 | 博 女 | ||
木に土に人にもおはす秋の声 | 幸 江 | ||
豊の秋空仰ぎみる老いざかり | 郁 子 | ||
すりよりし愛猫の背秋立ちぬ | 孝 子 | ||
秋空に近付きたく背伸びする | 悦 子 | ||
さはさはと風の香りて竹の春 | トミ子 | ||
秋落暉溶けてひしやげて海の底 | 方 城 | ||
東京句会十月例会 十月二十八日(土) 於 大田区消費者生活センター | |||
阪田名誉主宰 吟 | |||
番ひつつ伴走するよ赤とんぼ | |||
中山会長 吟 | |||
国境を持たぬ幸せ渡り鳥 | |||
中島顧問 吟 | |||
先生のうしろ歩みや赤とんぼ | |||
阪田名誉主宰 特選 | |||
束の間の茜の空を鳥渡る 山女魚 | |||
中山会長 特選 | |||
欠けし翳ほのかに二十六夜月 清 次 | |||
中島顧問 特選 | |||
黒塀の北国街道冬構 怜 | |||
自選句 | |||
秋天へ急な階段愛宕山 信 儀 | |||
青銅の裏木戸を閉ぢ鬼ぐるみ 久美子 | |||
夜学士の語らふ影の灯かな 和 夫 | |||
和歌山句会十月句会 十月十五日(日) 於 県民文化会館 | |||
八冠を制す名人新松子 真生子 | |||
ゴン狐書置き残し栗届く 泰 坊 | |||
地を鳴らす保護者リレーや秋高し 薫 | |||
兄弟の多き世代を烏瓜 智 子 | |||
秋の山ライダーたちの高野道 淳 子 | |||
穭田にいまだ一人で見回りす 志 信 | |||
残されて夕陽に拗ねる烏瓜 良 精 | |||
西条句会十月例会 十月二十三日(月) (於)才居庵 | |||
母の忌やむかし展げし籾筵 隆 を | |||
教会の鐘澄みわたる白露かな 安 恵 | |||
木犀の香や祭礼の大狼煙 一 耕 | |||
新蕎麦を茹でる大釜緑めく 孝一郎 | |||
半分は青空うろこ雲流る ゆふし | |||
青潮句会九月例会 九月二十五日(月) 於 田中京子宅 | |||
築山に枯草色の飛蝗飛ぶ 弘 子 | |||
オカリナの音に癒され秋の夕 清 子 | |||
秋彼岸嫁ご手製の昼届く 里 子 | |||
秋の風汽笛を遠く懐しむ 勤 | |||
愛想良き母を偲んで墓洗ふ 𠮷 人 | |||
満願の高野に迎ふ秋彼岸 光 子 | |||
縫製のミシンの音の爽やかに 京 子 | |||
令和5年 12月号 | |||
桃山句会九月例会 九月二十四日(日) 於 呉竹文化センター | |||
才野主宰 吟 | |||
秋うらら目分量てふ良き言葉 | |||
自 選 | |||
夕さりの水を汲む音萩の風 洋 子 | |||
遮断機の上がり秋色続く道 久 子 | |||
愛らしき絵柄の電車秋うらら 鈴 子 | |||
秋茄子の傷も味はふ夕餉かな 彩 子 | |||
比叡より闇の迫りて虫の声 う み | |||
己が影夕日に長しこぼれ萩 梅 子 | |||
車窓より工場の屋根秋日和 こ 夏 | |||
新涼や散歩のコース変へもして 順 子 | |||
秋彼岸僧衣のままの旅鞄 和 子 | |||
秋気澄むガラスの森の美術館 とみ子 | |||
体操の開げたる手や天高し 昭 代 | |||
萩の花母かろやかに旅立ちぬ ふみ女 | |||
中将姫の籠りし山や迢空忌 佳 代 | |||
宵の雨ガラス戸閉めて秋彼岸 実 | |||
電柱を捉へし葛の花咲けり 苺 | |||
川勝句会九月例会 九月十七日(日) 於 北尾宅 | |||
才野主宰 吟 | |||
コスモスや雲はたやすく嶺を越え | |||
才野主宰 特選 | |||
開きたる譜面に及ぶ月あかり 鈴 枝 | |||
自選句 | |||
雨風にみだれし萩をだきおこす き ぬ | |||
暗闇へ寄する銀波や月昇る 朋 子 | |||
名月やお伽噺に聞きいる児 幸 子 | |||
とんぼ飛ぶ長男の背夫ゆづり トモ子 | |||
咲きのぼる朝顔小さくなりにけり 美 幸 | |||
良きことのありし今宵の月の色 志保子 | |||
八月や木の葉ざわめく通り雨 清 子 | |||
今宵またひとり上手な月観酒 あや子 | |||
月今宵外湯の下駄に宿の印 一 司 | |||
望の夜に子らと影ふむ家路かな 義 弘 | |||
交野句会九月例会 九月二十八日(木) 於 交野会館 | |||
席題「 秋あかね」 | |||
石畳歩く調子や虫の声 | 香 美 | ||
しあはせとぽつりとこぼす敬老日 | 加代子 | ||
銀河へと流星のごと消えし夫 | 幸 子 | ||
のほほんと暮らす余生や衣被 | 玉 恵 | ||
姉の背に老いの覚悟やみむらさき | かおる子 | ||
下校の子のジグザグ歩き赤とんぼ | 慶 子 | ||
群れなして尚も淋しき秋あかね | 方 城 | ||
目黒句会九月例会 九月九日(土) 於 目黒区住区センター | |||
阪田昭風名誉主宰吟 | |||
遠来の句友囲むや野分過ぐ | |||
名誉主宰特選 | |||
衰へも良し秋草に励まされ 東 音 | |||
自選句 | |||
吊し柿村どつしりと重くなり 爽 見 | |||
仏飯の今朝のかがやき涼新た 勝 彦 | |||
浄土池渡り来る風藤は実に 洋 子 | |||
菊の日の句座に迎へし京の友 仙 命 | |||
傘さしてゐて秋霖に濡れにけり 清 次 | |||
待合せ逸る心に秋の風 倫 子 | |||
何もかも消えてひとりの秋となる 近 子 | |||
鬼薊下山の膝の笑ひをり 治 子 | |||
秋風のうなじ触れゆく薄暮かな 久美子 | |||
武蔵野句会九月例会 九月十三日㈬ 於 御殿山コミュニティーセンター | |||
かなかなや町の夕空まだ青し 東 音 | |||
初秋の水のにほひと日の匂ひ 勝 彦 | |||
大寺の残暑に焼ける鬼瓦 咲久子 | |||
宿主を夢遊症へと針金虫 秀 穂 | |||
袖まくり黒さを競ふ日焼けの子 洋 子 | |||
ぼんぼりの点る社や秋の声 道 子 | |||
採る人のなき赤き実や秋入日 治 子 | |||
声高き鬼灯市の女かな 克 彦 | |||
石灯籠並ぶ知覧の終戦日 文 夫 | |||
立川句会九月例会 九月二十四日(日) 於 東部会公会堂 | |||
風にのるこの雨待つて野の千草 東 音 | |||
四つ辻は風湧くところ赤とんぼ 清 次 | |||
遮断機の上る間の山車舞囃子 惠 子 | |||
劇場へ夕霧分けてシャトル船 孝 子 | |||
帰燕てふ命を懸ける潔さ まこと | |||
虫すだく叢に入りたき裸虫 秀 穂 | |||
ミモザ句会九月例会 九月十九日(火) 於、俳句文学館 | |||
雑詠及び兼題・踊 | |||
稲の花憲法九条有りてこそ 爽 見 | |||
橋渡る電車の窓を踊の灯 勝 彦 | |||
施餓鬼寺風に乗り來る笙の音 仙 命 | |||
一人見る名月に夫偲びけり 近 子 | |||
コスモスさみし揺れゐても揺れずとも 憲 勝 | |||
梨剝けばそろそろ本音言ひさうな 爽 恵 | |||
齢重ね分かることあり竹の春 倫 子 | |||
校庭の切り株の椅子小鳥来る 治 子 | |||
歌舞伎はね友と寿司屋に向かふ秋 栄 子 | |||
かざす手の月に触れゆく踊かな 研 二 | |||
川越句会九月例会 九月十六日(土) 於「ウエスタ川越」 | |||
爽涼の風全身に天守閣 勝 彦 | |||
いつになく家路近しや虫の声 東 音 | |||
月の出の潮平らかに澪光る 清 次 | |||
きらきらと網一杯の鰯かな 信 夫 | |||
親よりも子によく釣るる鯊日和 克 彦 | |||
並行の物干竿に秋の雲 文 夫 | |||
堀割の散らばるひかり彼岸花 博 光 | |||
句と共に百歳生きむ月今宵 治 子 | |||
満月を手のひらに載せ写真撮る 信 儀 | |||
湘南句会九月例会 九月六日(水) 於 藤沢商工会館 | |||
席題 … 残暑 | |||
明け方の火影を尽くし風の盆 憲 勝 | |||
宿題はしたかしたかと法師蟬 富 治 | |||
みちのくの空の深さよ星月夜 和 夫 | |||
地球儀を廻し残暑を吹っ飛ばす 正 弘 | |||
空蝉に夕陽の入りて蝉の寺 醇 | |||
秋立つや母似の味の玉子焼 京 子 | |||
蝉時雨聖人廟にドロップ缶 怜 | |||
しゅわしゅわと蟬の声湧く朝の森 清 次 | |||
濡縁の笊に真赤や唐辛子 千恵子 | |||
筆不精出不精の日日秋暑し 邦 弘 | |||
岡山句会九月例会 九月十六日㈯ 於 きらめきプラザ | |||
蘭の香に安らな眠り訪れし 紀久子 | |||
爽やかや真白き皿に目玉焼き 節 子 | |||
風なきに揺るる紫苑の空深し 収 子 | |||
小鳥来る弁財天のたをやかに 弘 子 | |||
芒野に踏み入り我も芒なり 桂 子 | |||
さらさらと稲の歌聞く風の道 京 子(播磨) | |||
父自慢ぶだうの糖度二十二度 盛 美 | |||
令和5年 11月号 | |||
早蕨句会八月例会 八月十八日㈮ 於 アスニー山科 | |||
才野主宰吟 | |||
容赦なき空の青さや夾竹桃 | |||
才野主宰特選 | |||
夕焼へ尻取りをして母子ゆく 惟 之 | |||
自選句 | |||
雲の峰単線走る一両車 初 枝 | |||
病床に望む満月につこりと テ ル | |||
どこまでも一枚となる青田原 秀 子 | |||
宿題は大丈夫かな蝉時雨 圭 子 | |||
目隠しで西瓜かまはず乱打戦 悦 正 | |||
新しき畳のにほひ今朝の秋 土岐雄 | |||
朝影にきりりと向かふ紅蜀葵 早 苗 | |||
夏草の乱となりたる屋敷跡 ひさ女 | |||
兼題「西瓜」高得点句 | |||
初生りの西瓜今年も供へけり 土岐雄 | |||
黎明句会八月例会 八月二十六日㈯ 於 ウイングス京都 | |||
才野主宰 吟 | |||
青淡きあべのハルカス秋の空 | |||
才野主宰 特選 | |||
走馬燈みんな回つてみんな影 利里子 | |||
自選句 | |||
旅にして踊る阿保となりきれず 布美子 | |||
前垂れの新たさやけき路地地蔵 小 鈴 | |||
失恋の涙塩つぱい秋の雲 紫 陽 | |||
朝顔の露に映りし空の色 そよ女 | |||
噴水や思ひ出捨てて又拾ふ 胡 蝶 | |||
花筒のまづ水替ふる墓掃除 謙 三 | |||
京北下中こぶし句会八月例会 通信句会 八月十五日(火) | |||
広島の友と語るや夏休み 伊都子 | |||
向日葵や去年の種の落ちどころ 節 子 | |||
茗荷の子夕風少しやはらぎて 恒 子 | |||
風死して部屋を変へたるごろ寝かな 泰 子 | |||
菩提寺の静寂に渡る盆の風 君 江 | |||
鷺森句会八月例会 八月二十二日㈫ 於 宝谷宅 | |||
席題・・・鬼灯 | |||
鬼灯の観察ノート古びたり 昌 子 | |||
御下りの鬼灯ほぐし手に余る 早 苗 | |||
思ひ出す鬼灯の種採りし頃 則 子 | |||
日を受けて鬼灯明き草の中 う み | |||
雑詠 | |||
福引のはじまる路地の地蔵盆 昌 子 | |||
嵐止みて川風そよぐ星月夜 早 苗 | |||
盆踊一人二人と輪の中へ 則 子 | |||
新涼や雀の遊ぶ水たまり う み | |||
枚方第二句会 八月例会 八月二十日(日)於 枚方サンプラザ3号館 | |||
席題「天高し」 | |||
塗り壁のなほ縋りつく蝉の殻 | こ 夏 | ||
満員の一両車輛帰省客 | 恵 子 | ||
ホームラン打つや秋風騒ぎ初む | 征 子 | ||
駅ホーム野分立つ日のかけうどん | 井 上 | ||
天高し参道闊歩神の鶏 | 漲 三 | ||
鳰の湖凪て花火の火屑かな | 眞理子 | ||
雨上りひかり集める椿の実 | 満 子 | ||
朝焼けと二重虹とのコラボかな | 郁 子 | ||
夏深む球児の眉の太さかな | 光 央 | ||
天高し浮雲そろりそろりかな | 方 城 | ||
小平さくら句会八月例会 八月二十二日(火) 於 花小金井南公民館 | |||
花柄のハンカチーフを旅の友 東 音 | |||
大花火土手の立見のシルエット 清 次 | |||
かなかなの声沈みゆく甲斐の里 翠 | |||
あちこちで豪雨続きの猛暑かな 加代子 | |||
町内の十発花火に大歓声 陽 子 | |||
秒針のこつこつ響く終戦日 歌 蓮 | |||
地震語る老師の威厳土用波 利 博 | |||
青潮句会八月例会 八月二十八日㈪ 田中京子宅 | |||
浜辺には足跡ばかり秋の浜 弘 子 | |||
色褪せし夫愛用の麦わら帽 清 子 | |||
頼らるる子らのお泊り夏休み 里 子 | |||
口ずさむ核なき平和広島忌 勤 | |||
俳諧に黄泉の句会は天の川 𠮷 人 | |||
敗退も喜びとなる汗の児ら 光 子 | |||
見上ぐれば亡妹笑まふ天の川 京 子 | |||
令和5年 10月号 | |||
本部句会七月例会 七月八日㈯ 於 ラボール京都 | |||
才野主宰吟 | |||
夕焼けや駄菓子屋のある商店街 | |||
才野主宰 特選 | |||
遠き日の海を見てをり合歓の花 利里子 | |||
自選句 | |||
をそはりしことをしへ合ひ編む茅の輪 布美子 | |||
久闊の友と分け合ふかき氷 鈴 子 | |||
蛇行する川に沿ひたる青田かな そよ女 | |||
半夏生オセロゲームの表うら 小 鈴 | |||
遠近にうなる機会や梅雨晴間 秀 子 | |||
