昨年、標題の大会を初めて開催致しましたところ、全国から(句会のない地区からのご参加も含め)沢山の会員の皆様にご参加いただき、お陰様で、ご好評をいただきました。本年も、以下の要領で開催させていただくこととなりました。
お蔭様で第1回とほぼ同じご参加者から、投句をいただき、締切ました。ご参加いただき有難うございました。
ご参加の皆様及び大会選者の皆様へは、清記集と選句票をお送りしておりますので、よろしくお願いいたします。
第2回嵯峨野全国通信俳句大会 実行委員長 梅原清次
第二回「嵯峨野」全国通信俳句大会 大会記 | ||
告知 嵯峨野誌及びH・P 応募締切 八月三十一日 選句締切 九月三十日 | ||
全国の「嵯峨野」の会員・同人に加え、より広く「嵯峨野」へ入会・体験入会をご検討の皆様へも門戸を広げ、郵送に加えメールによる投句・選句にも途を拓き、去年に引続き第二回「嵯峨野」全国通信俳句大会を企画しましたところ、北は北海道から南は九州まで全国十七都道府県の方からご参加頂きました。誠に有難うございました。 | ||
一、才野主宰挨拶 | ||
嵯峨野全国通信俳句大会も今年で二回目になりました。お世話を頂きました役員の皆様には厚くお礼申し上げます。 今年の通信大会においては五十四名の方が参加されて、内三十七名の方が四月の全国俳句大会に出席しておられなかった方と言うことで、「対面による全国俳句大会に出席できない人にも、嵯峨野全国大会を体験して頂く」という当初の目的は果たされていると言って良いでしょう。そしてオープン参加の方も一人おられるとのことで、それも嬉しいことです。また聞くところによると幹事さんが積極的にお声がけをして頂いた地区句会があるそうで、「地区句会の結束の向上」という当初予定していなかった効果も現れているようです。 この通信俳句大会が嵯峨野俳句会の活性化にますます役立っていくことを祈るばかりです。 |
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二、選者大会句 | ||
才野主宰詠 | ||
錦秋の空いち枚の青さかな | ||
阪田名誉主宰詠 | ||
初秋の木立静かにゆれてをり | ||
中山仙命同人会長詠 | ||
雨冷えの高原行くも乙な旅 | ||
𠮷田鈴子同人会副会長詠 | ||
今日一日の良きこと数へ虫の夜 | ||
磯部洋子高嶺集同人詠 | ||
秋澄みてポプラ並木の高さかな | ||
北尾鈴枝高嶺集同人詠 | ||
子の部屋に古りしラケットつづれさせ | ||
三、大会入選句 | ||
主宰特選五句 | ||
外壁に残る亀裂や原爆忌 築山ふみ女 | ||
この「亀裂」は必ずしも原爆による亀裂と考えなくても良いでしょう。それだけ長い年月が流れたと言うことの象徴、及び人々の悲しみの象徴として捉えました。 | ||
しなやかに小指のたちて祭笛 本多ひさ女 | ||
「小指の立ちて」に観察の丁寧さがうかがえます。また「しなやかに」の措辞が巧く使われています。それだけ演奏技術が卓越していると言うことでしょう。 | ||
甚平着て杖を探してさて行くか 益田 富治 | ||
「て」の連用は句を軽くするので避けるべきとされていますが、この句では逆にそれが巧みに使われています。「さて行くか」の締めが良いですね。 | ||
秋高し孫最終のバトン受く 澤田 治子 | ||
単に「バトン受く」でなく、それが「最終の」であることで緊迫感があります。「秋高し」とも相俟って、運動会の熱戦が感じられます。 | ||
昭和から響くサイレン終戦忌 田中土岐雄 | ||
「昭和を思い起こすサイレン」と言わずに「昭和から響くサイレン」と言い切ったことが、「終戦忌」の季語と合っています。作者の思いが溢れています。 | ||
主宰入選十句 | ||
笑みもまた添ふるトマトの直売所 二見謙治 | ||
炎帝の座して動かぬ兜町 益田富治 | ||
新盆や母の匂ひの古畳 相良研二 | ||
松手入れ終へし庭師の影長し 村岡和夫 | ||
ふところをとぶ絵団扇の赤とんぼ 梅原惠子 | ||
冬瓜の胡座をかいて一輪車 岡本清子 | ||
子らの声聞いて唐黍焼きはじむ 河村里子 | ||
靴音の癖も子が継ぎ盆の月 水科博光 | ||
雪問へばいともたやすく五尺てふ 伊藤泰山 | ||
木漏れ日や盥の西瓜揺れてをり 山本信儀 | ||
名誉主宰特選五句 | ||
光り合ふ庭の新樹の雨滴 佐藤 洋子 | ||
一読して初夏の木立のみずみずしさが、眩しい「雨滴」を焦点として浮かび上がってくる。『新樹』の生命力が詠出されていて気持ちがいい。 | ||
新涼の万年筆に文字生まる 水科 光 | ||
「新涼」の季語が、下十二と響き合って見事である。紙の白さにインクの青。どんな文字などと想像もひろがっていくようだ。 | ||
土臭き拳で拭ふ農の汗 伊藤 泰山 | ||
農作業中であろうか、「汗」の農夫を活写して有無を言わせぬ力がある。ここには労働の尊さが詠出されている。 | ||
子らの声聞いて唐黍焼きはじむ 河村 里子 | ||
子供中心のあたたかい家庭が浮かびあがってくる。香ばしい「唐黍」の香りが辺りにまで漂って来るようだ。 | ||
晩涼や瞬き初むる離島の灯 高畑 由紀 | ||
暑い一日も暮れかけてひとしお涼気が心地よくなってきた。郷愁を誘う「離島の灯」も「瞬き初」めたというのである。 | ||
名誉主宰入選十句 | ||
星月夜積木のごときビルの街 中谷廣平 | ||
松手入れ終へし庭師の影長し 村岡和夫 | ||
空蝉は風のうてなに置いてやる 池田洋子 | ||
