会員、同人の他誌・俳句誌掲載


2024年 「俳句四季」2月号に、嵯峨野高嶺集・中村優江(まさこ)同人の

作品8句が掲載されました。

 

  

               中村優江(嵯峨野)
  桜餅
  夫の手の大きと思ふ桜餅
  福助の鼻のあたりや春の塵
  砂日傘大空包みたたみけり
  にはとりが覗いてをりぬ日向水
  名水をふふみて月の客となる
  先生に逢ひたき茶の花日和かな
  棟梁の目立たぬ色の冬帽子
  日に干してしみじみ大き父の足袋

 

 

 


2023年 角川「俳句」11月号に、嵯峨野高嶺集・植松紫魚同人の

作品七句が、クローズアップに掲載されました。

 

  盗人狩

              植松紫魚 (嵯峨野)

 

  毒だみの藪を車が出てゆきぬ

  すひかづら入江の崖の地層見ゆ

  人知れず浜豌豆の盛りなり

  磯波や千畳敷は風死して

  萱草や鳶飛び立つ風の中

  向日葵の隙からも波見えてをり

  盗人狩高きところに舟虫が


2022年「俳句界」5月号に嵯峨野・中野東音顧問の作品十句が掲載されました。

 

    木の芽浄土

                 中野東音 「嵯峨野」

 

   橋脚を洗ふさざ波春立ちぬ

   三椏の花晩鐘にひらきけり

   みちのくへ車窓に野火の上がりけり

   やまびこ号降りてふるさと花月夜

   春の海向かひさらりと被災談

   ことぶれに木の芽浄土の日の光

   雨粒のふつくらはしる藤の花

   むさし野に龍太忌の月上りけり

   薄氷や戦火のくにを近くして

   風負うてくぐる山門春惜しむ

  


2022年「俳句界」4月号に嵯峨野・磯部洋子副会長の作品六句が掲載されました。

 

   道 程              

                磯部洋子 「嵯峨野」

 

  天平の甍や花の七重八重

  子の逝きてよりの月日を桜かな

  山墓の七基花散る中にかな

  風光るセーヌ河畔の係留船

  囀やホテルの小さき窓開けて

  オルセーの駅舎の時計つばくらめ

 


2022年「俳句界」4月号に嵯峨野・橋本爽見顧問の作品十句が掲載されました。

 

   百千鳥

           橋本爽見 「嵯峨野」「九水会」

 

  咲ききつて闇美しき桜かな

  田の神も辻の地蔵も春の泥

  片恋を洩らさるる刀自落椿

  吾よりも吾を知る妻山笑ふ

  百千鳥太古の風の古墳群

  荒鋤きの土塊乾く日永かな

  花冷をうなづき合うて帰りけり

  菜の花の終着駅でありにけり

  一村に夕日あまねし雁帰る

  春深しピアノの上の砂時計