足元に眠る遺跡や夏木立 胡 蝶 | |||
夏空やポプラ並木の地平線 治 子 | |||
佳境へと籤改めや鉾祭 ひさ女 | |||
枚方句会七月例会 七月四日(火) 於サンプラザ3号館(生涯) | |||
髪洗ふ母の形見の柘植の櫛 | 郁 子 | ||
ブランコの長き鎖に夕日さす | 孝 子 | ||
買ひし物ひからび見ゆる暑さかな | 悦 子 | ||
仁丹の香とすれ違ふ梅雨の街 | 方 城 | ||
東京句会七月例会 七月二十二日(土) 於 池上会館 | |||
阪田名誉主宰吟 | |||
大伽藍屋根へ宙乗り夏芝居 | |||
橋本顧問吟 | |||
水音を残して梅雨の明けにけり | |||
中山会長吟 | |||
萱草やここは鎌倉古道とか | |||
阪田名誉主宰特選 | |||
滴りの光は音となりて消ゆ 勝 彦 | |||
橋本顧問特選 | |||
連弾の少年揃ひの半ズボン 久美子 | |||
中島顧問特選 | |||
寝に立って足腰庇ふ夜の秋 昭 風 | |||
中山会長特選 | |||
わが蹉跌晒す曝書となりにけり 勝 彦 | |||
自選句 | |||
奉納の居合に走る涼気かな 清 次 | |||
白南風や棚田の上を雲二つ 信 義 | |||
道祖神めぐり青田の風の中 山女魚 | |||
夏安居の僧の打ちたる大板木 怜 | |||
炎昼や動く影なき歩道橋 和 夫 | |||
八王子句会七月例会 七月十六日(日) 於 立川東部会公会堂 | |||
句の力信じ溽暑の街へ出づ 東 音 | |||
立葵路面電車の通過待ち 珠 子 | |||
水源の風心地よき糸とんぼ 富 治 | |||
針換へてシュトラウス聴く夜の秋 雄 彦 | |||
夏空へ岩肌峩々と剣岳 邦 弘 | |||
駅までの一丁ますぐ百日紅 惠 子 | |||
コンチキチ何故か涼しき京の音 賀 代 | |||
蚊遣香腰に燻らせ庭仕事 まこと | |||
錫器中の冷気もろともビール干す 秀 穂 | |||
古梅酒碧き切子に満たしけり 洋 子 | |||
風待月常に暮らしは淡淡と 啓 子 | |||
クリムトの世界に浸る夏の午後 孝 子 | |||
華やげる雲やむくげの朝湿り 清 次 | |||
和歌山句会七月例会 七月十六日(日) 於 県民文化会館 | |||
艶めきて青柿つたふ雨滴 真生子 | |||
くねくねと移動の軌跡蝸牛 泰 坊 | |||
青柿や夕星灯る曲がり角 薫 | |||
蚊遣火の煙たちたる落とし縁 智 子 | |||
青柿や知らず知らずに社会人 淳 子 | |||
声すれど木木に潜みし蝉しぐれ 志 信 | |||
隠れ滝飛沫の見えて轟けり 良 精 | |||
西条句会七月例会 七月二十四日(月) 於 才居庵 | |||
無人駅に花咲くあはれ梅雨晴間 隆 を | |||
群生の文字摺草や道の神 満 子 | |||
食べきれぬ枇杷はジャムにも枇杷酒にも 安 恵 | |||
戦争を知らぬ子の手の蝉の殻 一 耕 | |||
無住庵縁の下には蟻地獄 孝一郎 | |||
風死して朝の心音狂ひけり ゆふし | |||
飛火野句会七月例会 七月十六日(日) 於 奈良女性センター | |||
こちら向く夫の遺影や梅雨籠り 和 子 | |||
又落つる小さき青柿いとしけり 敏 子 | |||
陀羅尼上ぐ本堂外の驟雨かな 定 慧 | |||
射干の緋色明るき厨窓 洋 子 | |||
母好きな松葉牡丹の種散りて 稔 子 | |||
雷光を遥かに降りる昇降機 千 晶 | |||
令和5年 9月号 | |||
桃山句会令和五年六月例会 六月二十五日(日) 於 地域交流センター ケアフル | |||
才野主宰 吟 | |||
決闘のありたる辻を夕立かな | |||
自選 | |||
代田もう暮れ始めたる水の色 洋 子 | |||
ハンカチを握り話を聞きにけり 久 子 | |||
梅雨深しトンネル長き北陸路 鈴 子 | |||
でで虫や友を励ますメール打つ 彩 子 | |||
夏椿咲くや友の家句の集ひ う み | |||
天を衝き四方見守る今年竹 こ 夏 | |||
京北は山また山や風青し 順 子 | |||
麦秋の中に頬ばるにぎり飯 和 子 | |||
連弾のタンゴに揺るる赤き薔薇 とみ子 | |||
ほの甘くやがて酸つぱし杏の実 由 美 | |||
モビールのかもめの翔んで風薫る 昭 代 | |||
父の日や一箱残るハイライト ふみ女 | |||
羽虫すら潰せぬ指よ沖縄忌 佳 代 | |||
五月雨や托鉢僧の足濡れて 実 | |||
梅雨晴や三兄弟の泥だんご 苺 | |||
川勝句会六月例会 六月十八日(日) 於 北尾宅 | |||
才野主宰 吟 | |||
届きたる手紙ぬれをり鴨足草 | |||
才野主宰 特選 | |||
雪の下ティンカーベルの羽休め 美 幸 | |||
自選句 | |||
月下美人ひらかんとしてふるへゐる き ぬ | |||
夫の忌の雨に白ます著莪の花 友 梨 | |||
古井戸の水豊なるところてん 勢津子 | |||
紫陽花や薬にたよる母の日日 鈴 枝 | |||
山里の暮色のけぶる合歓の雨 朋 子 | |||
子等を待つ新設遊具梅雨に入る 幸 子 | |||
鴨の子や信号無視の一列に トモ子 | |||
長生きは悲しくもあり捩れ花 志保子 | |||
きらきらと川面を揺らす夏夕日 清 子 | |||
さくらんぼ無口な人の笑顔かな 由美子 | |||
心太またも愚弟のあとしまつ あや子 | |||
岩陰のしぶきに揺るる雪の下 一 司 | |||
コロナ禍の部屋の孤独や五月闇 義 弘 | |||
交野句会六月例会 六月二十二日(木) 於 交野会館 | |||
席題「 鮎 」 | |||
ほうたるの宙に広ごる星に似て | 香 美 | ||
風に散り石に休むや川蜻蛉 | 加代子 | ||
梅雨晴間歌も載せたる縄電車 | 稀三郎 | ||
ギャロップの馬のたてがみ風薫る | 玉 恵 | ||
山鳩のそぞろ歩きや梅雨に入る | 和 美 | ||
谷間の浅瀬に鮎の見へかくれ | 馨 子 | ||
川に入る既に鮎の香してゐたり | 方 城 | ||
武蔵野句会六月例会 六月十四日(水) 於 武蔵野市本町コミュニティーセンター | |||
投函の音梅雨入りの赤ポスト 東 音 | |||
黒南風や橋より覗く池明り 勝 彦 | |||
出航の大桟橋や風薫る 咲久子 | |||
雨降りみ降らずみ今日の梅雨入かな 秀 穂 | |||
長雨に色ほどけゆく濃あぢさゐ 洋 子 | |||
山門へ向かふ石段南風吹く 道 子 | |||
南風吹く沖の黒潮うねらせて 治 子 | |||
子燕や海の広さをまだ知らず 克 彦 | |||
夏場所や贔屓力士の負けつぷり 文 夫 | |||
湘南句会六月例会 六月七日(水) 於 藤沢商工会館 | |||
湘南句会は平成十五年六月七日に発足し、今年二十周年を迎え、それを記念して江ノ島吟行を行いました。京都から参加の才野主宰をはじめ中山会長や中島顧問ほか総勢十八名の参加で、当日は夜来の雨も上がり、うっすらと雪解富士も見え、緑したたる江ノ島の吟行を楽しみました。 吟行後は藤沢商工会館会議室で会食を挟み、三句出句、五句選で句会を行いました。 | |||
才野主宰 吟 | |||
紅蓮や女神のおはす島に咲き | |||
中山会長 吟 | |||
サムエル苑眼下に鳶とヨットかな | |||
中島顧問 吟 | |||
雲低き水平線や棕櫚の花 | |||
松尾湘南句会代表 吟 | |||
夏帽子沖を見るとき正しけり | |||
才野主宰 特選 | |||
雲低き水平線や棕櫚の花 勝 彦 | |||
六月の富士海の上雲の中 清 次 | |||
登り来て青葉の中の弁財天 和 夫 | |||
中山会長 特選 | |||
少年に少しの悔悟夏の潮 研 二 | |||
中島顧問 特選 | |||
江の島の色とりどりのヨットかな 信 儀 | |||
松尾湘南句会代表 特選 | |||
南風吹く弁財天を祀る島 勝 彦 | |||
自選句 | |||
万緑や弁財天の白き肌 山女魚 | |||
紫陽花や龍策さんの澄んだ声 富 治 | |||
吟行やいま六月の海の紺 正 弘 | |||
貝ひろふ親子揃ひの夏帽子 怜 | |||
検校の墓紫陽花に囲まれて 昌 夫 | |||
好日の神の島なり風薫る 通 幸 | |||
風薫る裸弁天永久の笑み 醇 | |||
海に向き海桐の花のひそと咲く 京 子 | |||
栗鼠や亀行き交ふ宮や梅雨晴間 千恵子 | |||
龍宮城模した駅舎や若葉風 邦 弘 | |||
岡山句会六月例会 六月二十四日㈯ 於 きらめきプラザ | |||
どの田にも水ゆきわたり螢の夜 篤 子 | |||
落蛍音をかすかに草の翳 みどり | |||
梔子の錆色となる日日となり 紀久子 | |||
鷺一羽植田の夕日散らしけり 節 子 | |||
朝刊の湿りて届く櫻桃忌 収 子 | |||
片白草装ふ思ひ忘れまじ 弘 子 | |||
梅雨晴間物干し竿のしなりをり 桂 子 | |||
梅雨の路地蔵と蔵との海鼠壁 多喜子 | |||
暑に向かふ一本一草潤ひて つとむ | |||
我が家から発ちし一羽か燕の子 京 子(播磨) | |||
竹林をぬけて清しき滝の音 京 子(田中) | |||
夏至祭のホームパーティ招かれし 盛 美 | |||
令和5年 8月号 | ||
早蕨句会五月例会 五月十九日㈮ 於 アスニー山科 | ||
才野主宰 吟 | ||
鮎といふ躍る光を釣り上げる | ||
才野主宰 特選 | ||
夏立つや光を落とす砂時計 ひさ女 | ||
自選句 | ||
朝まだき日脚届きし初夏の窓 初 枝 | ||
筍の土佐煮をつくる息子かな テ ル | ||
久に訪ふ美容院混む立夏かな 秀 子 | ||
鐘楼へ一尺伸びて松の芯 惟 之 | ||
更衣制服の子ははにかみて 捨 弘 | ||
あちこちの痛み忘れて初夏の旅 敬 子 | ||
新緑に吸ひ込まれるや疏水道 圭 子 | ||
誰が言へり十二単と草の名を 悦 正 | ||
少年の膝に赤チン昭和の日 土岐雄 | ||
兼題「更衣」高得点句 | ||
更衣仕舞ひし上衣又はおり 初 枝 | ||
更衣匂袋の香りのせ ひさ女 | ||
黎明句会五月例会 五月二十七日(土) 於 ウイングス京都 | ||
兼題 柿若葉 | ||
身支度の身を引きしめる祭足袋 勢津子 | ||
農民で終はるもよろし夏つばめ 布美子 | ||
若葉風渡る琵琶湖や外輪船 利里子 | ||
卯の花や犬に引かれてゆく散歩 紫 陽 | ||
呼び水にポンプ答へる柿若葉 小 鈴 | ||
生け垣の残る屋並や柿若葉 龍 司 | ||
薫風や我が家遺跡の上にあり 胡 蝶 | ||
瀬にうつる宿の灯りの涼しさよ 謙 三 | ||
渓流や指先にくる初蛍 そよ女 | ||
京北下中こぶし句会五月例会 五月十日(水) 於 下中公民館 | ||
才野主宰 吟 | ||
低く鳴る柱時計や昭和の日 | ||
いつの間に父母の丈越す子供の日 伊都子 | ||
電柵に守られ育つ青田かな 節 子 | ||
自転車部の二団三団夏立り 恒 子 | ||
げんげ田を引っくり返すトラクター 泰 子 | ||
五月晴行楽よりも土いぢり 君 江 | ||
鷺森句会五月例会 五月二十三日 ㈫ 於 宝谷宅 | ||
席題・・・祭 | ||
牛車引く童の烏帽子葵草 勢津子 | ||
病窓に祭行列見送れり 昌 子 | ||
大路晴れ装束映ゆる賀茂祭 早 苗 | ||
篝火のはぜる音や宵の宮 則 子 | ||
札を貼り祭話のたけなわに う み | ||
雑詠 | ||
嵯峨野路の歌碑句碑訪ふや新樹光 勢津子 | ||
リハビリを受くる窓辺の新樹光 昌 子 | ||
新樹光水面に透ける魚影かな 早 苗 | ||
さくらんぼ頬張る夫の百面相 則 子 | ||
聞き役も少し疲れて苺食ぶ う み | ||
枚方第二句会「日向」五月例会 五月二十一日(日) 於 枚方サンプラザ3号館 | ||
席題「夏めく」 | ||
掌の皺の潤ひ夏めける | こ 夏 | |
広島の核無きサミット五月雨るる | 恵 子 | |
花菖蒲江戸と薩摩の競ひ合ひ | 栄 子 | |
夫の初夏釣りの誘ひに頬緩ぶ | 井 上 | |
丈六のお顔微笑む新樹光 | 嘉代子 | |
夏めくや染まる島影夕日濃し | 漲 三 | |
若葉風アンパンマンの絵描き歌 | 眞理子 | |
一礼二拍手夏めける不動堂 | 満 子 | |
夏めくや喧嘩のもとはなんだつけ | 郁 子 | |
集会所までの坂道若葉風 | 方 城 | |
目黒句会五月例会 五月十三日(土) 於 三田住区センター | ||
阪田昭風名誉主宰 吟 | ||
黄金週間激しき雨に終りけり | ||
阪田名誉主宰 特選 | ||
日を水のごとくに湛へ柿若葉 爽 見 | ||
自選句 | ||
初夏のふるさとの山雲湧きて 東 音 | ||
放流の飛沫きらめく夏初め 勝 彦 | ||
山法師在の社を明るうし 仙 命 | ||
初夏の香取の宮の祝詞かな 倫 子 | ||
神かけて俳句捨てまじ蝸牛 近 子 | ||
先達を訪ふ惜春の桂川 治 子 | ||
二人ゐて茅花流しのただ中に 久美子 | ||
小平さくら句会五月例会 五月二十三日(火) 於 花小金井南公民館 | ||
武蔵野に流離の思ひ草茂る 東 音 | ||
菖蒲湯や草丈を越す子の背丈 清 次 | ||
青葉木菟鳴くや暮色の八ヶ岳 翠 | ||
ボランティアの手作りゲームこどもの日 加代子 | ||
野川沿ひ今まつ盛り花菖蒲 陽 子 | ||