句を詠みて句に支へられ百日紅 甲斐梅子 | ||
すくも焼く煙や白き秋の果 浅見まこと | ||
少年は折鶴手向け原爆忌 塩出 翠 | ||
お囃子を聞けば手足の踊りだす 石浜邦弘 | ||
とんぼ飛ぶ大空にある滑走路 石浜邦弘 | ||
しなやかに小指のたちて祭笛 本多ひさ女 | ||
ひぐらしや釣り人に川暮れ残り 清水山女魚 | ||
中山仙命同人会長入選十句 | ||
辻奔る山車にわだつみ漁の町 柴田久美子 | ||
ふところをとぶ絵団扇の赤とんぼ 梅原惠子 | ||
四温晴威風堂堂浅間噴く 澤田治子 | ||
新涼やガラスペンもて書く手紙 石浜邦弘 | ||
冬瓜の胡座をかいて一輪車 岡本清子 | ||
ドアのベルくわらんと鳴るや秋のこゑ 田中土岐雄 | ||
前傾の祖母の下駄の歯春疾風 澤田治子 | ||
靴音の癖も子が継ぎ盆の月 水科博光 | ||
雪問へばいともたやすく五尺てふ 伊藤泰山 | ||
白神の青池碧し秋茜 藤明満子 | ||
𠮷田鈴子同人会副会長入選十句 | ||
光り合ふ庭の新樹の雨滴 佐藤洋子 | ||
惜春やかすかに湿る登り窯 栁瀨彩子 | ||
雛飾る一段ごとの思ひかな 中島三治 | ||
抽斗の奥の暗さや夏至の雨 中島文夫 | ||
行く夏やゆるき鼻緒の宿の下駄 佐藤洋子 | ||
しなやかに小指のたちて祭笛 本多ひさ女 | ||
あぶら照りをとこも傘を差してをり 石山 醇 | ||
九体仏ずらりと在す堂涼し 井上美代子 | ||
横切りて風を残すや赤蜻蛉 高畑由紀 | ||
望の夜の方𠀋に聴くチェロソナタ 松尾憲勝 | ||
磯部洋子高嶺集同人入選十句 | ||
敗戦忌兄出征の顔今に 名島靖子 | ||
惜春やかすかに湿る登り窯 栁瀨彩子 | ||
新盆や母の匂ひの古畳 相良研二 | ||
新涼やガラスペンもて書く手紙 石浜邦弘 | ||
句を詠みて句に支へられ百日紅 甲斐梅子 | ||
五月雨や城跡にたつ合戦図 本多ひさ女 | ||
よく吠ゆる犬逝きしかや地蔵盆 柴田久美子 | ||
鯛よりも特等席の秋刀魚かな 塩路桂風 | ||
生き方を変へてみようか大糸瓜 岡本清子 | ||
稲の香や幟はためく村社 森谷留美子 | ||
北尾鈴枝高嶺集同人入選十句 | ||
惜春やかすかに湿る登り窯 栁瀨彩子 | ||
空蝉は風のうてなに置いてやる 池田洋子 | ||
今朝秋の祈りのごとき風の声 池田洋子 | ||
外壁に残る亀裂や原爆忌 築山ふみ女 | ||
ひと色に風つのらせし風車 井上美代子 | ||
会釈して案山子と気づく遠棚田 中谷廣平 | ||
晩涼や瞬き初むる離島の灯 高畑由紀 | ||
ひぐらしや釣り人に川暮れ残り 清水山女魚 | ||
流燈に潮の道ありすべりゆく 佐野弘子 | ||
横切りて風を残すや赤蜻蛉 高畑由紀 | ||
四、自薦句アイウエオ順(但し互選を優先) | ||
春雨や白き泡浮く潦 泉 葵堂 | ||
杉玉の軒にかぐはし寒造 今泉藤子 | ||
高原の空の輝き秋来る 鵜飼三郎 | ||
三画目の払ひは長く大文字 梅原清次 | ||
恙無き朝のパンなり梅雨明くる 太田 稔 | ||
沈黙のひとときありて霊送 川上桂子 | ||
日中の日の照り返し風は秋 北村加代子 | ||
野趣の湯に待ちて朝焼け南部富士 坂戸啓子 | ||
指先の茎柔らかや蓬摘み 新庄泰子 | ||
赤とんぼ一人バス待つ停留所 竹内久子 | ||
月涼し酒蔵に聞くコンサート 田中京子 | ||
野球帽ひさし後ろに日焼けの子 谷中こ夏 | ||
空青く海の青くて帰省かな 天野 苺 | ||
どの家もあさがほ咲いてゐた昭和 中村優江 | ||
片手には小型ファン持つ浴衣の娘 二見歌蓮 | ||
旅の途の茅の輪くぐりや漁師町 町田珠子 | ||
晩学に句友の恵み月清か 南 進一 | ||
ときめきは遠き日の夢夕月夜 山田正弘 | ||
草千里食みゆく牛へ風涼し 和田秀穂 | ||
五、大会後記 | ||
今般の第二回大会には第一回大会の五十三名を一名上回る五十四名の方より佳什百六十二句をお寄せいただき、誠に有難うございました。 | ||
大会作品集を別途作成し、誌面の関係で一部省略した選者選評、互選選評、主宰による添削指導を掲載し、参加の皆様に郵送しております。また入選七十句の方へは賞品の図書券を同封しておりますのでご査収下さい。参加者以外の方で大会作品集をご希望の方は左記実行委員にお申し付けください。 | ||
嵯峨野俳句会は旧仮名遣いを基本としております。出句の際には辞書に当たるなどご確認ください。尚オープン参加の方の仮名遣いはこの限りではありません。 | ||
参加者からお寄せ頂いた貴重なご意見を参考に次回大会をより良いものにして参りたいと存じます。 (村岡和夫記) | ||
大会実行委員長 梅原清次
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第四回小・中学生俳句募集には八名十六句が寄せられました。いずれも新鮮な感覚で自分の生活を切り取った作品で、読んでいて楽しくなります。ここに作品を寄せてくださった皆が、これからも俳句を楽しんでもらえることを、期待します。
大賞
友だちにとられ祭のいちごあめ 武田小春
「祭」の季語が効いています。
「祭」があるからこそ、この事件の起こる前の、
楽しい情景も読者の頭に浮かんできます。
佳作
炎天の中タイムリーベスト4 中村維千太
野球の試合でタイムリーヒットが出たのでベストフォーまで行けたのですね。