絹ごしのプリンを片手新茶汲む 歌 蓮 | ||
児らの声五月の風にまぶしかり 利 博 | ||
ミモザ句会五月例会 五月十六日㈫ 於 俳句文学館三階会議室 | ||
兼題…桐の花 | ||
桐の花宴会場へ橋渡る 爽 見 | ||
雲水の桐咲く村を通りけり 勝 彦 | ||
桐咲くや多摩のはけ地の旧き家 仙 命 | ||
母と子の母校は同じ桐の花 近 子 | ||
憧憬のこころあはあは桐の花 憲 勝 | ||
紫の雨の匂ひや桐の花 爽 恵 | ||
桐の花父の遺品の万年筆 倫 子 | ||
継ぐ人のなき山寺や桐の花 治 子 | ||
桐の花拾ひしあとの掌の湿り 研 二 | ||
雑 詠 | ||
朝風のほどく牡丹の匂ひかな 爽 見 | ||
夜の底に沈む街の灯羽蟻飛ぶ 勝 彦 | ||
楽聖の如く逍遥夏の森 仙 命 | ||
神官の黙黙と掃く夏落葉 近 子 | ||
更衣窓のドールも私も 憲 勝 | ||
江の島に石段多しかたつむり 爽 恵 | ||
一輪車乗り回す子ら夏来る 倫 子 | ||
金魚の名呼びて魚食ふ夕かな 治 子 | ||
若楓関守石をぽんと置く 研 二 | ||
西条句会五月例会 五月二十九日(月) 於 才居庵森本 | ||
田も畦も畦の桜も見捨てられ 隆 を | ||
下り目の少女の像や夏の蝶 満 子 | ||
清和なり祭司の開くる瓶子蓋 安 恵 | ||
入梅や尾灯見送る跨線橋 一 耕 | ||
釘隠し欠ける神門楠若葉 孝一郎 | ||
激流の穿つ大岩薄暑光 ゆふし | ||
青潮句会五月例会 五月二十二日㈪ 於 田中京子宅 | ||
母の日の食べては笑まふ家族かな 弘 子 | ||
紅色の牡丹満開夫の席 清 子 | ||
子らの来て庭の昼餉や新樹光 里 子 | ||
六甲の新樹に揺れてロープウェイ 勤 | ||
仕事終へひとり楽しむ新茶の香 𠮷 人 | ||
清和なるひと日六甲展望台 光 子 | ||
国分寺国分尼へと植田かな 京 子 | ||
令和5年 7月号 | ||
本部句会 四月例会 4/8(土) 於 ラボール京都 | ||
遠路、梅原清次同人副会長が出席されました。 | ||
才野主宰 吟 | ||
花冷を鳩はうなづくばかりにて | ||
才野主宰 特選 | ||
裸婦像の鼓動聞こゆる庭朧 胡 蝶 | ||
自選句 | ||
遠山を見てゐる虚子の忌なりけり 清 次 | ||
帰京して姉妹はんなり桜餅 勢津子 | ||
高く高くぶらんこ空を突き抜けよ 方 城 | ||
一両車スピード落とし花菜畑 鈴 子 | ||
花冷の終着駅は始発駅 布美子 | ||
戻り橋渡れば後をひく桜 利里子 | ||
縄電車客へ椿の花のレイ 秀 子 | ||
花筏言葉足らずを悔いてをり 小 鈴 | ||
雉鳩のほーうほーうと春の昼 こ 夏 | ||
桜散る国分尼寺の礎に そよ女 | ||
川勝句会 四月例会 4/16(日) 於 北尾宅 | ||
才野主宰 吟 | ||
行く春やマッチの置かれある喫茶 | ||
才野主宰 特選 | ||
行く春の湯屋の暖簾のゆの字揺れ 友 梨 | ||
自選句 | ||
点滴の腕のけだるきリラの冷え き ぬ | ||
淡海富士はるかに見つつげんげ摘む 勢津子 | ||
行く春や海を見たくて回り道 鈴 枝 | ||
山寺の鐘遠に聞く暮春かな 朋 子 | ||
れんげ草体育座りの昼休み 幸 子 | ||
夜桜や帰りは月を友にして トモ子 | ||
カレーパンさくりと噛んで花の昼 美 幸 | ||
行く春へ置き去りにする心かな 志保子 | ||
心地よき眠りを惜しむ春の朝 清 子 | ||
春筍や残る一本さつと買ふ 由美子 | ||
行く春やうれしきことも少しあり あや子 | ||
げんげ田の土手に養蜂箱二つ 一 司 | ||
嬉嬉としてげんげのティアラ着ける子ら 義 弘 | ||
枚方句会 四月例会 4/4(火) 於 サンプラザ3号館 | ||
昭和の日残る命を見せ合ひぬ | 博 女 | |
春爛漫十石舟と野点席 | 郁 子 | |
母偲ぶ思ひのせてや花筏 | 孝 子 | |
桜咲くいつもの土手が異国の地 | 悦 子 | |
万愚節洒落の分らぬ奴ばかり | 方 城 | |
東京句会 四月例会 4/22(土) 於 大田区民プラザ | ||
阪田昭風名誉主宰吟 | ||
新緑に影といふものありにけり | ||
橋本爽見顧問吟 | ||
返信をしたため春を惜しみけり | ||
中山仙命会長吟 | ||
穏やかなせせらぎに春おしむかな | ||
名誉主宰特選 | ||
両膝に砂つけて来る松露掻 勝 彦 | ||
橋本顧問特選 | ||
二タ駅の支線に春を惜しみけり 勝 彦 | ||
中島顧問特選 | ||
弔文に自書して春を惜しみけり 清 次 | ||
中山会長特選 | ||
春の闇土蔵の梁のうねりけり 信 儀 | ||
自選句 | ||
いもうとの掴めぬ兄の石鹸玉 和 夫 | ||
春の宵潤む港の観覧車 朋 子 | ||
来世にも酌まむ君との花見酒 游楽蝶 | ||
朝ざくら武蔵野の空晴れてきし 山女魚 | ||
各停の各駅毎の花万朶 久美子 | ||
八王子句会 四月例会 4/16(日) 於 高幡不動尊 | ||
朝空をぽんぽん春のちぎれ雲 東 音 | ||
突堤に春の光を釣り上げる 邦 弘 | ||
眠らざる雛に程よき御簾の影 珠 子 | ||
マルクスもルソーも忘れ花むしろ 雄 彦 | ||
ここに在ればここが古里燕来る 富 治 | ||
がうがうと魚道流るる春の水 三 郎 | ||
桑の芽を間近に桑都バスの窓 啓 子 | ||
はるか富士草を褥に春惜しむ 秀 穂 | ||
葉桜に未だ蘖のみづみづし まこと | ||
燕来る古刹の楼門くぐりけり 洋 子 | ||
山門になゐのきず跡春愁ひ 惠 子 | ||
風鐸は海の音とも花御堂 清 次 | ||
和歌山句会 四月例会 4/16(日) 於 県民文化会館 | ||
満開の花ふるはせて選挙カー 真生子 | ||
指先に香り残して蓬餅 泰 坊 | ||
咲き満ちて都忘れのなお淋し 薫 | ||
風に揺れ馬酔木の花の鳴るごとし 智 子 | ||
囀りを窓開け放ちむかへ入れ 淳 子 | ||
大仏も花に囲まれ頬ゆるむ 志 信 | ||
大鯉の背鰭の掃ふ花筏 良 精 | ||
飛火野句会 四月例会 4/16(日) 於 奈良女性センター | ||
懐かしき粕の香りや鰆焼く 敏 子 | ||
彼岸会や地蔵は宝珠確と持ち 定 慧 | ||
野遊びの子等は機影を指差して 洋 子 | ||
佐保川の咲き誇りたる桜かな 稔 子 | ||
蒲公英や女の子スカート一円に 千 晶 | ||
令和5年 6月号 | ||
京都桃山句会 三月例会 3/26(日) 於 呉竹文化センター | ||
才野主宰 吟 | ||
朧夜や昭和の残る裏通り | ||
自 選 | ||
四つ身の子本裁ちの子や智恵詣 洋 子 | ||
鶯のこゑの集まる山の寺 久 子 | ||
雨近しはらりと一つ椿落つ 鈴 子 | ||
乱れたる思ひしづむる花の雨 勢津子 | ||
露天湯を蝶に覗かれ姦しき 方 城 | ||
たんぽぽやお巡りさんに手を振る子 彩 子 | ||
春落葉乗せて静かに神の川 う み | ||
桃活けて静かに夫の忌日かな 梅 子 | ||
愛らしき天使居さうな春の雲 隆 子 | ||
遠山に霞棚引く薄暮かな 順 子 | ||
南座の華やぎに買ふさくら餅 和 子 | ||
雀の子作務衣の僧の後を追ふ とみ子 | ||
初蝶の花に遊びて花となる 由 美 | ||
雪柳帰りも通る散歩道 昭 代 | ||
春愁や途切れ途切れのオルゴール ふみ女 | ||
霾ぐもり聞くとはなしに聞く噂 佳 代 | ||
地酒さげ山道急ぐ彼岸かな 実 | ||
スイッチのオンオフ忙し春炬燵 苺 | ||
大阪交野句会 三月例会 3/23(木) 於 交野会館 | ||
席題「 さくら 」 | ||
海岸に砂彫りあげて磯遊 | 香 美 | |
本の山整理出来ずに春来る | 幸 子 | |
半生を超えてこの地の初桜 | 稀三郎 | |
朝刊の時代小説春炬燵 | 玉 恵 | |
桜咲くローカル列車まつしぐら | 方 城 | |
東京武蔵野句会 三月例会 3/8(水) 於 武蔵野公会堂 会議室 | ||
池岸の木木にさきがけ花こぶし 東 音 | ||
太古より湧き出づる水涅槃西風 勝 彦 | ||
頼朝の茶煎ての丘や梅香る 咲久子 | ||
花芽さはに杏の花を待つてをり 秀 穂 | ||
一年の戦禍の中に黄水仙 洋 子 | ||
春めける河口悠悠鳥よぎる 道 子 | ||
前傾の祖母の下駄の歯春一番 治 子 | ||
朝明けの若鮎光る千曲川 克 彦 | ||
寒き夜は遺影の父と対酒かな 曈 生 | ||
房総の波の音聞く雛かな 美智子 | ||
霾ぐもり高層ビルの谷間風 文 夫 | ||
東京立川句会 三月例会 3/26(日) 於 東部会公会堂 | ||
星二三またたき寺の春の宵 東 音 | ||
山茱萸の花の常寂光土かな 清 次 | ||
うららかや山瑠璃草を教はりて 惠 子 | ||
すり鉢の蓬良き色母の色 孝 子 | ||
姉いもと余生養ふ桜餅 まこと | ||
春の泥まとふ翔平クローザー 秀 穂 | ||
川越句会 三月例会 3/18(土) 於 ウエスタ川越 | ||
春しぐれ大樹の幹の片湿り 勝 彦 | ||
湧水の光りもこもこ水草生ふ 東 音 | ||
風に鳴る古き卒塔婆や薄霞 文 夫 | ||
古塔婆束ねられたる遍路寺 清 次 | ||
踝を風の撫でたる大石忌 博 光 | ||
蜃気楼古きアンプに残る音 治 子 | ||
草餅や笑顔あふれる老人会 信 夫 | ||
靖國の夫婦の笑顔初桜 信 儀 | ||
湘南句会 三月例会 3/1(水) 於: 藤沢商工会議所 | ||
留守の間に飾られてゐし雛かな 憲 勝 | ||
探梅やぽつくり寺の磴のぼる 怜 | ||
土牢をのぞく目が慣れ白椿 通 幸 | ||
春めきて明石のくぎ煮届きけり 京 子 | ||
武蔵野を神田へ春のはけの水 清 次 | ||
配られし試験用紙や咳ひとつ 富 治 | ||
ぼんぼりの灯の麗しや雛の夜 正 弘 | ||
岡山句会 三月例会 3/25(土) 於 きらめきプラザ | ||
兼題・・・桜・花 | ||
火袋の闇を灯して花明り 篤 子 | ||
雑木山ふありと春の雲を脱ぐ みどり | ||
川の面に枝さしのべて桜咲く 紀久子 | ||
蔦の芽や鍵を握りしロダン像 収 子 | ||
読経をへ静かにすぐる遍路杖 弘 子 | ||
感嘆を集めゆくりと花筏 桂 子 | ||
蓬摘む持つ手はほのと匂ひたり 和 恵 | ||
新芽吹く梢の歓喜空揺るる つとむ | ||
気配して見遣れば初の桜かな 京 子 | ||
WBCの選手の気迫春疾風 盛 美 | ||
令和5年 5月号 | ||
京都早蕨句会 二月例会 2/17(金) 於 アスニー山科 | ||
才野主宰 吟 | ||
囀に浸りてゐたる里日和 | ||
才野主宰 特選 | ||
春兆す桃色増える和菓子店 ひさ女 | ||
自選句 | ||
麗らかや子に誘はれて一夜旅 初 枝 | ||
陶狸雪をかぶってにつこりと テ ル | ||
寒明けて農耕準備つつがなく 秀 子 | ||
山寺へ続く丁石寒明くる 惟 之 | ||
新閘門築く槌音寒明ける 捨 弘 | ||
寒い朝友の急逝噓であれ 敬 子 | ||
大正に建てし屋敷の雛飾り 圭 子 | ||
北風に切られたるかと耳痛し 悦 正 | ||
兼題「寒明け」・・高得点句 | ||
寒明けや赤子の指のふつくらと ひさ女 | ||
京都黎明句会 二月例会 2/25(土) 於 ウィングス京都 | ||
兼題 運 | ||
才野主宰 吟 | ||
列車行く春一番を貫いて | ||
才野主宰 特選 | ||
うちの子になる運命の仔猫かな 布美子 | ||
自選句 | ||
枕辺へコロン一滴春淡し 勢津子 | ||
芽立つ木にエールの風の吹く小径 利里子 | ||
草萌や胸にあふれること多し 小 鈴 | ||
豆撒やパパと一緒の鬼になる 紫 陽 | ||
石像の穏やかな笑みあたたかし 胡 蝶 | ||
雪休みと貼り紙のある寺門かな 龍 司 | ||
春の陽や椅子とテーブルテラスへと 謙 三 | ||
海神の都見しかや海女の笛 そよ女 | ||
鷺森句会 二月例会 2/21(火) 於 宝谷宅 | ||
席題「梅」 | ||
枝垂れ梅紅白競ふ城南宮 勢津子 | ||
老木の枝先清し梅の花 昌 子 | ||
青空に枝を広げて梅咲きぬ 早 苗 | ||
傷に耐へ華やぐ命梅の花 則 子 | ||
里寺に女の子三人寒紅梅 う み | ||
雑詠 | ||
枕辺にコロン一滴春淡し 勢津子 | ||
立春大吉婚の封書届きたる 昌 子 | ||
戸を繰るや植木にふはり春の雪 早 苗 | ||
早春や比叡にかかる薄き雲 則 子 | ||
雨あとの草木の息吹く寒の明 う み | ||
大阪枚方第二句会 二月例会 2/19(日) 於 サンプラザ3号館 | ||
席題「春 隣」 | ||
風花や入所の友を送る朝 恵 子 | ||
幼児の病癒えそむ春隣 栄 子 | ||
スーパーを出るや満月冴返る 征 子 | ||
梅の香や初孫と会ふ日は近し 井 上 | ||
そちこちの影に潜みし鬼は外 嘉代子 | ||
観梅や借景に足る大天守 漲 三 | ||
米を研ぐ優しき水や春隣 眞理子 | ||
ポケットにのど飴一つ余寒かな 寿 子 | ||
句会着は季節先取り春隣 方 城 | ||