動詞や形容詞が無く、名詞と助詞だけで句が構成されているところに力強さを感じます。
その他の作品から
スイカバー急いで食べて知覚過敏 武田一花
「知覚過敏」という難しい言葉が上手く使われています。
冷たさで頭が痛くなったのですね。
かき氷いろんな味ありまようぼく 中村鷹次朗
素直な感想が表現されています。
カラフルなかき氷が読者の目に浮かんできて、楽しくなります。
夏ぼうしみんなかぶってかくれんぼ 中村みくに
「みんな」が良いですね。
日差しの強さも、友だち同士の仲の良さも感じられます。
なつのかわいしなげしたらはねあがる 中村よしまる
石投げを楽しんだ心が素直に出ています。
「はねあがる」は、気持ちも上がったことも意味しているのでしょう。
水ふうせんなげ合い勝負びしょぬれに 原咲夢
夏ですから、びしょぬれになっても気持ち良かったことでしょう。
勝ち負けにかかわらず楽しかったことでしょう。
ハチマキし切磋琢磨す夏期講習 山本花凜
このごろは小学生も大変ですね。
「ハチマキ」の言葉で具体的な情景が見えてきます。
恒例の俳句大会、本年は京都にて、好天に恵まれ、この日を待っていたかのような晴天と満開の桜に迎えられての
開催となりました。嵯峨野同人会総会に続き、俳句大会(年度賞の表彰と大会句表彰)が行われました。
開 催 日 : 令和6年4月6日(土)
開催場所: からすま京都ホテル
翌日吟行:「京都鉄道博物館」と「梅小路公園」が実施されました。
詳細は以下、報告させていただきます。 嵯峨野俳句大会 実行委員長 栁瀨彩子
令和六年(2024)度嵯峨野俳句会報告
日時: 2024 年(令和六年)4月6日(土) 13:00より
場所: からすま京都ホテル
第一部 嵯峨野同人会総会・嵯峨野総会
令和五年度事業報告、令和六年度事業計画ともに承認されました。
第二部 俳句大会 14:00 ~ 15:30
司 会 : 大野布美子さん、本多ひさ女さん
開会の言葉: 栁瀬実行委員長
物故者への黙祷: 故 奥田 早苗様、故 吉岡 杏花様
才野主宰挨拶: 要約
「桜がちょうど満開となった美しい京都で、51名の会員・同人とご来賓を迎えて、
今年も俳句大会を開催することができ、大変うれしく感謝申し上げます。
ただ、残念なのは、コロナ禍前の90名余の参加人数と比べると大幅に減っ
たことです。コロナ禍の四年間で、これまで俳句大会に参加してくださった
方々が亡くなられたり、外出する機会が減ったことで引き続き外出しにく
くなっていることがあると思われます。
一方、新しい力が出てきていることも事実です。今回の大会を実際に切り盛りしてきた、
栁瀬大会実行委員長はじめ、投句受付の平林さん、初めて参加の桃山句会三人娘
(仲野さん、髙橋さん、築山さん)など、実行委員全員がベテランも初めての方も、
新しい力でがんばってくれました。
また、嵯峨野賞新人賞の田中土岐雄さんはとても良い句をつくられ、参加され
ている句会でも大きな刺激を与えてくれています。
こう考えると、令和六年は新しいスタートの年であり、この大会は新しい時代
を担う大会と言ってよいのではないでしょうか。嵯峨野のみなさまのますますの
ご健詠を期待しております。」
ご来賓祝辞: 文学の森 出版部部長 荒中 夏樹 様
「福岡本社から京都へ参りましたが、大変な人出に圧倒されました。
現在、俳句結社は二週間に一社が閉刊するという厳しい状況です。
その主な理由は会員の高齢化、主宰交代の失敗などが挙げられます。
しかしながら、本日、才野主宰のお話をお聞きし、会場の雰囲気をうかがい
ますと「嵯峨野」は若い力が出てきており、まだまだ大丈夫と感じました。
10年前、私が初めて嵯峨野俳句大会にお伺いした時に阪田主宰(当時)が
おっしゃっていた「俳句に出会えて良かった、という思いを共有したい」
とのお言葉を忘れることができません。
弊社も月刊誌「俳句界」をはじめとした施策を通じて、俳壇を盛り上げて
いけるよう努めてまいります。」と、力強いエールをいただきました。
続いて、新同人の発表: 中山同人会長
新同人は以下のとおり。(敬称略)
・高嶺集同人 三名 ( 石堂 初枝、金子 敏乃、三村 昌子 )
・月光集同人 五名 ( 青木 謙三、秋山 順子、増田多喜子、柳爽 恵、山岡 千晶 )
・若竹集同人 十名 ( 板谷 勉、今泉 藤子、大塚志保子、小畑 順子、佐藤 洋子、
鈴木とみ子、長野 泰子、野島 玉恵、望月 郁子、渡邊 秀峰 )
さらに、「令和五年度嵯峨野賞・同新人賞の発表・表彰」
才野主宰から賞状と記念品の贈呈、
受賞者は以下のとおり。(敬称略)
・嵯峨野賞 入賞作「新酒酌む」中谷 廣平
・嵯峨野賞 秀作 「冬銀河」 𠮷田 鈴子
・嵯峨野賞 佳作 「四季」 中島 文夫
・嵯峨野新人賞 入賞作「湖国点描」田中土岐雄
・嵯峨野新人賞 秀作 「春を待つ」築山ふみ女
・嵯峨野新人賞 佳作 「四国巡り」藤沢 道子
・嵯峨野新人賞 佳作 「冬送る」 水科 博光
その後、「大会作品成績発表・表彰」:
主宰 特選五句・入選十五句、
阪田名誉主宰 特選五句・入選十句、
中山同人会長 入選五句、
互選高得点句十句が、
磯部洋子さん、北尾美幸さんの披講により発表され、それぞれの作者には、
主宰、名誉主宰、同人会長より賞品が授与されました。
さらに、主宰、名誉主宰からは特選句について、中山会長からは入選句についての
講評があり、参加者一同大いに学ぶこととなりました。
「句集上梓者慶祝」: 島本方城さんの「影絵の狐」
島本さんは、現在病床におられ、一日も早いご恢復を皆でお祈りしました。
「主宰より感謝」:会員勧誘功労者七名に対して主宰から記念品の贈呈
会員勧誘功労者と勧誘者数は、以下のとおり。(敬称略)
中村 優江 五名、𠮷田 鈴子 三名、島本 方城 二名、小國 裕美 一名、
柴田久美子 一名、天野 苺 一名、吉岡 裕世 一名
「閉会の言葉」: 栁瀬実行委員長
記念写真の撮影をもって大会は無事終了しました。
第三部 懇親会 16:15 ~ 17:50
懇親会は、𠮷田鈴子さん、天野苺さんの司会進行。
才野主宰の開会挨拶の後、橋本爽見顧問の乾杯のご発声でスタートしました。
美味しいお料理をいただきながら、各地句会の様子は、参加者の自己紹介を交
えながらご披露いただきました。
その後、今回ご参加いただけなかった、京都京北下中こぶし句会、奈良飛火
野句会、和歌山句会の開催状況や近況など、お手紙でいただいた内容が紹介されました。
また、有田十六夜句会の名島靖子さんから故吉岡杏花さんの追悼文が紹介され村山古郷作詞、
吉岡杏花作曲の「くず湯吹くや」が披露されました。
最後に、来年の大会について、中山仙命 令和七年度大会実行委員長から、
概要が発表されました。
・日時 令和七年四月五日(土)
・場所 東京・蒲田「プラザ・アペア」
・吟行 「池上本門寺界隈」
参加者は、来年東京での再会を誓いながら、栁瀬実行委員長の「閉会の言葉」
をもって和気あいあいとした中でお開きとなりました。
令和六年度 嵯峨野俳句大会吟行入選句 | ||
才野 主宰 吟 | ||
名にし負ふ梅小路てふ園の春 | ||
開場を待ちきれぬ列春休み | ||
機関車の顔それぞれにうららけし | ||
阪田 名誉主宰 吟 | ||
異国語の飛び交ふ古都や桜咲く | ||
機関車の車輪大きや風光る | ||
ジオラマに童心もどる花の昼 | ||
才野 主宰 選 十句 | ||
入選 | 伝言板のこる駅舎に春惜しむ | 大野布美子 |
入選 | 風光る大正の代の旧駅舎 | 中山 仙命 |
入選 | 機関車の吐き出す煙風光る | 植松 紫魚 |
入選 | SLの十分間の花見旅 | 鵜沼 龍司 |
入選 | 馬酔木咲く鉄の匂ひの機関車庫 | 梅原 清次 |
入選 | 水際の芹せせらぎを青くして | 高橋 昭代 |
入選 | 機関車にふるるばかりに初燕 | 田中 京子 |
入選 | 飾られて発車せぬ汽車花の昼 | 中村 優江 |
入選 | 花影に黒き機関車静かなり | 松本 孝子 |
入選 | 愛宕山比叡山よと春の風 | 𠮷田 鈴子 |
阪田 名誉主宰選 十句 | ||
入選 | 伝言板のこる駅舎に春惜しむ | 大野布美子 |
入選 | 風光る大正の代の旧駅舎 | 中山 仙命 |
入選 | 開場を待ちきれぬ列春休み | 才野 洋 |
入選 | 扇状に機関車並びのどかなり | 池田 小鈴 |
入選 | 機関車の黒光りして花菜風 | 石井 紫陽 |
入選 | 桜咲く父の忌日や遠汽笛 | 北村勢津子 |
入選 | 機関車に駆けて行く子ら花の昼 | 築山ふみ女 |
入選 | 春光やお召し列車の黄の御紋 | 中島 勝彦 |
入選 | 叡山も愛宕も塔も春霞 | 中村 優江 |
入選 | 菜の花やチンチン電車通り過ぐ | 伯耆 惟之 |
草木瓜やチンチン電車走る園 | 磯部 洋子 | |
赤帽の声なつかしき朝桜 | 阪田 悦子 | |
時刻む蒸気機関車風光る | 清水山女魚 | |
懐かしきチンチン電車花吹き | 高橋 能美 | |
D五一や明大昭和遠くなり | 武田 捨弘 | |
飛花落花彩る先を嵯峨野線 | 田中土岐雄 | |
まんさくやD51の屋根黒光り | 谷中 こ夏 | |
花満ちて朝の気満ちていざ吟行 | 天野 苺 | |
公園に轟く汽笛飛花落花 | 中島 佳代 | |
市たちて綿菓子ふわり春の空 | 平林 敬子 | |
義経号終の住処に春の夢 | 藤明 満子 | |
SLの油の匂ひ花の雲 | 栁瀬 彩子 | |
遠望の東寺の塔や霞立つ | 山本そよ女 | |
SLの煙の影や花の雲 | 山本 信儀 | |
令和六年度 嵯峨野俳句会 吟行 於「京都鉄道博物館」
おめでとうございました。 受賞者のご芳名は以下のとおりです。 (敬称略)
「嵯峨野賞」 中谷 廣平(石川)・「嵯峨野新人賞」 田中土岐雄(滋賀)
同 秀作 吉田 鈴子(京都)・ 同 秀作 築山ふみ女(京都)
同 佳作 中島 文夫(東京)・ 同 佳作 藤沢 道子(千葉)、水科博光(群馬)
※ 表彰句など詳細は紹介ページ こちらへ を閲覧ください
4月6日(土)嵯峨野俳句大会(於:からすま京都ホテル)にて表彰されました。
◎京都方面合同新年句会
一月十三日(土) 於 くに荘(懇親会含む)
本多ひさ女記
才野主宰 吟
外に出れば道のありけり年新た
阪田名誉主宰 吟
亀石の流れきらきら松の内
中山同人会長 吟
初旅のまづは京都の句座へかな
才野主宰 特選
天 風が研ぐ天守の光初御空 ひさ女
地 初松籟天まで届きたる祝詞 佳 代
人 柄杓より光こぼるる初手水 そよ女
阪田名誉主宰 特選
天 花嫁の衣裳合せや春近し 勢津子
地 筆始親にもらひし名前書く 美 幸
人 語らひの今が幸せ日向ぼこ う み
自選句
能登までも届けとなづな囃しけり 洋 子
燃え盛る浜のとんどや大漁唄 京 子
玄関の日向あつめて福寿草 布美子
父母と歩きし道や初山河 鈴 子
逃がしたる恋の一札歌かるた 利里子
全容の富岳車窓に初旅行 悦 子
丹田に込めたる力初硯 ゆふし
初市や親父はジュースらつぱ飲み 紫 陽
寒月や厠の神の供へ餅 小 鈴
三が日世の習ひにもつきそひて 秀 子
初太鼓東寺の堀に塔の影 惟 之
酌み交はす良友五人七日かな 龍 司