東京目黒句会 二月例会 2/21(土) 於 目黒区住区センター | ||
阪田昭風名誉主宰吟 | ||
笑ふかに散歩の仔犬寒明ける | ||
名誉主宰特選 | ||
父逝きぬ母の手折し梅を抱き 治 子 | ||
自選句 | ||
傷ひとつなく厳寒の島の空 近 子 | ||
初不動声明高く護摩木の火 久 子 | ||
立春のショートブーツの歩幅かな 久美子 | ||
夕星のひと際明かし春の宵 倫 子 | ||
春寒や露天に浸かる小半時 仙 命 | ||
東京小平さくら句会 二月例会 2/22(火) 通信句会 | ||
杖をつく道の千歩や梅の花 東 音 | ||
蝋梅に翳りのひとつ無き日和 清 次 | ||
生かされて生きて米寿の春迎ふ 翠 | ||
摩周湖の白樺の木木霧氷かな 加代子 | ||
金縷梅のまぶし門辺の立ち話 陽 子 | ||
ラテアートハート三つの春隣 歌 蓮 | ||
里山の風の高鳴り春動く 孝 明 | ||
くさめしてピサの斜塔を揺らしたり 利 博 | ||
東京ミモザ句会 二月例会 | ||
兼題…寒 明 | ||
寒明けの静かに白き水車小屋 爽 見 | ||
寒明の畑で詩吟の漢かな 仙 命 | ||
物差しでいのち計れず寒明ける 近 子 | ||
寒明けの切符売場の列につく 憲 勝 | ||
花々の蕾膨らみ寒明ける 朋 子 | ||
寒明けの夫の背中の侘しさよ 爽 恵 | ||
寒明や人戻りたるカフェの窓 倫 子 | ||
はとバスの出てゆく街や寒明ける 研 二 | ||
雑 詠 | ||
頑健な奴から逝きぬ梅真白 爽 見 | ||
灯台に導かれつつ鳥帰る 仙 命 | ||
菊根分指の先より詩が生れ 近 子 | ||
胃カメラのその夜大きな寒鮃 憲 勝 | ||
薄氷に閉じ込められし小花かな 朋 子 | ||
春菊を天麩羅にして夕餉なり 爽 恵 | ||
受験生丑三つ時の窓明かり 倫 子 | ||
春愁や煎餅ぱりと割つてみる 研 二 | ||
西条句会 二月例会 2/20(月) 於 才居庵森本 | ||
冬苔を踏んで夜中の猫鼬 隆 を | ||
曖昧な記憶をたどり梅二月 満 子 | ||
午後からの微かな陽射し氷面鏡 安 恵 | ||
湯の町の路面電車や若柳 一 耕 | ||
野焼き終ヘ刺子のままのコップ酒 孝一郎 | ||
探梅行一茶泊りし庄屋跡 ゆふし | ||
令和5年 4月号 | ||
京都京北下中こぶし句会 一月新年句会 1/25(水) 於 下中公民館 | ||
祝箸外孫ひ孫にぎにぎと 伊都子 | ||
年賀状案じてくれる友の有り 節 子 | ||
無住寺を開けて除夜の灯除夜の鐘 恒 子 | ||
静さや直ぐに見つけしオリオン座 泰 子 | ||
足るを知る心とせむや大旦 君 江 | ||
大阪枚方句会 一月例会 1/10(火) 於 サンプラザ3号館 | ||
仏壇の遺影ほんわか初笑 | 博 女 | |
年賀状束は年年薄くなり | 郁 子 | |
変わりなき年明けこそを良しとせり | 文 子 | |
銀河孫ら見送る夜行バス | 征 子 | |
寒風や病みし眼に沁む朱の鳥居 | 孝 子 | |
山いろを全て消し去る雪化粧 | 悦 子 | |
丁寧に結ぶ大吉初御籤 | 方 城 | |
東京八王子句会 一月例会 1/15(日) 於 高幡不動尊内 | ||
観音に時雨うながす護摩太鼓 東 音 | ||
産土の鐘の音わたる冬菜畑 珠 子 | ||
いつの間に解け込む嫁や年の酒 三 郎 | ||
名を記す十一膳の祝箸 惠 子 | ||
騒ぐなと爺が元気な初湯かな 富 治 | ||
崖下に絶えぬ涌き水去年今年 まこと | ||
寒風をサッカー少年蹴り返す 洋 子 | ||
寒月光しんじつ無私になれますか 雄 彦 | ||
北風や防犯カメラあちこちに 邦 弘 | ||
畑を切り寒林割つて八高線 啓 子 | ||
地下足袋の鞐の白の冷たくも 秀 穂 | ||
水仙の仄かをまとひ試歩の道 賀 代 | ||
初春や句碑の駒札あらたまる 清 次 | ||
東京武蔵野句会 一月例会 (水) 於 御殿山コミュニティセンター | ||
戦ひを遠く平和にお正月 東 音 | ||
橋渡る一歩一歩の寒さかな 勝 彦 | ||
紅淡く空に透けゆく寒桜 咲久子 | ||
塩鰤の入る古里の雑煮かな 秀 穂 | ||
香はほのと洗ふ若菜の浅みどり 洋 子 | ||
初能の一声響く翁舞 道 子 | ||
復路の背押すや朝の北颪 治 子 | ||
風すさぶ家の裏なる昨夜の雪 克 彦 | ||
有難き老寿感謝の四方杯 曈 生 | ||
御降りのほどよき土の匂ひかな 文 夫 | ||
和歌山句会 一月例会 1/22(日) 於: 県民文化会館 | ||
照れ乍ら話す近況雑煮の座 真生子 | ||
新年の笑顔の集ふ足湯かな 泰 坊 | ||
二十歳なる洗濯機愛で年を越す 薫 | ||
母の手を引きゆく人や冬夕焼け 智 子 | ||
初声の殊更元気朝の空 淳 子 | ||
元朝にカラス鳴くなりおめでとう 志 信 | ||
花園の初空高く凱歌かな 良 精 | ||
奈良飛火野句会 一月例会 1/15(日) 於 奈良女性センター | ||
挨拶の如枝ゆらす初雀 敏 子 | ||
元朝や幡するすると青空に 定 慧 | ||
振袖で袴で揚げる祝凧 洋 子 | ||
年賀状一枚づつに浮かぶ顔 稔 子 | ||
襟元の懐紙ゆたかに初点前 千 晶 | ||
令和5年 3月号 | ||
本部句会 十二月例会 12/10(土) 於 ウイングス京都 | ||
才野主宰 吟 | ||
綿虫や何遍来ても迷ふ道 | ||
才野主宰 特選 | ||
のびる波たたむ波あり島小春 布美子 | ||
自選句 | ||
冬日影伸びて縮んでけんけんぱ 方 城 | ||
糸色色寄せて繕ふ古セーター 利里子 | ||
気嵐に山浮きあがる能登の海 胡 蝶 | ||
落葉焚煙は空に吸ひ込まれ 隆 子 | ||
跳ねる児の兎の耳の冬帽子 ひさ女 | ||
京都川勝句会 十二月例会 12/4(日) 於 北尾宅 | ||
才野主宰 吟 | ||
村人のこぞり鎮守の年用意 | ||
才野主宰 特選 | ||
ディナーの灯出窓のポインセチアにも 鈴 枝 | ||
自選句 | ||
露天湯や冬の月光手にうけて き ぬ | ||
帯締めの錆朱きりりと久女の忌 友 梨 | ||
ジャズ流る古びし窓のボインセチア 朋 子 | ||
冬の朝丸く小さく米を研ぐ 幸 子 | ||
ポインセチアはげしきものの色にでて トモ子 | ||
年用意手伝ひたがる子をなだめ 美 幸 | ||
ためらはず沈む夕陽や枯野路 志保子 | ||
禅林寺日に照らされて散るもみぢ 清 子 | ||
寄せ鍋に弾ける魚介卓円し 由美子 | ||
今年また生ききしあかし年用意 あや子 | ||
断捨離を兼ねて八十路の年用意 義 弘 | ||
大阪交野句会 十二月例会 12/22(木) 於 交野会館 | ||
席題「時 雨」 | ||
年の瀬や箱売りにする果物屋 | 香 美 | |
冬の夜の眠りつかれぬ闇の音 | 稀三郎 | |
古障子母の遺品の眠る部屋 | 玉 恵 | |
霜除けに託す豊かな実りかな | 嶺 子 | |
時雨るるや涙こぼして抜く鼻毛 | 方 城 | |
東京立川句会 十二月例会 12/11(日) 於 東部会公会堂 | ||
枯草を踏んで心をほぐしけり 東 音 | ||
山影に入る極月の川のいろ 清 次 | ||
街道の枯銀杏より宿場町 惠 子 | ||
一年の思ひ巡らし聖菓焼く 孝 子 | ||
天頂に皓皓として月氷る まこと | ||
ベランダに川の字あまた芋茎干す 秀 穂 | ||
川越句会 十二月例会 12/17(土) 於 ウエスタ川越 | ||
枝宮へ砂利踏む音や冬ざるる 勝 彦 | ||
甘き香の風極月の小江戸かな 東 音 | ||
空山のふもとに人語冬ぬくし 清 次 | ||
奥多摩の湯屋の煙や山眠る 治 子 | ||
蟷螂の顔三角に枯れにけり 文 夫 | ||
日溜まりの母ちゃん床屋年の暮 博 光 | ||
一人居の安らぎの雨返り花 信 夫 | ||
水鳥の帰る湖畔や冬の霧 ともはる | ||
赤赤と朝日さしをり雪の富士 信 儀 | ||
岡山句会 十二月例会 12/10(土) 於 きらめきプラザ | ||
外食の匙そつと置き暮易し みどり | ||
茅葺の庭に映えたる石蕗の花 紀久子 | ||
支へ合ひ共に老ひたり花八つ手 節 子 | ||
山茶花の花びら零し鳥翔ちぬ 収 子 | ||
着ぶくれを笑ひ合ひたる人とゐて 弘 子 | ||
おもてなしストーブ前は客の席 桂 子 | ||
乾風吹く鉛のごとき瀬戸の波 多喜子 | ||
病人と言へど気の急く師走かな つとむ | ||
冬うらら新婦の父の泣き笑ひ 盛 美 | ||
令和5年 2月号 | |
京都桃山句会 十一月例会 11/27(日) 於 東宇治コミュニティーセンター | |
才野主宰 吟 | |
飴色に光る子の髪冬日和 | |
自 選 | |
うしろよりパン焼く匂ひ雪蛍 洋 子 | |
パトカーの音の尖りし寒さかな 久 子 | |
よく眠る母の呼吸や冬うらら 鈴 子 | |
暮早し前を行く子の光る靴 彩 子 | |
瞑想の館への道小鳥来る 隆 子 | |
ひとひらの落葉舞ひ込むエレベーター 順 子 | |
日向ぼこあの日この日の遠かりき とみ子 | |
虫鳴かぬ夜不意に来て冬に入る 由 美 | |
眠られぬ夜半の窓に月冴える あきよ | |
集合の笛真直ぐなる今朝の冬 ふみ女 | |
吾と孫と恋の話や日向ぼこ 苺 | |
京都黎明句会 十一月例会 11/26(土) 於 ウィングス京都 | |
兼題 秋冷 | |
才野主宰 吟 | |
冬凪の入り江に鳶の笛やまず | |
才野主宰 特選 | |
山と海つなぐ坂道小春風 布美子 | |
自選句 | |
連れだちて落葉しぐれの女人堂 利里子 | |
実南天此の地は御所の裏鬼門 龍 司 | |
心地よき筋肉痛や帰り花 小 鈴 | |
秋冷や西山の襞ふかくして 胡 蝶 | |
日向ぼこ小さな旅の話など 紫 陽 | |
凩や拝殿の鈴乱調子 謙 三 | |
出来不出来風に任せて柿吊す 志津子 | |
冬ぬくし真田紐解く骨董屋 そよ女 | |
鷺森句会 十一月例会 於 宝谷宅 | |
席題・・・小六月 | |
杉玉の懸け替へらるる小六月 昌 子 | |
小春日や人気のコロッケ並び買ふ 早 苗 | |
小六月かわらけ的へまつしぐら 則 子 | |
設への終へたる茶室小六月 う み | |
自選句 | |
母と子のしづかな暮し石蕗の花 昌 子 | |
はずしたるホールインワン神の留守 早 苗 | |
めいめいの猫の位置あり日向ぼこ 則 子 | |
立冬や牛乳瓶の触れる音 う み | |
大阪枚方第二句会 十一月例会 11/20(日) 於 サンプラザ3号館 | |
席題「落 葉」 | |
仕舞湯の小窓に風や月あかり 隆 子 | |
実石榴や無口な父の笑い声 恵 子 | |
子供らの服良く乾く小春かな 栄 子 | |
長ブーツ駅前までの履き慣らし 井 上 | |
冬桜古都の鬼門に咲く守り 漲 三 | |
植ゑたての小さき苗も日向ぼこ 眞理子 | |
もう出来る作り笑顔や七五三 寿 子 | |
子は母の歩に合せつつ落葉踏む 方 城 | |
東京句会 十一月例会 11/26(土) 於 田園調布せせらぎ館 | |
阪田昭風名誉主宰吟 | |
冬紅葉池を被ひてゐたりけり | |
橋本爽見顧問吟 | |
寡黙なる女医さんが好き冬木の芽 | |
中島勝彦顧問吟 | |
退任の思ひ固める冬の坂 | |
中山仙命会長吟 | |
背を伸ばし走る媼や小春の日 | |
名誉主宰特選 | |
盆栽の太き根張りや冬の朝 勝 彦 | |
橋本爽見顧問特選 | |
いつもの木いつもの枝の返り花 和 夫 | |
中島顧問特選 | |
菊作りひとり娘を嫁がせて 怜 | |
中山会長特選 | |
老松の幕の黄ばみや里神楽 清 次 | |
自選句 | |
憂国忌海へ光の差し翳り 信 儀 | |
黒猫や銀杏落葉の日溜まりに 山女魚 | |
吾妻橋くぐる隅田の百合鴎 ともはる | |
枯葉追ひ帰りたがらぬ犬諭す 朋 子 | |
眦にはじめての紅七五三 久美子 | |
東京武蔵野句会 十一月例会 (水) 於 御殿山コミュニティセンター | |
蒲の絮飛んで流れは神田川 東 音 | |
晩年の著き青空冬紅葉 勝 彦 | |
老大樹の洞の深さやすがれ虫 咲久子 | |
丿乁と紅葉かつ散る武相荘 秀 穂 | |
立ち漕ぎの坂登る子や冬の入り 洋 子 | |
秋日浴び勝鬨橋の波まぶし 道 子 | |
道の辺の冬めく空を風切羽 治 子 | |
深山の落葉の下を忘れ水 克 彦 | |
湘南句会 十一月例会 11/2(水) 於: 茅ヶ崎商工会議所 | |
なほ一糸繕うてゐる秋の蜘蛛 憲 勝 | |
閂に蟷螂のゐる尼の寺 怜 | |
山に来て山の話や星月夜 富 治 | |
晩秋の夕日集めてえぼし岩 正 弘 | |
かんばせに触るる芒のぬくみかな 通 幸 | |
石蕗の花今日はあなたが主役です 君 代 | |
渋柿の焼酎選びここにあり 京 子 | |
火の色の照葉日裏の黄なりけり 清 次 | |
路地奥に手の届くほど柿たれて 昌 夫 | |
稲架の道信州上田五万石 醇 | |
孫泊まり秋の夜更けのやすらけし 千恵子 | |
大空に見えぬ水脈あり鳥渡る 邦 弘 | |
和歌山句会 十一月例会 11/13(日) 於: 県民文化会館 | |
結納すみくつろぐ庭に新松子 真生子 | |