あの頃へ思ひを馳せて賀状繰る 君 江
地震の地へどこでもドアの欲し三日 苺
ぽかぽかと音する心地日向ぼこ こ 夏
仕事あり俳句ありけり今朝の春 彩 子
買初は師家に持参の鯛一尾 謙 三
玄関へ雀家族の御慶かな 順 子
年はじめ海と大地に祈りけり とみ子
元日やややはおしゃぶりもぐもぐと 敬 子
初暦まだまっさらの未来かな ふみ女
初春の目元ほんのり妻笑ふ 実
東京方面合同新年句会の様子(写真下)
◎東京方面合同新年句会
一月二十日(土) 於 学士会館
村岡和夫記
都心の静かな土曜日の雪催いの午後、二十一名の参加者を得て開催。
主宰より新年のご挨拶を受けたあと、おいしい幕の内弁当をいただきながら歓談。
和やかな雰囲気の中句会が始まる。披講採点後、特選と互選高得点への表彰が行われ、
今年一年の互いの健勝と健吟を祈り散会した。
才野主宰 吟
行く年をホームに残し列車発つ
阪田名誉主宰 吟
草枯るる色に安らぐ思ひかな
中山同人会長 吟
宜しくと顔で云ひをる初鴉
梅原同人副会長 吟
寒声をもて八方の祓はるる
橋本顧問 吟
元朝の余生の余白ありにけり
中野顧問 吟
買初の文庫本手に試歩の道
中島顧問 吟
みな老いを楽しんでゐる賀状かな
才野主宰 特選
天 日を反す銀のさざなみ大旦 山女魚
地 引汐に残る小魚春隣 富 治
人 みな老いを楽しんでゐる賀状かな 勝 彦
阪田名誉主宰 特選
天 大声で泣くみどり児や初山河 洋
地 行く年をホームに残し列車発つ 洋
人 居所は分かつてゐるよ炬燵猫 爽 恵
中山同人会長 特選
大声で泣くみどり児や初山河 洋
梅原同人副会長 特選
往還に冨士の淑気をほしいまま 秀 穂
橋本顧問 特選
みな老いを楽しんでゐる賀状かな 勝 彦
中野顧問 特選
元朝の余生の余白ありにけり 爽 見
中島顧問 特選
寒声をもて八方の祓はるる 清 次
自選句
退院の兄穏やかや松の内 悦 子
水煙に虹の絡まる出初式 邦 弘
風花や旅券の父の若かりき 久美子
白壁の影は四方へ寒雀 啓 子
おさがりの袖のゆるびや歌留多取り 研 二
日脚のぶ散髪を終へぶらぶらと 憲 勝
初日の出浜の人影伸びて来し 信 儀
松七日柱時計のよく響く 博 光
初春や酒のラベルに故郷の名 文 夫
初日差す厨に母の割烹着 和 夫
第一回「嵯峨野」全国通信俳句大会 大会記
告知 嵯峨野誌及びH・P 応募締切 八月三十一日 選句締切 九月二十九日
全国の「嵯峨野」の会員・同人に加え、より広く「嵯峨野」へ入会・体験入会をお考えの皆様へ門戸を広げ、
郵送に加えメールによる投句・選句にも途を拓き、今般第一回「嵯峨野」全国通信俳句大会を企画しました。
短い告知期間にも拘わらず北は北海道、南は九州の方まで参加頂きました。誠に有難うございました。
第一回「嵯峨野」全国通信俳句大会が催されました。役を務めて頂きました皆様には篤く御礼を申し上げます。
また作品を寄せて頂きました皆様の俳句に対する真摯な思いに心より敬意を申し上げます。
「全国通信俳句大会」という事業は、元は「様々な理由で春の『嵯峨野大会』に出席できない人も大会に参加できないか」
という発想から出来たものですが、議論を重ねていく内に、本大会のような形式になったものです。
第一回にして五十三名の参加を頂いたことは、これから益々盛んな通信大会となることが期待されて喜ばしい限りです。
近頃世間ではテレビで俳句が取り上げられるなど、俳句人気が高まっているようです。その一方で結社に入って活動する人
はそれ程増えていません。
しかし俳句が本来「座の文芸」である以上、結社での活動が俳句の醍醐味であることは論を待ちません。
結社の活動の楽しさを知らない人に対してその魅力を知ってもらうための事業を、嵯峨野俳句会ではこれまでも行って
きました。 (例えば「体験入会制度」など。)この「全国通信俳句大会」もまたその役割の一端を担うことができます
ことを期待しています。
二、選者大会句
阪田名誉主宰詠
秋の夜句作の妻に茶を淹れて
中山仙命同人会長詠
北尾鈴枝高嶺集同人詠
小鳥来て母の紅茶はダージリン
簾が風に揺れているのを、逆に簾が「風をつくりつつ」と表現したところが面白いと思いました。
「つつ」の繰り返しが軽快なリズムをつくり、涼しい感じがします。
「 余白」という言葉が余韻を感じさせます。花が散っているときには「風と落花の対話」だったのが、
もう花の散り尽くした後では「風のひとりごと」になるのでしょう。
「て」という助詞が、時間差を表すのに巧く使われています。先ず社殿の灯が消えてから、しばらくして
夜店の灯が消えた。縁日の様子が正確に描写されています。
引きこもりの子でしょうか。季節が変わったことを切っ掛けとして出て来てくれることを期待している
作者の気持ちが伝わってきます。「ノックをふたつ」にも優しさが感じられます。
桜紅葉坂のぼるほど島ふゆる 田中京子
中七・下五の表現に魅力を感じます。高いところに上がって視界が広がる様子がよく分かります。
季語とも併せて明るい印象の句です。
主宰入選九句(一句取消し)
青空を舞台に踊る百日紅 𠮷田鈴子
不器用が風に揺れゐる鶏頭花 久留宮 怜
夏帽子駄駄こねる子の仁王立ち 柴田久美子
けふひと日恙なく暮れ胡瓜揉 浅見まこと
無造作に芒挿したる一升瓶 石浜邦弘
庭下駄の緒のすんなりと処暑の朝 今泉藤子
満天の星のささやく登山小屋 鵜飼三郎
甘くなれ甘くなれよと柿を干す 石浜邦弘
名誉主宰特選五句
上十二の平和な風景に下五の戦争を否定し、平和を祈念する心を対比させ心に沁みる。
仁和寺に花の名残を惜しみをり 本多ひさ女
遅桜の御室の桜は読者の私に特別の思いを呼び起こす。
晩夏光しなふ竹刀の面襲ふ 水科博光
学生時代の剣道部の一情景を鮮明に思い出した。
黙祷の涙は汗に紛れけり 島本方城
心情を説明せずに下八で読者に訴えたところがいい。
線香花火の儚い美しさを下五が見事に詠出している。
ソイヤソイヤ佃の御輿勢揃ひ 藤沢道子
露の世に生きてひと日を惜しみけり 山田正弘
フルートの銀の音色や涼新た 井上美代子
蒙古斑小さくなあれ天瓜粉 島本方城
遠景にいかるがの塔秋燕 松尾憲勝
手を振れば帽子応へる秋の航 久留宮 怜
風と来て花野に拾ふ一行詩 中谷廣平
満天の星のささやく登山小屋 鵜飼三郎
中山仙命同人会長入選十句
筑波嶺のうらも表も星月夜 町田珠子
「万歳」の言葉重たし八月来 田中土岐雄
露の世に生きてひと日を惜しみけり 山田正弘
月今宵いつかひとりになるふたり 伊藤泰山
落柿舎はここを左へ道をしへ 松尾憲勝
草いきれ鉄の匂ひのローカル線 中島文夫
天牛を獲つた獲つたと拳なか 伯耆惟之
金色の大波となる稲の秋 築山ふみ女
骨折の腕動きをり祭り笛 河村里子
新涼や海を渡って島抜けて 益田富治
蝉しぐれ還らぬ兄の声を聞く 佐野弘子
まいまいず井戸の底までつくつくし 梅原清次
社殿の灯消えて夜店の火の消ゆる 松尾憲勝
縫ひ試す古きミシンや今朝の秋 今泉藤子
籠る子へノックをふたつ今朝の秋 二見謙治
千頭の牛のにれかむ大夏野 伊藤泰山
土用波雁木に並ぶ漁舟かな 佐野弘子
語部にならぬ翁や終戦忌 山本そよ女
北尾鈴枝高嶺集同人入選九句(一句取消し)
花散りし余白へ風のひとりごと 池田洋子
もう歳をとらぬ父母盆の月 田中土岐雄
一村をぐるりと回り帰燕かな 久留宮 怜
投函の富士の五合目雁渡し 町田珠子
風と来て花野に拾ふ一行詩 中谷廣平
満天の星のささやく登山小屋 鵜飼三郎
黙祷の涙は汗に紛れけり 島本方城
夕闇や不意に湧きくる虫のこゑ 泉 葵堂
漆黒の富士の勇姿や星月夜 井上恵子
はらからと無事を確め今朝の秋 梅原惠子
青空へ飛び立ちさうな曼珠沙華 岡本清子
ミンミンの鳴く声浴びて走る道 北村加代子
滑らかにつるりと湯剥きトマトかな 阪田悦子
里の茶を立てて墓前の夕蛍 坂戸啓子
歌舞伎座にひびく鼓や新茶汲む 佐藤洋子
名草の芽待つや小雨の宅配便 澤田治子
背負籠に余る自慢の大南瓜 椎名陽子
戸隠の山暮れ蕎麦の花白し 塩出 翠
東京の夜景の上を夏の雲 清水山女魚
水遣りををへてごくごく我も飲み 高橋良精
どくだみの路地裏をなほ狭めをり 谷中こ夏
牛乳の膜うすうすと夏隣 中島勝彦
セキュリティの門扉するりと青蜥蜴 二見歌蓮
ふるさとを旅立つホーム桜舞ふ 村岡和夫
豊年や御神燈ゆれる米穀店 栁瀨彩子
我武者羅に作句数多や今朝の秋 山根征子
谷根千の階段上る秋夕焼 和田秀穂
五、大会後記
今回の通信俳句大会には嵯峨野同人・会員・体験入会の五十三名より佳什百五十九句をお寄せいただきました。
今回は、残念ながら嵯峨野以外のオープン参加の方はいらっしゃいません。尚選者の方方には出句を
ご遠慮いただき、かわりに大会句をお寄せ頂いております。
誌面の関係で掲載を一部省略した選者選評、互選選評、主宰による添削指導を含む網羅的な大会作品集を作成し
参加の皆様に郵送しております。前掲入選五十八句の方へは賞品の図書券を同封しております。
参加者以外の方で大会作品集をご希望の方は左記実行委員にお申し付けください。お送りいたします。
嵯峨野俳句会は旧仮名遣いを基本としております。出句の際には辞書に当たるなどご確認ください。
尚オープン参加の方の仮名遣いはこの限りではありません。
類想句が一部ありました。出句の際は歳時記等の例句をご確認下さい。
参加者からお寄せ頂いた貴重なご意見を参考に次回大会をより良いものにしていきたいと存じます。 (村岡和夫記)
大会実行委員長 梅原清次
実行委員 山本信儀
オブザーバー 中山仙命
令和五年度小・中学生俳句募集 結果発表 (嵯峨野 12月号に掲載)
小・中学生俳句募集も今年で三回目となり、もはや恒例行事となりつつあります。
会員・同人の皆さんのご協力を得て、今年は去年より若干多い人数の参加となりました。
今年も瑞々しい感性の作品が寄せられて、読んでいて大いに気付かされるところがありました。
事情が許す限りこれからも続けていきたいと思います。
さて今年も「大賞」「佳作」「その他の作品」との差は紙一重でした。
参加された小・中学生の皆さんがこれを契機として俳句に親しんで貰えることを期待しています。
大賞
成長期ですから、衣替えで出してきた去年の服がもう着られなくなっているということもあるでしょう。
今年はもう着られなくなった去年の服を見ながら、去年の夏の楽しかったことを思い出している作者の姿が
見えてきます。「ありがとう」と服に御礼を言っていることで、それが読む者に伝わってきます。
佳作
宿題を残しぐうたら夏休み 武田 小春
「ぐうたら」というとあまり良いイメージはありません。
しかしこの句ではこの言葉を楽しい意味で使っています。
この句の「ぐうたら」はゴロゴロ寝ていることではなく、
「宿題をしていない。勉強していない」ということでしょう。
勉強をしなくても夏休みにはやることがたくさんあります。
いろいろな経験をしてください。
その他の作品より(作者名の五十音順)
夏休み始まる戦い勝ち進め 磯部 美晴
スポーツの試合でしょうか。夏休みの間には色々な競技での大会があります。
それを前にして気合を入れている作者の姿が見えてきます。
「勝ち進め」という命令形が力強いです。
自分が試合に出るのか、それとも友達の応援かは分かりませんが、