チューニング合わぬラジオの夜長かな 泰 坊 | |
湯の音に鼻歌まじる夜長かな 薫 | |
鮮やかな赤が切なし帰り花 智 子 | |
あるだけの大根使ひ二三日 淳 子 | |
小さき手大根持ちて二ツコリと 志 信 | |
着膨れて道譲り合ふ漁師町 良 精 | |
令和5年 1月号 | |
京都早蕨句会 十月例会 10/21(金) 於 アスニー山科 | |
才野主宰吟 | |
秋うらら形見の杖を連れ歩く | |
才野主宰特選 | |
花野行く幼の帽子花になる 悦 正 | |
自選句 | |
小栗栖は終の住処よ秋日和 初 枝 | |
御神田の案山子三本抜かれをり 美 枝 | |
虫の声枕元より聞えくる テ ル | |
学校からソーラン節や運動会 秀 子 | |
瀬田川の空次つぎと雁渡る 惟 之 | |
日に一句それがモットー柿を剥く 捨 弘 | |
木犀の匂ふ校舎や文化祭 圭 子 | |
大和路の塔のむかふは柿たわわ ひさ女 | |
兼題「夜長」高得点句 | |
亡き人を偲ぶ夜長の独り酒 主 宰 | |
京都京北下中こぶし句会 十月例会 10/12(水) 於 下中公民館 | |
才野主宰 吟 | |
捨案山子小首を傾げたるままに | |
自選句 | |
栗飯やにっと笑ふて三杯め 伊都子 | |
水引草待ちたる孫の婚近し 節 子 | |
霧深し宙に鉄塔浮ばせて 恒 子 | |
生り年や杣家を灯す柿たわわ 君 江 | |
大阪枚方句会 十月例会 10/4(火) 於 交野会館 | |
落雁のしぶき寄りくる浮御堂 博 女 | |
花野道駈けゆく子等へシャッター音 郁 子 | |
初盆や線香の香に慣れし今 孝 子 | |
学問に王道はなし栗をむく 泰 子 | |
両耳で聴こえし頃や秋の声 光 央 | |
運動会美人を探す借り物走 方 城 | |
東京目黒句会 十月例会 10/8(土) 於 目黒区住区センター | |
阪田昭風名誉主宰吟 | |
大伽藍弓張月のかかりけり | |
名誉主宰特選 | |
卓袱台を囲む昭和や芋の飯 文 夫 | |
自選句 | |
路地裏の生活の音や鳳仙花 勝 彦 | |
教会のバザーは簡素小鳥来る 近 子 | |
一周忌あくれば遠き鰯雲 爽 見 | |
ちらちらと木漏れ日木の実ぱらぱらと 久 子 | |
鯖雲やからくり時計開く正午 治 子 | |
田の恵み寿ぎ群るる彼岸花 久美子 | |
虚栗ひたすら長き会議かな 倫 子 | |
ほんわかと献上品のくにの芋 東 音 | |
哀しきは母の笑顔や秋の海 仙 命 | |
東京八王子句会 十月例会 10/16(日) 於 高幡不動尊内 | |
護摩焚きの読経に珊瑚樹実りけり 東 音 | |
一言の師の面影や秋深し 珠 子 | |
安住は多摩川右岸猫じやらし 啓 子 | |
野良弁当広げて仰ぐ鰯雲 賀 代 | |
和傘のごと漆紅葉や柔ら日に 三 郎 | |
使ひ切る赤黄の絵具秋の山 邦 弘 | |
澄みわたる多摩の山並鮎は錆び まこと | |
標立てて秋の花盛る茶筅塚 惠 子 | |
揚羽になるかも芋虫を草むらへ 洋 子 | |
スポーツの日商家梵字は排球に 秀 穂 | |
参道の露けし市の豆絵皿 清 次 | |
東京小平さくら句会 十月例会 10/25(火) 於 花小金井南公民館 | |
岩に風湧いて紅葉の名栗川 東 音 | |
入間野や残る地割と秋の土 清 次 | |
赤蜻蛉湧き来る佐久の棚田かな 翠 | |
孫子から夫へ新酒や誕生日 加代子 | |
秋蝶やそつと窓辺に翅ひらく 陽 子 | |
地堺の木の間はなやぐ曼殊沙華 佳 子 | |
膝を着き拾ふ菩提子百八つ 歌 蓮 | |
消えかかる線引き直す運動会 孝 明 | |
年毎に増す休み田や里の秋 利 博 | |
東京ミモザ句会 十月例会 10/19(水) 於 俳句文学館 | |
兼題…暮の秋 | |
箒持つ腕の皺や暮の秋 爽 見 | |
酒の手のあがらぬ齢暮の秋 仙 命 | |
壷に入り人生終はる暮れの秋 近 子 | |
暮の秋けふつくづくと山を見て 憲 勝 | |
エコバッグ少しほつれて暮の秋 爽 恵 | |
病院の待合室や暮の秋 倫 子 | |
カルメンの書割おろす暮の秋 研 二 | |
雑 詠 | |
木の実降るここはセカンドオピニオン 爽 見 | |
真夜中のこむら返りや鉦叩 仙 命 | |
穭田に声落しゆく夕鴉 近 子 | |
稲刈つてをり岡持ちの置かれあり 憲 勝 | |
シャンソンの流るる午後や金木犀 爽 恵 | |
山道の落栗踏みて仰ぐ空 倫 子 | |
ふがふがとオルガン弾くや白秋忌 研 二 | |
西条句会 十月例会 10/21(金) 於 才居庵 | |
虫の夜や我に聞こえぬ耳ふたつ 隆 を | |
水澄むや稜線映る陣屋堀 満 子 | |
歩道橋よりの眺めや秋日和 安 恵 | |
三代の納屋の農具や落とし水 一 耕 | |
月見酒破戒坊主の艶話 孝一郎 | |
島山に釣瓶落しの静寂かな ゆふし | |
奈良飛火野句会 十月例会 10/16(日) 於 奈良女性センター | |
秋風や返事おそきもよきことと 和 子 | |
水引草絡まりそうで絡まらず 敏 子 | |
秋の日や礎石に映る連子窓 定 慧 | |
あれすればこれを忘れて赤とんぼ 洋 子 | |
赤とんぼ何か言ひたげ傍に 稔 子 | |
秀麗や小りすの帰る山の道 千 晶 | |
令和4年 12月号 | |
本部句会 九月例会 9/10(土) 於 ラポール京都 | |
才野主宰 吟 | |
やはらかく乾くタオルや酔芙蓉 | |
才野主宰 特選 | |
誰を待つ訳でもなくて花野みち 利里子 | |
自選句 | |
好日や北山杉の空澄めり 勢津子 | |
秋簾越しの母娘の口喧嘩 方 城 | |
水たまりそだてて秋の雨静か 布美子 | |
新涼や気を抜く猫の大あくび 小 鈴 | |
竹林の女王なるや絹傘茸 胡 蝶 | |
母の手の少しの張りや白芙蓉 隆 子 | |
京都川勝句会 九月例会 9/18(日) 於 北尾宅 | |
才野主宰 吟 | |
処暑の朝テレビつけずにゐたりけり | |
才野主宰 特選 | |
秋冷や石の御子抱く聖母像 友 莉 | |
自選句 | |
庭に座し萩と吹かれし朝の風 き ぬ | |
鳳仙花珈琲熱きマグカツプ 勢津子 | |
さはやかやベストセラーの頁繰り 鈴 枝 | |
萩こぼる迷子の風の分け入りて 朋 子 | |
手に馴染む風はほどよき古団扇 幸 子 | |
月日すぎひとり住まひや鰯雲 トモ子 | |
目鼻なき野辺の仏やちちろ鳴く 美 幸 | |
空つぽの校庭満たす蝉しぐれ 志保子 | |
臥す母の歌声やさし萩の花 清 子 | |
パイプ椅子少し冷たき秋の暮 由美子 | |
こぼれ萩今日も何かを忘れたり あや子 | |
お迎へに目ざとく手振る秋の暮 義 弘 | |
大阪交野句会 九月例会 9/22(木) 於 交野会館 | |
爽やかに背広姿のありにけり | 香 美 |
敬老の日に届きたる地の銘菓 | 稀三郎 |
百歳のときめきあらむ敬老日 | 玉 恵 |
赤蜻蛉何の相談集ひ舞ふ | 嶺 子 |
爽やかに子犬の愚痴を聞いて遣り | 方 城 |
東京目黒句会 九月例会 9/10(土) 於 目黒区住区センター | |
阪田昭風名誉主宰 吟 | |
花木槿一つ大きく開きけり | |
名誉主宰 特選 | |
秋風に松を残して庭師去ぬ 倫 子 | |
自選句 | |
攫はれるやうに妹逝き秋に入る 近 子 | |
造成の音や火花や秋暑し 久 子 | |
葡萄棚盆地の長き入日影 治 子 | |
杖頼み妻を頼りに野路の菊 東 音 | |
秋暑し額の傾き直しをり 久美子 | |
父母を乗せ姉の手綱や送馬 文 夫 | |
火影濃き屋台の並ぶ秋祭 勝 彦 | |
新生姜父の好物手に取りて 鈴 子 | |
富士の影濃き湖や秋の暮 仙 命 | |
岡山句会 九月例会 9/20(土) 於 きらめきプラザ | |
きはやかに影おく一樹水の秋 篤 子 | |
萩咲くや海に向きたる多宝塔 みどり | |
萩乱れ括くれば一枝残りけり 紀久子 | |
休田に群るる雀や秋ひでり 節 子 | |
鳴けぬのに鳴くと言はれて蚯蚓泣く 桂 子 | |
病む窓に展べて明るき無月かな つとむ | |
爽やかな海風やオリーブの丘 弘 子 | |
令和4年 11月号 | |
本部句会 八月例会 8/13(土) 於 ラポール京都 | |
才野主宰吟 | |
迎え火や闇に焙烙あかく浮き | |
才野主宰特選 | |
水中花いのちわづかに蒸発す 布美子 | |
自選句 | |
秋まひる不動堂へと坂険し 勢津子 | |
聞き流すことも智恵なり茗荷汁 小 鈴 | |
炎昼や虚空みつめる陶狸 胡 蝶 | |
京都早蕨句会 八月例会 8/19(金)通信句会 | |
才野主宰 吟 | |
葉の裏にのびのび曲がる胡瓜かな | |
才野主宰 特選 | |
砂浜の砂を均して秋の風 秀 子 | |
自選句 | |
終戦日孫に伝へること数多 テ ル | |
どしゃ降りの雨を日傘でしのぐ人 初 枝 | |
涼新た疏水を渡り来る風も 美 枝 | |
山道にここよここよと茸群れ 惟 之 | |
戦争は後世に禍根終戦忌 捨 弘 | |
湿原を走る列車の扇風機 敬 子 | |
新幹線の固い氷菓を食べあぐね 圭 子 | |
蝉時雨誰が指揮する森の中 悦 正 | |
信濃川祷り数多の大花火 ひさ女 | |
兼題・・残暑 高得点句 | |
パソコンの吾に逆らふ残暑かな 主 宰 | |
野に駆ける子等をうらやむ残暑かな 秀 子 | |
京都京北下中こぶし句会 八月例会 8/10(水) 通信句会 | |
水盤に水もたわわに小石置き 伊都子 | |
仏壇に十色の香り盆供養 節 子 | |
残暑見舞またも中止のクラス会 恒 子 | |
負けチーム勝者に勝る日焼かな 泰 子 | |
棚経の輪唱清し親子僧 君 江 | |
鷺森句会 八月例会 8/16(火) 於 宝谷宅 | |
席題・・盆 | |
亡き兄の齢となりて盆迎へ 昌 子 | |
新盆や慰め言葉出ぬままに う み | |
町内の和みの輪なる地蔵盆 則 子 | |
救急車遠くに聞くや盆の月 早 苗 | |
久方の先祖へ詣づ盆休み 勢津子 | |
雑詠 | |
喪の家の白百合紅散り急ぐ 昌 子 | |
逆縁の思ひは深し凌霄花 う み | |
風に乗り躍り始めた百日紅 則 子 | |
土手に咲く芙蓉の一日見てをりぬ 早 苗 | |
リハビリの成果見ゆるや稲の花 勢津子 | |
大阪枚方句会 八月例会 8/2(火) 於 サンプラザ3号館 | |
万緑ぼ風に乗りくる飛天像 | 博 女 |
空蝉の灼けし沓脱石の隅 | 幸 江 |
夕虹の端から端へすべり台 | 郁 子 |
扇風機と発声練習三才児 | 文 子 |
明日あたり戦争は死語カンナ萌ゆ | 征 子 |
涼風の部屋に流れて外炎天 | 裕 司 |
遊説の党首の日焼いのち燃ゆ | 方 城 |
大阪枚方第二句会 八月例会 8/21(日) 於 サンプラザ3号館 | |
力こぶ見せあふ男の子雲の峰 | 恵 子 |
秋空へ浜の球場応援歌 | 井 上 |
あかつきの蓮の蕾の天に向く | 嘉代子 |
漁舟早や戻り来ぬ今朝の秋 | 漲 三 |
爽やかな声の飛び交ふ始業式 | 眞理子 |
孫の来ぬコロナの夏の長かりし | 方 城 |
東京句会 八月例会 8/27(土) 通信句会 | |
阪田昭風名誉主宰吟 | |
新涼や半紙ににじむ筆の跡 | |
橋本爽見顧問吟 | |
新涼の風竹林の高きより | |
中島勝彦顧問吟 | |
山巓の灼くる鎖を握りしめ | |
中山仙命会長吟 | |
秋思ふと取払はれし文士の碑 | |
阪田昭風名誉主宰特選 | |
父の忌を修す庭先秋の蝉 仙 命 | |
橋本爽見顧問特選 | |
甲板に挙手の水兵赤とんぼ 怜 | |
中島勝彦顧問特選 | |
故郷や家家灯す盆提灯 和 夫 | |
中山会長特選 | |
山の端をゆらしてゐたる蝉しぐれ 勝 彦 | |
自選句 | |
大雨のほどなく上がり大文字 悦 子 | |
汕頭のハンカチ喪仕度調へり 久美子 | |
翳る日も照る日も坂の木槿咲く 清 次 | |
夏空や妻渡りけるかずら橋 ともはる | |
浜風に盆の太鼓の音ちぎれ 信 儀 | |
向日葵の国を悼みてレクイエム 朋 子 | |
仏壇の桃の香ほのと寝入りばな 山女魚 | |
東京八王子句会 八月例会 8/17(日) 通信句会 | |
くぐりゆく大手門より秋の声 東 音 | |
草市や遠く過ぎゆく夜汽車の灯 勝 彦 | |
遠泳や氷砂糖と塩の味 文 夫 | |
一天に蕭白の龍鱗雲 惠 子 | |
遠山の襞くつきりと秋来たる 邦 弘 | |
山男誰がために折る百合の花 珠 子 | |
松籟や秋立つ砂嘴の海の色 治 子 | |
山旅の終はるバス停くつわむし 博 光 | |
追伸に本音を少し夜の秋 まこと | |
万緑や静まる野鳥観察棟 三 郎 | |
漆黒の機影横切る大夕焼 信 儀 | |
己が影許さず蜻蛉の一直線 啓 子 | |
古民家に続く坂道草茂る 賀 代 | |
嘴に抗ひたるも蝉徐徐に 秀 穂 | |
爽やかな雨来ては去る朝の道 洋 子 | |
かなかなの声を揺り出す深山かな 清 次 | |
東京小平さくら句会 八月例会 8/23(火) 通信句会 | |
新秋のひかりの杜へ入りにけり 東 音 | |
かなかなや朝明の空の透き通る 清 次 | |
炎天の町を分かちて上水路 翠 | |
せせらぎの玉川上水蝉時雨 加代子 | |
籠居の脳トレすすむ長き夜 陽 子 | |
指折りて三嶋祭を待つをさな 佳 子 | |