それでも十分力強い雰囲気が句の上に出ています。
夕方に家に帰りし赤とんぼ 杉山 悠理
夕方も遅くなって暗くなりかけた時に、それまでたくさん空に飛んでいた赤とんぼが
見えなくなったことを「赤とんぼも家に帰ったのかな」と捉えた作品と思いました。
瑞々しい感性のあふれた作品です。赤とんぼが見えなくなったことで、
「私もそろそろ家に帰ろう」と思った作者の心が見えてくるようです。
夏の雲川に輝き写ってる 中村維千太
空に浮かんでいる雲それ自体ではなく、川に映っている影を詠んだところが面白いです。
それによって、空も雲も川も輝いている、夏の暑い一日が想像できます。
作者の住所から考えると、この「川」は桂川でしょうか。
大きな桂川であれば、雲の影も大きく、明るさも一層明るいことでしょう。
夏の雲雲がくらくてこわいんだよ 中村光久仁
夏の雲には白く輝く入道雲もあれば、雷雨を降らせる暗い雲もあります。
この句の場合は雷雨を降らせる雲の方でしょう。
空全体が突然暗くなって、雷をともなって大粒の雨が降ってきそうな雰囲気になった。
その雰囲気を「こわいんだ」と素直に表現したところが素晴らしいと思います。
なつのくもいいいろがいっぱいあるね 中村圭之丸
作者は未就学児。
ひらがなで一生懸命書いて応募してきたことにまず敬意を表します。
句の内容は、夏の雲を丁寧に観察した成果が出ています。
「いいいろが いっぱいあるね なつのくも」とすればきちんと五・七・五になります。
夜の風せんこう花火波の音 原 咲夢
海の近くで花火をしたのですね。
夜の涼しい風を受けながらの花火は、昼間の海とはまた違った楽しさがあったことでしょう。
「夜の風」「せんこう花火」「波の音」と素材を選んだことで、情景が読者にはっきり伝わってきます。
深海へバーチャル探険夏休み 山本 花凜
「バーチャル探険」という言葉を使ったことで、現代の世界がうまく表現されています。
現代ではAIを使うことで色々な体験が出来ますね。
さらに「夏休み」という季語があるので、時間をかけた楽しい探険であったことが分かります。
好天に恵まれて、湘南句会の20周年を記念する「江の島吟行会」が開催されました。
当日は、京都から才野主宰にもご出座いただき、弁財天奉安殿、辺津宮、中津宮、奥津宮などを巡り、藤沢へ、句会後の懇親会は、
藤沢駅前にて、記念の乾杯で始まり、大いに盛り上がり、充実した一日となりました。(信)
主宰特選句
南吹く弁財天を祀る島 勝 彦
六月の富士海の上雲の中 清 次
登り来て青葉の中の弁財天 和 夫
嵯峨野俳句大会は、毎年4月の第1土曜日、京都と東京で交互に開催しています。
今年は、4月1日(土)桜満開の東京・高幡不動尊にて開催されました。
高幡不動尊(幕末新選組・土方歳三の菩提寺)は、嵯峨野俳句会にとりましては、大変ご縁の深いお寺様でございます。
先師村沢夏風先生と名誉主宰阪田昭風先生の句碑が、二十五周年と五十周年を記念し、建碑されております。また、嵯峨野八王子句会の月例会場でもございます。先代のご貫主様には、八王子句会へのご出句もいただいておりました。
さらに、恒例の「高幡不動尊あじさいまつり全国俳句大会」が八月に開催され、才野主宰も選者として参加しております。
今大会の詳細につきましては、嵯峨野7月号に掲載される予定ですが、大会および懇親会の様子を一部写真にて紹介させていただきます。大会翌日は、深大寺と神代植物公園にて吟行会を実施し、水神苑(深大寺隣)にて会食後、無事盛会裡に散会いたしました。(信)
4月2日(日)深大寺・神代植物公園への吟行・会食と出句は「水神苑」にて
京都方面合同新年句会 1/14(土) 於 くに荘 | ||
才野主宰 吟 | ||
昇る陽を囃しゐるなり初雀 | ||
阪田名誉主宰 吟 | ||
ダイヤ婚迎へる年の明けにけり | ||
中山同人会長 吟 | ||
京へ向く旅は恵方と独り決め | ||
才野主宰 特選 | ||
天 表紙絵のベンガラ色や年新た 彩 子 | ||
地 善き顔と夢を持ち寄る初句会 方 城 | ||
人 彩雲を残し暮れゆく初御空 朋 子 | ||
阪田名誉主宰 特選 | ||
天 読初の扉をひらく句集かな 苺 | ||
地 入れ替り家族総出の初電話 そよ女 | ||
人 ただいまと訪づるる吾子福寿草 勢津子 | ||
中山同人会長 特選 | ||
鶏鳴に目覚め初夢落としけり 勢津子 | ||
自選句 | ||
貧しくて楽しき頃の雑煮かな 優 江 | ||
ひと年の息災祈りなづな打つ き ぬ | ||
幸せと大きく記す初日記 鈴 枝 | ||
年玉や一人で入るすし処 洋 子 | ||
全身をばねに赤子の初泣す 京 子 | ||
鴨川の流れかがよふ宵戎 布美子 | ||
年用意明日の見えぬ窓を拭く 利里子 | ||
関東に住まひ白味噌雑煮かな 悦 子 | ||
鏡中の我にスマイルお元日 美 幸 | ||
スリッパの揃ふ玄関年始 紫 陽 | ||
苦も笑ひ話て和む女正月 小 鈴 | ||
初漕ぎの櫓音たかだか比良比叡 惟 之 | ||
鬼ごつこ追ふも逃げるも白い息 龍 司 | ||
うなさかの雲輝かせ初日の出 胡 蝶 | ||
十日過ぎ壁に馴染みし新暦 捨 弘 | ||
足るを知る心とせむや大旦 君 江 | ||
梅柄の母の重箱去年今年 隆 子 | ||
うたた寝のまなこに触るる初日かな 謙 三 | ||
禅僧の白き鼻緒や実南天 う み | ||
花びら餅百寿の母の童女顔 和 子 | ||
白寿迄生きる予定と初電話 順 子 | ||
どんど燃ゆ古き手紙も紛れ燃ゆ とみ子 | ||