秋立ちて杖に頼らぬ父のけふ 歌 蓮 | |
さかな屋のねぢり鉢巻盆踊り 孝 明 | |
夏料理突き出しのせてミニ列車 利 博 | |
東京ミモザ句会 八月例会 (通信) 8/17(水) | |
兼題…西 瓜 | |
戦争のこびりつく影大西瓜 爽 見 | |
水に浮く西瓜のまはる三回忌 勝 彦 | |
叩かれて熟れた返事の西瓜かな 怜 | |
砂払ひ西瓜を喰らふ西瓜割 仙 命 | |
大西瓜ありて仏壇らしくなる 憲 勝 | |
縁側に足ぶらぶらと西瓜食み 朋 子 | |
ひと玉の西瓜ぺろりと食ぶる兄 爽 恵 | |
砂浜の当に打たれむ西瓜かな 倫 子 | |
半島の海鳴り聞いてゐる西瓜 研 二 | |
雑 詠 | |
たましひのふはふはときて茄子の馬 爽 見 | |
今日済ますことでもなくて白浴衣 勝 彦 | |
青と黄はゴッホの祈り夏果つる 怜 | |
新装の養護学校運動会 仙 命 | |
初秋の肌着売場にをとこゐる 憲 勝 | |
湖水から山の裾野へ虹の橋 朋 子 | |
八月や言葉の重い日のありて 爽 恵 | |
聞入るやぴたりと止みぬ法師蝉 倫 子 | |
夕闇に木槿の白の濃くありぬ 研 二 | |
湘南句会 八月例会 8/5(水) 於: 茅ヶ崎商工会議所 | |
兼題…盛夏・夏旺ん | |
盛夏なり浸るともなく海に居て 憲 勝 | |
大津絵の団扇であふる詰将棋 怜 | |
蝉の声杜を大きく揺すりけり 通 幸 | |
マウンドの影の躍動夏旺ん 清 次 | |
峰雲のくづれて宵の一つ星 正 弘 | |
粧ふは老いの嗜み白絣 君 代 | |
亡き友の声の聞こゆる遠花火 和 夫 | |
船音や三浦半島朝曇り 富 治 | |
海平ら一歩は遠し盛夏かな 京 子 | |
青田道しろあをみどりの印象派 醇 | |
はるか先孫の跳び行く盛夏かな 昌 夫 | |
太陽の幾つ出てるやこの暑さ 千恵子 | |
涼しさや一草活けしガラス瓶 邦 弘 | |
和歌山句会 八月例会 8/13(土) 於: 県民文化会館 | |
戦いを終へし球児の瞳の涼し 真生子 | |
ゆく夏の更地となりし生家かな 泰 坊 | |
ひやさうめん母は十年を独りの餉 薫 | |
新しき家にも灯る絵灯籠 智 子 | |
天瓜粉つけて昭和の子のごとし 淳 子 | |
拭えども拭えども出る残暑かな 志 信 | |
子蟷螂生れて青身を揺らし継ぐ 良 精 | |
岡山句会 八月例会 8/27(土) 於 きらめきプラザ | |
暮れ初むる木槿に風のまどろみぬ みどり | |
原爆忌平和の歌の届けよと 紀久子 | |
新涼の畳に背すじ伸しけり 収 子 | |
三体の秘仏間近に涼新た 弘 子 | |
迎火に誘はれ御霊還り来る 桂 子 | |
ひしめいて青葉烈日逃がさざる つとむ | |
秋の宿の給仕の彼は異国人 盛 美 | |
令和4年 10月号 | |
本部句会 七月例会 7/9(土) 於 ラボール京都 | |
才野主宰 吟 | |
太陽を殴るげんこつ雲の峰 | |
才野主宰 特選 | |
アリスまだ戻れぬ頁明易し 布美子 | |
自選句 | |
閃光が身内走るや日雷 勢津子 | |
繰言を胸に納める片白草 そよ女 | |
夏座蒲団たれより先に猫が来て 小 鈴 | |
雨蛙陶の狸の肩で鳴く 胡 蝶 | |
ウィンドに色のあれこれ日傘かな 隆 子 | |
足し水に花びら揺らす水中花 ひさ女 | |
京都桃山句会 七月例会 7/24(日) 於 京都教育文化センター | |
才野主宰 吟 | |
手花火の終の火玉にある重さ | |
自 選 | |
天王山のぞむ砲台跡みどり 洋 子 | |
手花火の色に浮き立つ児の真顔 久 子 | |
マニュアルの無き技ここに鉾立ちぬ 鈴 子 | |
打水の匂を連れて風過ぐる 彩 子 | |
床の間に射干活けて遠囃 う み | |
嬉嬉としてアイゼンの踏む大雪渓 順 子 | |
鎮守への道は一筋青田中 和 子 | |
小さき手とハイタッチして夏の駅 とみ子 | |
傘ふたつ緑蔭出でて離れゆく 由 美 | |
青りんご浸りて回る山の水 昭 代 | |
ローカル線ドア開く度の蝉しぐれ 苺 | |
京都早蕨句会 七月例会 7/15(金) 於 アスニー山科 | |
才野主宰 吟 | |
夏草を抜け出て赤き丸ポスト | |
才野主宰 特選 | |
いつせいに動く日傘や交差点 美 枝 | |
自選句 | |
夏草の伸びる早さよ疏水径 初 枝 | |
我が漬けしらつきよ味よく食進む テ ル | |
川渡御の灯入れを見ての家路かな 秀 子 | |
林間に四葩波打つ三室戸寺 惟 之 | |
大川に白雲渡る文月かな 捨 弘 | |
七夕の空へ流れるシンフォニー 敬 子 | |
夏の夕琵琶湖疏水に鷺一羽 圭 子 | |
小雨にも濡れる二人や破れ傘 悦 正 | |
白扇をぽんと叩いて僧立てり ひさ女 | |
兼題「祭」高得点句 | |
化粧して祭の稚児の真顔かな 才野主宰 | |
京都黎明句会 七月例会 7/23(土) 於 ラボール京都 | |
才野主宰 吟 | |
言ひかけてやめて手花火見てをりぬ | |
才野主宰 特選 | |
湧き上がる雲のまぶしき海開き 利里子 | |
自選句 | |
童唄引かれ詣づや占出山 勢津子 | |
花柘榴また片恋にをはりけり 布美子 | |
ひあふぎや宵の新町にぎははし 小 鈴 | |
花ざくろ寂しい時は寂しいと 紫 陽 | |
炎昼やはしびろこふの如く生き 胡 蝶 | |
キャンパスの深き静かさ夏木立 謙 三 | |
時代から置いてきぼりの夕端居 志津子 | |
京都川勝句会 七月例会 7/17(日) 於 北尾宅 | |
才野主宰 吟 | |
向日葵や遠に風力発電所 | |
才野主宰 特選 | |
地下道に人吸ひこまれ戻り梅雨 美 幸 | |
自選句 | |
沙羅の花ひと日の命手につつむ き ぬ | |
風折れの竹に日の射す光秀忌 友 梨 | |
山宿にあかりほつほつ夕涼し 鈴 枝 | |
かたはらに居てほしき人夏の宵 久 代 | |
向日葵の果てに広がる日本海 朋 子 | |
恙無く傘寿の坂や日日草 幸 子 | |
お花畑眼下の琵琶湖舟ひとつ トモ子 | |
うす墨にピンク刷く空夏の暮 志保子 | |
新調の浴衣の張りや裾の風 清 子 | |
酔ひしれて祇園祭の熱気かな 由美子 | |
買うてんか黄色い声の粽売り あや子 | |
いざいざと親子いくさの草矢射る 義 弘 | |
京都京北下中こぶし句会 七月例会 7/13(水) 於 下中公民館 | |
才野主宰 吟 | |
七夕に来し手作りの葉書かな | |
自選句 | |
採りそこね三日放置の大胡瓜 節 子 | |
夜濯や作業ズボンの二度洗ひ 恒 子 | |
里の朝英気を連れ来る青田風 君 江 | |
堂涼し久方ぶりの唱揃ふ 伊都子 | |
鷺森句会 七月例会 7/19(火) 於 宝谷宅 | |
席題・・・七夕 | |
教え子の無沙汰の便り星祭 昌 子 | |
門口に二本の笹や星まつり う み | |
七夕やジビエビストに女子の宴 則 子 | |
七夕やテレビ画面を乱しをり 早 苗 | |
七夕や子らの夢書く七色紙 勢津子 | |
雑 詠 | |
竹串の青鮮やかに鮎焼ける 昌 子 | |
病抜けし僧の尺八音の涼し う み | |
打ち寄せる波に光や海開 則 子 | |
老人につきゆく老犬朝涼し 早 苗 | |
生稚児の見事注連切り鉾進む 勢津子 | |
大阪枚方句会 七月例会 7/5(火) 於 サンプラザ3号館 | |
名曲のロシア超え行く青嵐 | 博 女 |
炎昼の水滑らせて研師かな | 幸 江 |
夏帽子筋トレ励む高齢者 | 郁 子 |
生き甲斐の父の梅干後わづか | 文 子 |
故郷は在るだけで良い合歓の花 | 方 城 |
大阪枚方第二句会 七月例会 7/17(日) 於 サンプラザ3号館 | |
席題「夕 立」 | |
大の字に眠る赤子や団扇風 | 隆 子 |
寝たきりの父の笑顔やさくらんばう | 恵 子 |
蓮咲いて水分石の静けさよ | 栄 子 |
静かさの千手観音蝉の穴 | 征 子 |
立葵猫背を正す散歩かな | 井 上 |
進路割る水竿のさばき蓮見舟 | 漲 三 |
汗拭ふ鎖骨にゆらりネックレス | 眞理子 |
夕立に下校の列のちりぢりに | 方 城 |
大阪交野句会 七月例会 7/28(木) 於 交野会館 | |
席題「 滝 」 | |
風鈴や囲碁の戦ふ夕間暮れ | 香 美 |
目礼に返す目礼朝涼し | 稀三郎 |
月涼し最終便の滑走路 | 玉 恵 |
黒揚羽ふはりふはりと蝶の道 | 嶺 子 |
滝壺の底にちりぢり日のひかり | 方 城 |
東京句会 七月例会 7/23(土) 於 太田区民プラザ | |
阪田昭風名誉主宰 吟 | |
赤ん坊に見詰められをり夜の秋 | |
中島勝彦顧問 吟 | |
打水の砂の模様に乾きけり | |
中山仙命会長 吟 | |
万葉と名付く小径や合歓の花 | |
名誉主宰 特選 | |
手の大き球児のかじる青林檎 怜 | |
中島顧問 特選 | |
つかの間の青空捉へ蝉時雨 久美子 | |
中山会長 特選 | |
赤ん坊に見詰められをり夜の秋 昭 風 | |
自選句 | |
うすものをゆるやかに着て贔屓筋 悦 子 | |
百段の磴上り来て蟬しぐれ 清 次 | |
打水や猫を掠める水の影 信 儀 | |
江の島の鮨屋の席や花火の夜 ともはる | |
涼風を待ちてそのままうたた寝し 朋 子 | |
食細き子に冷麦のとほりよき 山女魚 | |
炎天や石庭の白まぎれなし 和 夫 | |
東京目黒句会 七月例会 7/9(土) 於 目黒区住区センター | |
阪田昭風名誉主宰 吟 | |
電柱の影に身を入れ日のさかり | |
名誉主宰 特選 | |
一点を見つめ極暑の警備員 勝 彦 | |
自選句 | |
千体の佛の中にゐて涼し 近 子 | |
銃声の奈良の都の極暑かな 爽 見 | |
口笛に牛舎匂へる帰省かな 治 子 | |
仏壇の白百合ぽんと咲きにけり 倫 子 | |
木道の影のほとりの水芭蕉 久 子 | |
筑波嶺の低き稜線田水沸く 久美子 | |
久々の雨の匂ひや蝸牛 仙 命 | |
東京八王子句会 七月例会 7/17(日) 於 高幡不動尊内 | |
寺山の今日のよろこび古代蓮 東 音 | |
火口湖に逆さ立山いはぎきやう 邦 弘 | |
半白に二心なし半夏生 まこと | |
日光連山展べて風立つ花野かな 珠 子 | |
不揃ひも受けて白玉試食会 啓 子 | |
杜裂いて祈りの声の滝行者 三 郎 | |
夏の雨胸の支へを流しけり 惠 子 | |
鶏頭は熱持つ花よ日暮れまで 賀 代 | |
縁側へ虫干しの偕老同穴 秀 穂 | |
露草やすみれの消えし武蔵野に 洋 子 | |
山内の句碑のまだ干ぬ青時雨 清 次 | |
東京武蔵野句会 七月例会 7/13(水) 於 御殿山コミュニティセンター | |
藻の花に雨のきてをり弁天堂 東 音 | |
武蔵野の明るき雨や苔の花 勝 彦 | |
さくらんぼ戦禍の児らに届けたし 咲久子 | |
九十路の翁の気概立葵 秀 穂 | |
乗り換へに迷ひて出口戻り梅雨 洋 子 | |
噴水の足柄山よりなほ高く 道 子 | |
茄子の葉を傘にむくどり雨宿り 和 枝 | |
渓川に浸す手痛し山開き 治 子 | |
ゆるく老い時間長者の昼寝かな 克 彦 | |
あぢさゐの阿吽見守る仁王尊 曈 生 | |
草笛や兄のやうには吹けぬまま 文 夫 | |
東京立川句会 七月例会 7/24(日) 於 東部会公会堂 | |
片蔭を句会へ今日の宝とし 東 音 | |
土と風灼く決勝のグラウンド 清 次 | |
夕蝉や句会の寺を後にして 惠 子 | |
庭花火煙のむかう昭和見ゆ 孝 子 | |
拭へども火薬のにほひ消せぬ夏 まこと | |
句会報四百号や百日紅 秀 穂 | |
東京小平さくら句会 七月例会 7/26(火) 於 花小金井南公民館 | |
朝顔市帰りの一家夜のメトロ 東 音 | |
端座して不動堂内火の涼し 清 次 | |
草花の消えし山荘鹿の子来る 翠 | |
終活におはるる日々に蝉時雨 加代子 | |
最後まで仰ぐ平和の遠花火 陽 子 | |
瓜トマト産直店は早仕舞 佳 子 | |
手をつなぎ駅のホームの夏帽子 歌 蓮 | |
将軍の石碑にすがる蝉の殻 孝 明 | |
庭先のねぢばな見入る反抗期 利 博 | |
東京ミモザ句会 七月例会 7/19(火) 於 目黒・田道住区センター | |
兼題…心 太 | |
初恋の人痴呆とか心太 爽 見 | |
芸人が衣裳のままで心太 怜 | |
句も詠まず酒も呑まずや心太 仙 命 | |
突き出して食べる美味し心太 近 子 | |
こころ素にして禅寺のところてん 憲 勝 | |
病床の喉を滑りて心太 朋 子 | |
心太つんと辛子の鼻にぬけ 爽 恵 | |
拘りを今こそ捨てむ心太 倫 子 | |
まあまあと掛取りにだす心太 研 二 | |
雑 詠 | |
短夜や肥前の壺に火の匂ひ 爽 見 | |
夏闌る百人町は混沌と 怜 | |
緑蔭にバラック厩舎馬二頭 仙 命 | |
神となりし母の忌日やパリ―祭 近 子 | |
河童忌の上高地夏季診療所 憲 勝 | |
夜店からひよこ一羽を抱き帰る 朋 子 | |
ほろ酔ひの窓に広ごる夕焼かな 爽 恵 | |
夜明け前鳥より早き蝉の声 倫 子 | |
岐阜提燈ともしてよりの追慕かな 研 二 | |
川越句会 七月例会 7/16(土) 於 ウエスタ川越 | |
迎火の朝の雲間の光かな 勝 彦 | |
虹の立つ町やころばぬ先の傘 東 音 | |
かなかなや字幕ニュースの無言の訃 清 次 | |
涼しさのみどりをすくふ茶杓かな 博 光 | |
蔵の町少し派手めの貸浴衣 文 夫 | |
妹は永遠に妹合歓の花 咲久子 | |
南北に長き家並や大西日 治 子 | |
夏柳揺れて故郷偲びけり 信 夫 | |
漱石の泊りし宿の蛍かな ともはる | |
にぎやかに髪結はれをり浴衣の子 信 儀 | |
湘南句会 七月例会 7/6(水) 台風襲来予報 通信句会 | |
兼題…納涼・涼み | |
いしぶみは敗者をたたへ竹煮草 憲 勝 | |
炎天や影は歩幅をはみ出さず 清 次 | |
らつきょう掘る砂丘の先は日本海 怜 | |
主峰いま雲を突き出で梅雨明ける 正 弘 | |
海の子のままに老ひたり雲の峰 富 治 | |
炎帝の怒り鎮まる日を待てり 君 代 | |
ベランダに遠き島影朝涼み 通 幸 | |
後手にボタン止まらぬ心太 京 子 | |
白と黒猫の寝そべる縁涼み 醇 | |
桧枝岐緑蔭深き舞台かな 和 夫 | |
立葵花次々と大空へ 昌 夫 | |
向日葵の明るさもらふ塀の上 千恵子 | |
幸せは些細な事よさくらんぼ 邦 弘 | |
和歌山句会 七月例会 7/17(日) 於: 県民文化会館 | |
田植え水力士の如く押しゆけり 真生子 | |
防波堤足投げ出して夏の星 泰 坊 | |
二人の歩徐々にゆるみて夏の星 薫 | |
どれだけの夢叶へしか夏の星 智 子 | |
カップルの頭上にきらり夏の星 淳 子 | |
海霧の中海峡をゆく霧笛かな 志 信 | |
宵闇の匂ひの記憶夏祭り 良 精 | |
西条句会 七月例会 7/20(水) 通信句会 | |
貧しげに身を揺り梅雨の予讃線 隆 を | |
投函のにぶき音なり戻り梅雨 満 子 | |
クロスワードパズルの解けて冷奴 安 恵 | |
口惜しきことのありけり半夏生 一 耕 | |
この年で二日酔して茗荷汁 孝一郎 | |
一通り仕事の終へて汗涼し ゆふし | |
奈良飛火野句会 七月例会 7/17(日) 於 奈良女性センター | |
怪我の身を案ずる電話半夏生 和 子 | |
焼茄子かそれとも何に思案顔 敏 子 | |
万緑に静もる飛檐法華堂 定 慧 | |
夕風や橋の袂の花擬宝珠 洋 子 | |
真桑瓜昔なつかし甘さかな 稔 子 | |
扇風機おさな顔寄せあわわわわ 千 晶 |
令和4年 9月号 | |
本部句会 六月例会 6/11(土) 於 ラボール京都 | |
主宰 吟 | |
吊橋をつつむ夕闇河鹿笛 | |
主宰 特選 | |
機音の重なりあふや片かげり | 布美子 |
自選句 | |
露坐仏の御目の先のついりかな | 勢津子 |
雨宿りばかりしてをりかたつむり | 利里子 |
あぢさゐや矜持の色を膨らませ | 小 鈴 |
人形を寺へ納めて梅雨寒し | 胡 蝶 |
初夏や詩片生まるる気配して | 隆 子 |
早乙女の田面に映る顏きびし | 美 沙 |
時の日や自動撒水花時計 | そよ女 |
京都桃山句会 六月例会 6/26(日) 於 呉竹文化センター | |
才野主宰 吟 | |
咆哮を上げる機関車雲の峰 | |
自選 | |
明け易しなほ明け急かす鳥のこゑ | 久 子 |
沢音にしばし佇む蛍の夜 | 鈴 子 |
三条を潜る白川夕ぼたる | 勢津子 |
玉葱に淡路の砂の残りをり | 彩 子 |
苔の花秋篠寺の伎芸天 | う み |
あさがほの挿絵はがきの夏見舞 | 隆 子 |
万緑の中より望む舟下り | 順 子 |
文鳥を五指に遊ばせ梅雨籠り | 和 子 |
説法の終はりて沙羅の花落つる | とみ子 |
北山の木立とぎれて雲の峰 | あきよ |
カーテンの鈍きゆらぎや梅雨曇り | 苺 |
京都早蕨句会 六月例会 6/17(金) 於 アスニー山科 | |
才野主宰吟 | |
昼寝する吾を昼寝の夢に見て | |
才野主宰特選 | |
来ぬ人を待ちて幾夜か月見草 悦 正 | |
自選句 | |
恙なく卆寿を過ぎて柿の花 テ ル | |
青空の風にさ揺るる青田かな 初 枝 | |
ランドセルのお守り揺れる麦の秋 美 枝 | |
梅雨最中速さ増したる里の川 秀 子 | |
通学の子らの見上げる朴の花 惟 之 | |
米原発近江鉄道青田中 捨 弘 | |
花嫁の笑顔やチャペル涼しかり 敬 子 | |
暗闇に優しい川音螢舞ふ 圭 子 | |
緑蔭の茶房の椅子に身を沈め ひさ女 | |
兼題・・・青田 高得点句 | |
深呼吸ビルの狭間の青田かな 秀 子 | |
青田風近江平野を思ふまま ひさ女 | |
京都黎明句会 六月例会 (土) 於 ウィングス京都 | |
兼題・・・顏 | |
才野主宰 吟 | |
梅雨寒や大型ごみとなる机 | |
才野主宰 特選 | |
しんしんと月渡り行く植田かな 利里子 | |
自選句 | |
コニャックのロックにジャズや梅雨の星 勢津子 | |
六月の素知らぬ顔の照る坊主 布美子 | |
さみだるる陶板名画前にして 小 鈴 | |
夕さりて鴉の声や沖縄忌 紫 陽 | |
紫陽花の小径ゆく人見送りて 胡 蝶 | |
老鶯や七十日のありがたう 龍 司 | |
硝子玉かいもく取れぬラムネ瓶 謙 三 | |
ちりめん煮仕上げにおとす青山椒 志津子 | |
嵐電を見てゐる園児梅雨晴間 そよ女 | |
京都川勝句会 六月例会 6/19(日) 於 北尾宅 | |
才野主宰 吟 | |
沈黙といふ雄弁や水中花 | |
才野主宰 特選 | |
炎昼や己の影を杖として 友 梨 | |
自選句 | |
雨蛙雨が来るぞと啼いてゐる き ぬ | |
白無垢の映ゆる水面や花菖蒲 勢津子 | |
梅雨寒し喪心消えぬ母とゐて 鈴 枝 | |
サクランボ初におめみえ孫二人 久 代 | |
車椅子押す手ゆるめて緑蔭へ 朋 子 | |
陵の杜燦燦と夏の雨 幸 子 | |
風薫る小馬のかける草千里 トモ子 | |
風鈴のあるかなきかの風に鳴り 美 幸 | |
五月晴ベンチに一人瀬音きく 志保子 | |
梅雨の蝶葉を揺らしつつ雨宿り 清 子 | |
慎ましく開きて白き鉄線花 由美子 | |
鉄線花紫紺こぼしてもらい鉢 あや子 | |
じゃんけんぽん残る一つのさくらんぼ 義 弘 | |
京都京北下中こぶし句会 六月例会 (水) 於 下中公民館 | |
才野主宰 吟 | |
大人には解けぬなぞなぞ捩れ花 | |
自選句 | |
畔廻り世代交代青田風 伊都子 | |
宅配を解けば飛び出す夏みかん 節 子 | |
上棟の柱の列や青葉光 恒 子 | |
帰省子の時に発する讃岐弁 泰 子 | |
緑蔭に何を語らふ椅子二つ 君 江 | |
鷺森句会 六月例会 6/21(火) 於 宝谷宅 | |
席題 | |
揚げたてのコロッケ届き梅雨晴間 昌 子 | |
声通る白寿の尼主梅雨晴間 う み | |
子のまねる鴉の声や梅雨晴間 則 子 | |
髪束ね始まる一日梅雨に入る 早 苗 | |
屋根普請無事に終るや梅雨に入る 勢津子 | |
雑詠 | |
誘はれ草に着地の巣立鳥 昌 子 | |
濃あぢさゐ毘沙門堂の扉開く う み | |
茶だんごや宇治橋渡る親つばめ 則 子 | |
おおでまりゆらし飛び立つ雀かな 早 苗 | |
しののめの風に花藻のゆれてをり 勢津子 | |
大坂枚方句会 六月例会 6/7(火) 於 サンプラザ3号館 | |
孑孑の覗き見しては沈みけり | 幸 江 |
ほつかむり若き夫婦の植田かな | 郁 子 |
サングラス人類みんな美男美女 | 文 子 |
魂は天にあずけて昼寝かな | 征 子 |
かの国の紛争やまず羽抜鶏 | 正 和 |
おもたげに咲くあぢさゐに友しのぶ | 孝 子 |
尺取りの尺取る枝の寸足らず | 喜代美 |
窓辺に椅子青き六月見てをりぬ | 佳 子 |
鉄棒の子らは祭りに行くはなし | 方 城 |
大坂枚方第二句会 六月例会 6/19(日) 於 サンプラザ3号館 | |
席題「扇風機」 | |
肩書はただの主婦なり夏帽子 | 隆 子 |
ほうたるやあの子はいつも車いす | 惠 子 |
さくらんぼ含みて笑顔はじけけり | 利里子 |
新しき鍵あく音や西日差す | 征 子 |
食卓に猫の足跡梅雨湿り | 井 上 |
夕立やケーキを二つ買ひにけり | 嘉代子 |
曇りゆく庭の四葩は浮かびけり | 祐 子 |
南天の花の零して巫女の舞 | 漲 三 |
蛍火や辿る記憶のオムニバス | 眞理子 |
首振りを止めて俯く扇風機 | 方 城 |
大阪交野句会 六月例会 6/23(木) 於 交野会館 | |
席題「 田 植 」 | |
長梅雨に待ち受け画面傘ばかり | 香 美 |
風止んで急いで外す鯉幟 | 敏 彦 |
梅雨晴に干して騙されにはか雨 | 幸 子 |
万緑や傘寿の朝の万歩計 | 稀三郎 |
朝上がり田植機弾む起動音 | 玉 恵 |
竹の葉に主なき空の蝸牛 | 嶺 子 |
リハビリのコース変更植田道 | 方 城 |
東京句会 六月例会 6/25(土) 於 太田区民プラザ | |
阪田昭風名誉主宰吟 | |
らんちうの動くともなく動きをり | |
橋本爽見顧問吟 | |
城の蛇追はずにをりしお城守 | |
中島勝彦顧問吟 | |
木漏れ日をあをすじ揚羽ゆきもどり | |
中山仙命会長吟 | |
翡翠のホバーリングの刹那かな | |
名誉主宰特選 | |
石ひとつ置いて整ふ植田かな 和 夫 | |
橋本顧問特選 | |
十薬の道は補陀落浄土へと 仙 命 | |
中島顧問特選 | |
跨線橋渡りて戻る桜桃忌 怜 | |
中山会長特選 | |
蝲蛄を獲る子原始の顔となり 勝 彦 | |
自選句 | |
菖蒲田の白の一列暮れ残る 清 次 | |
愛犬の遺影に赤きカーネーション 悦 子 | |
梅雨晴間斜陽館より津軽富士 怜 | |
初鰹はりまや橋の夕明り ともはる | |
敦盛草青葉の笛の何処から 朋 子 | |
ドリアンの香に咽びをり梅雨はじめ 久美子 | |
炎天や侍像の黒光り 信 儀 | |
枝下す書架に明るさ戻りけり 山女魚 | |
東京目黒句会 六月例会 6/11(土) 於 目黒区住区センター | |
阪田昭風名誉主宰吟 | |
前山に靄棚引きて梅雨に入る | |
名誉主宰特選 | |
大辞典ほのかに湿る梅雨入かな 爽 見 | |
自選句 | |
初鰹母亡き母の台所 久美子 | |
秩父嶺を遠目に渡る夏の川 勝 彦 | |
はつ夏の海風時にカレーの香 久 子 | |
平凡に生きて贅沢茄子の花 近 子 | |
郭公とともに合宿菅平 倫 子 | |
母守りし里や十薬花盛り 東 音 | |
言ひ出せぬ胸の痞へや半夏生 治 子 | |
学生の上海より来五月晴れ 鈴 子 | |
蟻塚を掃いてひととき見てゐたり 仙 命 | |
東京八王子句会 六月例会 6/19(日) 於 高幡不動尊内 | |
日本の幸やあぢさゐ今盛り 東 音 | |
装束の折り目涼しき立行司 珠 子 | |
あぢさゐの毬は夜明けの海の色 邦 弘 | |
農家食堂ワンプレートに夏を盛り 啓 子 | |
山城の尾根の堀切り南風 三 郎 | |
病床の窓に揺れをり新樹光 賀 代 | |
梅雨寒や眼底覗く光学機 まこと | |
吊橋に一歩が竦む花空木 洋 子 | |
バーカウンターの白洲次郎の影涼し 惠 子 | |
へつぴり腰の幼の田植え苗五寸 秀 穂 | |
水嵩の定まる門田雨蛙 清 次 | |
東京武蔵野句会 六月例会 6/8(水) 於 御殿山コミュニティセンター | |
峡深き里の大寺合歓の花 東 音 | |
梅雨に入る弁財天の水明かり 勝 彦 | |
採血の目をそらす先ばら真白 咲久子 | |
池の面に繫く着水夏つばめ 秀 穂 | |
今ひととき五月つつじの飾る門 道 子 | |
膝寄せてはづむ子の声さくらんぼ 洋 子 | |
雨蛙小枝に座りご挨拶 和 枝 | |
桑の実を採るや脚立の夕日影 治 子 | |
百合の花父の法会に孫ひ孫 曈 生 | |
黄金虫はじめ嬉しき妻の留守 文 夫 | |
東京立川句会 六月例会 6/26(日) 於 東部会公会堂 | |
夕焼けて都庁ブルーのライトアップ 東 音 | |
萍や水面に山の空と雲 清 次 | |
菩提樹の花のこぼるる鐘撞堂 惠 子 | |
ハンブルグしばし母娘の夏の宵 孝 子 | |
熱中症のニュース騒がし梅雨晴間 まこと | |
立泳ぎグアムの海の一粟に 秀 穂 | |
東京小平さくら句会 六月例会 6/28(火) 於 花小金井南公民館 | |
いつになくひまはりの黄の濃き日かな 東 音 | |
あぢさゐに市に人出の戻る寺 清 次 | |
草も木も静もる庭や梅雨の月 翠 | |
黄菖蒲や老人ホームの門灯し 加代子 | |
足止まる小町娘と言ふ菖蒲 陽 子 | |
名も知らぬ花も盛りの夏野かな 須美子 | |
五月雨のはじまりは目の検査の日 歌 蓮 | |
緑陰の中に寝そべる羅漢かな 孝 明 | |
梅を干す日がな風呼ぶ鷹の道 利 博 | |
東京ミモザ句会 六月例会 6/21(火) 於 俳句文学館地下研修ホール | |
兼題…梅雨曇 | |
梅雨曇り人の定めの浮き沈み 爽 見 ゆらぎゐる水平線や梅雨曇 勝 彦 | |
墨東に荷風飄飄梅雨ぐもり 怜 | |
梅雨曇古刹禅寺へ歩をのばし 仙 命 | |
梅雨曇あの世この世の人思ふ 近 子 | |
梅雨曇西の空から重き雲 朋 子 | |
梅雨曇嫗ひしめく露天風呂 爽 恵 | |
鬱ですと告ぐる学生梅雨曇 倫 子 | |
梅雨曇りガレのランプに灯を点す 研 二 | |
雑 詠 | |
ラムネ飲み干したる瓶の重さかな 爽 見 | |