乾きたる竹刀の音や初稽古 ふみ女 | ||
炊き出しのすぼめし口に深き霜 由 美 | ||
こも樽の木槌の音や明の春 ひさ女 | ||
左: 京都方面合同新年句会の様子 右: 東京方面合同新年句会 集合写真 前列中央・才野主宰、左隣・阪田名誉主宰
東京方面合同新年句会 1/21(土) 於 学士会館 | ||
才野 洋主宰 吟 | ||
遅れゐる時計を正す大晦日 | ||
阪田昭風名誉主宰 吟 | ||
立合の一瞬の寂初相撲 | ||
中山仙命同人会長 吟 | ||
短冊の桝目際立つ初句会 | ||
橋本爽見顧問 吟 | ||
松過ぎの沖の汽笛のしきりなる | ||
中野東音顧問 吟 | ||
真ん中に聞き上手の子雑煮箸 | ||
中島勝彦顧問 吟 | ||
墨の香のご朱印帳や春近し | ||
梅原清次同人副会長 吟 | ||
蠟梅と富士と一枚空の下
|
||
才野主宰 特選 | ||
天 あらたまの巫女折り紙のごとく立つ 憲 勝 | ||
地 見得切つて逆さ富士見る梯子乗 邦 弘 | ||
人 松過ぎの沖の汽笛のしきりなる 爽 見
|
||
阪田名誉主宰 特選 | ||
天 ほのぼのと耳の透けたる白兎 憲 勝 | ||
地 平らかに初日輝ふ伊豆の海 山女魚 | ||
人 あらたまの巫女折り紙のごとく立つ 憲 勝
|
||
中山仙命同人会長 特選 | ||
あらたまの巫女折り紙のごとく立つ 憲 勝
|
||
橋本爽見顧問 特選 | ||
読初は古郷の明治俳壇史 秀 穂
|
||
中野東音顧問 特選 | ||
ふるさとの腕白とゐて三日かな 怜
|
||
中島勝彦顧問 特選 | ||
短冊の桝目際立つ初句会 仙 命
|
||
梅原清次同人会副会長特選 | ||
参道のこの真直ぐの寒さかな 勝 彦
|
||
自 選 | ||
膝つけば膝に湿りや春隣 富 治 | ||
空に打つ打出し太鼓初相撲 悦 子 | ||
空高く若火舞ひ上げどんど焼 朋 子 | ||
玄関に立ちて誰待つ春着の子 和 夫 | ||
寒行や疾起きていざ戸外へと 倫 子 | ||
五十年つれそふ妻の年の酒 文 夫 | ||
初旅へ上がり框の腰をあぐ 博 光 | ||
ふつくらと大寒玉子のメインなり 啓 子 | ||
開演待つ白き譜面の淑気かな 久美子 | ||
風を刺すほつえの尖り寒北斗 研 二 | ||
初句会子規の野球碑黒ずみて 信 儀 | ||
第二回小・中学生俳句作品募集には計七名十四句が寄せられました。応募いただいた小・中学生の皆さん、ご協力いただいた同人・会員の皆さんには心よりお礼申し上げます。いずれの作品も若い感性で捉えた「今」が素直に表現された佳句であると思いました。応募規則に従って、「大賞」「佳作」を選びましたが、その差は僅かで、どの作品も賞を得てもおかしくはないと思いました。今回応募の小・中学生の中には、昨年も応募してくれた方が多くいます。それで思ったのは、その応募者の作品が昨年よりも良い句であるということです。若く柔らかい頭で一度俳句を一生懸命に作れば、その作り方は記憶の中に残っているのでしょう。これからも「小・中学生俳句作品募集」は機会があれば行いたいと思います。若々しい感性で作られた斬新な作品が寄せられるのを期待しています。 | ||
大賞 | ||
はじめてのいるかかわいい夏の海 | 武田 小春 | |
いるかを初めて見た感動が素直に表現されています。どこかの水族館に飼われているのか、野生なのか。どちらにしても「夏の海」という季語で周囲の明るさが感じられて、作者の浮き立つような気持ちがこの言葉に象徴されています。なお古い歳時記では「いるか」は冬の季語となっていますが、今の時代にはこの言葉で冬を感じる人はほとんど居ないでしょう。新しい歳時記では季語となっていないものも多いです。 | ||
佳作 | ||
夏期講習初めて電車で一人旅 | 山本 花凜 | |
このごろの子供達は勉強が大変なようですね。この句はそんな夏期講習へ通う電車を詠んだもので、はじめて一人で電車に乗った感動が表現されています。おそらく作者にとっては講習の勉強内容よりも、一人で電車に乗ったことの方が人生での大きな糧になったことでしょう。 | ||
その他の応募作より (作者名の五十音順) | ||
金の姫金魚鉢が舞台上 | 磯部 美空 | |
金魚鉢を「金魚が舞っている舞台」と捉えた面白い作品です。金魚を「金の姫」と言ったのも、わくわくするような表現ですね。 | ||
はらはらと空まいあがる火のお花 | 磯部 美晴 | |
打ち上げ花火の様子がよく捉えられています。ただ欲を言えば、「まいあがる」よりも、「まいおりる」の方がいっそう臨場感があるかなと思います。 | ||
かき氷たくさん食べて頭いた | 岩崎 奈央 | |
誰もが納得できる内容ですね。目をつぶって頭痛をこらえている作者の姿が目に浮かんできます。身辺のささいなことを俳句にしたのは作者の感性だと思います。 | ||
着火してみんなでつなぐ夏の夜 | 坂田 陽葉 | |
手花火を皆でしている様子でしょう。「花火」を使うと「夏の夜」と季重なりになってしまうので、「花火」という言葉を使わずに花火を表すように工夫したのですね。 | ||
ねずみ花火ぐるぐるきらきら逃げ回る | 武田 一花 | |
ねずみ花火の様子がよく描写されています。「ぐるぐる」はだれでも思いつくことでしょうが、「きらきら」で光の様子も表現したことが面白いです。 | ||
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