疲れ鵜の見つめる闇の深さかな 勝 彦 | |
田を掻いてゆうべセロ弾く農夫A 怜 | |
町なかの川に太りし通し鴨 仙 命 | |
花桐や形見の大正琴を弾く 近 子 | |
うなぎ屋に年に一度のリピーター 憲 勝 | |
もじずりの捩れを解ひてやれたなら 朋 子 | |
竹の花わすれた頃に来た手紙 爽 恵 | |
梅雨晴や養老川とチバニアン 倫 子 | |
無頼にはとうとうなれず夕端居 研 二 | |
川越句会 六月例会 (土) 於 ウエスタ川越 | |
渓深し寄りて離るる夜振りの火 勝 彦 | |
噴水は雲押し上げて消えゆけり 東 音 | |
ほととぎす夜明の空を低くせり 清 次 | |
滝落つる音は空へと昇りけり 文 夫 | |
しらびその森の日照雨や苔の花 博 光 | |
配点は実技に重くレモン水 治 子 | |
鱧料理暖簾を下ろす老夫婦 ともはる | |
十薬が庭を狭しと咲いてをり 和 子 | |
五千尺の開山祭のホルンかな 信 儀 | |
湘南句会 六月例会 6/1(水) 於: 茅ヶ崎商工会議所 | |
遠き日のとほきままなる青嶺かな 憲 勝 | |
露座仏の御目掠めて夏燕 正 弘 | |
植木屋と三社祭の話など 怜 | |
シロップにするか漬けるか実梅摘む 醇 | |
やんばるの一本道に初夏の風 京 子 | |
老鶯の姿なきこゑ谷戸の奥 君 代 | |
老鶯やケーブルカーの始発駅 通 幸 | |
ほととぎす鳥海山を高くせり 清 次 | |
母の日の写真は若き日のままに 富 治 | |
初螢谷戸に星座のうまれけり 和 夫 | |
老鶯や久々に会ふ山仲間 千恵子 | |
クレヨンの黄を使ひきる麦の秋 邦 弘 | |
和歌山句会 六月例会 6/12(日) 於: 県民文化会館 | |
目高の子手品の如く身を隠す 真生子 | |
夕立の雨宿りして仲直り 泰 坊 | |
夕立来て言はずじまひの帰り道 薫 | |
雨上りひときは清き山法師 智 子 | |
水無月や色鮮やかに草木花 淳 子 | |
夕立あと水溜まりよけケンケンパ 志 信 | |
夕立来て傘カラフルに行き交へり 章 子 | |
朴咲くや禍福転じる話など 良 精 | |
西条句会 六月例会(通信句会) 6/20(月) | |
緑蔭や枝に忘れ物吊し 隆 を | |
残照にかがやく海やポピー咲く 満 子 | |
充ち足りて一人の時間走り梅雨 安 恵 | |
渋団扇置き場はいつも爺の席 一 耕 | |
百坪に足らぬ棚田の畦を塗る 孝一郎 | |
雑草の中に匂へる花蜜柑 ゆふし | |
岡山句会 六月例会 | |
兼題・・・梅雨 | |
木道の果てなる夕日閑古鳥 篤 子 | |
向日葵や昨日と同じ今日の空 みどり | |
短夜や姿勢正して歎異抄 紀久子 | |
十連の水車水吐く田植えどき 節 子 | |
摘芯す朝な朝なの瓜の蔓 収 子 | |
おしゃれして素跣の爪にミニアート 桂 子 | |
短夜に絵は語らふか無言館 和 恵 | |
遺る絵の天分惜しむ梅雨の星 敏 子 | |
秘めごとは螢袋の中にあり つとむ | |
夏雲や海を眼下の美術館 弘 子 | |
奈良飛火野句会 六月例会 6/19(日) 於 奈良女性センター | |
時鳥しきりに聞こゆる北の窓 和 子 | |
新緑の若草三笠春日山 敏 子 | |
先達の軽やかな礼衣更ふ 定 慧 | |
橋の上に子等の犇く蛍の夜 洋 子 | |
雨あがりなぜか楽しみ草むしり 稔 子 | |
若き日やラムネの泡のほとばしり 千 晶 | |
令和4年 8月号 | |
枚方句会 五月例会 5/3(火) 於 サンプラザ3号館 | |
紫陽花の奥に遺影のほほ笑みぬ | 博 女 |
番地ある辻の地蔵のうららけし | 幸 江 |
衣更人も景色も軽くなり | 郁 子 |
転寝に人の声ある穀雨かな | 征 子 |
淀川の渡し場跡や猫柳 | 正 和 |
一人旅小さき花のあとを追ふ | 孝 子 |
里山の風をたらふく鯉のぼり | 方 城 |
京北下中こぶし句会 五月例会 5/11(水) 於 下中公民館 | |
才野主宰 吟 | |
試着してひとつに決めて夏立つ日 | |
寺小屋の跡の石碑や苔の花 | 伊都子 |
ワンタッチ傘は花柄走り梅雨 | 節 子 |
葱坊主通学児らの遠退きて | 恒 子 |
薫風や萌黄に染まる峠路 | 君 江 |
武蔵野句会 五月例会 5/11(水) 於 御殿山コミニュティセンター | |
浮草の花に句心預けをり | 東 音 |
水の辺のベンチに夏の匂かな | 勝 彦 |
春愁や波長乱るる心電図 | 咲久子 |
たもとほるハモニカ横丁新茶買ふ | 秀 穂 |
時計草垣根に咲きぬ登校子 | 道 子 |
蝶の追ふ園児の帽子列はじけ | 洋 子 |
五月晴三年越しのコンサート | 和 枝 |
風青し四万十川の沈下橋 | 治 子 |
高原の風を友とし四十雀 | 克 彦 |
卯の花やどの道ゆくも雨もよひ | 文 夫 |
目黒句会 五月例会 5/14(土) 於 目黒区住区センター | |
阪田名誉主宰 吟 | |
麦の穂に雨の滴綺羅なして | |
阪田名誉主宰 特選 | |
新茶飲み祖母百歳の命閉づ | 治 子 |
子らも来て賑はふ田植過疎の村 | 久美子 |
蘆若葉の気息を身にまとひ | 久 子 |
母の日のカーネーションの白さかな | 倫 子 |
風かをるフルーツパーラー大のれん | 鈴 子 |
夏野行く子の新しきスニーカー | 近 子 |
ふるさとの空港胸を打つ薫風 | 爽 見 |
薫風や太陽見たしと戦禍の子 | 東 音 |
からくにに所縁の湖西かげろへる | 仙 命 |
川勝句会 五月例会 5/15(日) 吟行 かじか | |
才野主宰 吟 | |
木の間より見ゆる五月の空青し | |
才野主宰 特選 | |
サテンめく少女の素肌聖五月 | 友 梨 |
朝の日にかがやく風や聖五月 | き ぬ |
木下闇抜けて川面の輝けり | 鈴 枝 |
病み伏して人恋しさに初夏の風 | 久 代 |
さざ波となる笑ひ声風五月 | 朋 子 |
老鶯やこぶし回して山包む | 幸 子 |
壬生寺に笛ひびかせて楠若葉 | トモ子 |
スカートの折り目正しく聖五月 | 美 幸 |
心地良く緑はき出す神の山 | 志保子 |
令和4年 7月号 | |
黎明句会 四月例会 4/23(土) 於 ラポール京都 | |
兼題 「泡」 | |
才野主宰 吟 | |
目つむりて身を囀で満たしけり | |
才野主宰 特選 | |
春愁や紅の移りしティーカップ | 利里子 |
自選句 | |
清明やたゆたうて涌く宮の水 | 勢津子 |
幣ゆるる牛の背や風光る | 布美子 |
逃げ水を追つてハーレーダビッドソン | 胡 蝶 |
万人の受けは願はぬ雪柳 | 小 鈴 |
学校の門病院の門桜咲く | 紫 陽 |
野遊やをさなの好きな泡ソープ | 龍 司 |
もぐる海女泡の柱を深く引く | 謙 三 |
石白き杜の奥の木木芽吹く | 美 沙 |
ヴィオロンの響く神社や若葉風 | 志津子 |
晩春や駄菓子屋の戸の開いてをり | そよ女 |
和歌山句会 四月例会 4/17(日) 於: 県民文化会館 | |
粉河寺歩む新婦に百千鳥 | 真生子 |
花の門恩師の歌碑の紀三井寺 | 泰 坊 |
手を振れば入学の吾子目をそらす | 薫 |
いつからか苦みが旨し目刺焼く | 智 子 |
ぎこちなく歩く姿や入社式 | 淳 子 |
桜散り川面に積もる花絨毯 | 志 信 |
引波やラインダンスの目刺揺る | 良 精 |
湘南句会 四月例会 4/6(水) 於: 茅ヶ崎商工会議所 | |
席題 「花冷え」 | |
竹炭を焼く匂ひして春の山 | 憲 勝 |
初島へ出船の汽笛うららけし | 富 治 |
花冷えや膝に猫置く蚤の市 | 怜 |
里は雨山は斑雪の甲斐の国 | 清 次 |
海沿ひに張り出し春のカフェテラス | 京 子 |
花冷えのひと日抒情歌聞きをりぬ | 和 夫 |
若き日を乗せし江ノ電春をゆく | 君 代 |
露の身にあといくとせの桜かな | 通 幸 |
人生に似てほろ苦し蕗の薹 | 昌 夫 |
子らの顔春なほ寒きウクライナ | 醇 |
桜散りお堀の水もピンクなり | 千恵子 |
三月の日を弾きたる雑木山 | 邦 弘 |
令和4年 6月号 | |
本部句会 三月例会 3/12(土) 於 ラポール京都 | |
才野主宰 吟 | |
せはしなく消ゆる水輪や春の雨 | |
才野主宰 特選 | |
水紋は風のあしあと春の池 | 布美子 |
自選句 | |
春日影動くがごとき東山 | 勢津子 |
カーテンが気に入りらしい春の風 | 方城 |
春眠し宿題に顔伏せしまま | 利里子 |
日の丸を掲ぐ三月校門に | 小鈴 |
仙人の隠りし洞や百千鳥 | 胡蝶 |
初蝶に息合はせをり昼の庭 | 隆子 |
初雛にそろりとふるる幼かな | 彩子 |
新聞の戦の文字や春寒し | そよ女 |
令和4年 5月号 | |
東京方面合同新年句会(通信句会)
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才野主宰 吟 | |
人日のていねいに拭く眼鏡かな
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阪田名誉主宰 吟 | |
一月の満月小さく締りをり | |
中島同人会長 吟 |
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寒雀あそぶ日向の消えやすく
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橋本顧問 吟 | |
一人居の書架の隅より初明り
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中野顧問 吟 | |
愛らしき少女の仕草御慶の子
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磯部副会長 吟 | |
三代で遊ぶお手玉日脚伸ぶ
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中山副会長 吟 | |
三日はや代参の子の京へ発ち | |
才野主宰 特選 | |
天 武蔵野の眩しく展け大旦 | 珠 子 |
地 割烹着に春着の袖を納めけり | 咲久子 |
人 手のひらにつつむ命や寒卵
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勝 彦 |
阪田名誉主宰 特選 | |
天 手のひらにつつむ命や寒卵 | 勝 彦 |
地 初雪や天よりとどく妻のこゑ | 爽 見 |
人 初夢や未だ見ぬ句碑へ急ぎをり
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道 子(伊藤) |
中島同人会長 特選 | |
割烹着に春着の袖を納めけり
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咲久子 |
橋本顧問 特選 | |
紅の小さき闘志や冬季の芽
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洋 |
中野顧問 特選 | |
ふるさとの空をあがめる三ケ日
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通 幸 |
磯部副会長 特選 | |
あらためて友の遺句集読初に
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仙 命 |
中山副会長 特選 | |
惑ひつつ若き二人の年用意 | 久美子 |
自選句
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冬眠の丸まつているいのちかな | 研 二 |
初凪や七島見ゆる爪木崎 | 山女魚 |
晴れやかに多摩の山並大旦 | 翠 |
煩悩が余韻の中に除夜の鐘 | 三 治 |
幼な児の小さき手小さき雪だるま | 朋 子 |
買初の和紙のあれこれ鳩居堂 | 洋 子(佐藤) |
若水や未だ明けやらぬ釣瓶井戸 | まこと |
元朝の空はピカソの青なりし | 怜 |
水仙や島一望に晴れわたり | 美智子 |
冬の字に似し藁帽子寒牡丹 | 邦 弘 |
開かむと火種のごとし冬薔薇 | 憲 勝 |
朝日差す家並に満つる淑気かな | 和 夫 |
年の夜の星美しき法の山 | 清 次 |
ぐいのみやちよつとほら吹く年忘 | 文 夫 |
若水や琵琶湖疎水の南禅寺 | ともはる |
紀の国の日差し遍し柿すだれ | 洋 子(大西) |
谷足に記憶戻れるスキーかな | 治 子 |
寒椿日かげ日なたの雀どち | 久 子 |
初能の管弦響く熊野の舞 | 道 子(藤沢) |
三が日笑ひ皺のみ増えてをり | 爽 恵 |
薄日さす巨岩に迫る冬の海 | 信 儀 |
寒晴や見慣れし街を走者ゆく | 悦 子 |
古里へ機雲伸びるや初御空 | 富 治 |
語るやう句友勤しむ実千両 | 啓 子 |
初墓参湾輝ける鎌倉に | 君 代 |
ぎこちなく読む末孫とかるた取り | 惠 子 |
冬耕やわが影にくさび打ち込む | 秀 穂 |
葉牡丹にきらりダイヤのひと雫 | 歌 蓮 |
托鉢の僧侶に出会ふ五日かな | 加代子 |
年賀状投函できずに年を越え | 詔 義 |
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